2015年07月05日

toujyouka016.jpg 緊急避妊薬の市販薬化

避妊に失敗したときに飲む、緊急避妊薬(ノルレボ)
市販薬化して薬局で手に入るようにしようという動きがあります。

「避妊は女性の権利〜緊急避妊薬を市販化するべき〜」

緊急避妊薬を服用することによって、望まない妊娠をしたり
人工妊娠中絶を受ける必要を、未然に防げるようになるわけです。
女性が自分のからだを守るために、おおいに有効であり、
入手を容易にすることはきわめて大事なことになります。

「72時間以内の服用で間に合う 日本初の緊急避妊薬発売
副作用の少ないアフターピル」


 
緊急避妊薬は性交後72時間以内に飲まないと効果が薄れます。
急ぐ必要があるので、容易に手に入らないと、
服用できないことがありますから、入手の壁を低くするために
市販薬化を要求するのは当然と言えます。

緊急性という観点から、OECD加盟国のほとんどをはじめ、
世界の多くの国で、緊急避妊薬は市販薬化して販売されています。
日本では現在、病院の処方でしか入手できないようになっています。


ところがなにを思ったのか、緊急避妊薬を市販薬にして、
薬局で入手できるようにするのはよくない、と言うかたがいるのですよ。




緊急避妊が必要になる原因は、コンドームが破けたとか
はずれたといった、避妊に失敗したことが多いです。
合意の上の性交でも、男が避妊に協力的であっても、
緊急避妊が必要になることはあるということです。
こうした人たちの緊急事態を救済するために、緊急避妊薬を市販薬にして、
より簡単に手に入れられる必要があるというものです。

緊急避妊を必要とした理由

薬局で手に入らず、病院やクリニックでしか入手できないなら、
単純に緊急避妊薬が手に入りにくいことになって、
望まない妊娠をする女性が増えるだけだと思います。
そのほうがずっと女性のからだに悪影響です。



市販薬化反対のかたは、避妊に非協力的な不心得者の男のために、
緊急避妊薬が「乱用」されることを懸念もしています。
市販薬として売られるようになった国で、そのような「乱用」はなく、
いまだ病院でしか手に入らない韓国で「乱用」が起きてます。
「乱用」を防ぎたいなら市販薬化したほうがよさそうです。

「韓国の緊急避妊薬事情」



市販薬化反対のかたは、緊急避妊薬を薬局で購入する人は、
病院に行かないかのようにも思っているようです。
市販薬化されている国でも、病院に相談するかたは少なくないとのことです。


望まない妊娠の可能性は、たいていの女性にとって相当に不安であり、
緊急避妊薬を飲んでも安心できないかたもいると思います。
薬局で入手したかたであっても、病院に相談したくなるかたも
少なからずいることでしょう。

「緊急避妊薬 #アフピルレポ まとめ」

ましてや市販薬化反対のかたが想定しているような、
繰り返し緊急避妊薬を服用する事態になるケースでしたら、
とっくに病院やしかるべき機関に、被害を相談していると思います。


市販薬化反対のかたは「薬が女性の体に及ぼす影響」とか
「女性のからだがボロボロになっていくだけ」とか書いていて、
緊急避妊薬の副作用が強いかのように思っているようです。
それはノルレボに対する誤解だと思います。

ノルレボは成分の大半が黄体ホルモンなので、
従来からあった中用量ピルより、頭痛に見舞われたり
吐いてしまうといった副作用はずっと小さいです。
そしてノルレボは中用量ピルとくらべて
避妊に失敗する可能性が3分の1程度と小さいです。
かかる安全性と確実性のためにノルレボは推奨されるのでした。

「服用は72時間以内、日本初の緊急避妊薬」

レボノルゲストレルは、この従来法より妊娠率が3分の1と低く(下グラフ)
副作用も格段に少ない。効果、安全性ともに優れている」と北村所長。
また、服用したにもかかわらず妊娠してしまった場合でも
胎児への悪影響はないという。

従来の中用量ピルと妊娠率の比較

すでに緊急避妊薬が市販薬化している国はたくさんあります。
緊急避妊薬を市販すると問題が起きると主張するかたは、
そういうことがすでに市販している国で起きているか、
じゅうぶん検討されたいと思います。


付記1:

問題の緊急避妊薬の市販薬化反対のかたは「みみず」
かつて「水葉」と名乗っていた、「水伝騒動」の超お騒がせ人物です。
わたしが「らんきーブログ」を批判したことを、
「連合赤軍の総括のよう」などと形容したことと、
わたしがセクハラを受けているところを
二次加害に加担したことがとりわけ強烈でした。

「騒動が再燃した」
「騒動が再燃した(3)」
「性的被害の告白」
「性的被害の告白(2)」


付記2:

緊急避妊薬が日本で販売されたのは2011年6月。
諸外国と比べて承認されるのが遅く、日本が承認したのは、
実質的に世界で最後と言っていい状況でした。

http://wol.nikkeibp.co.jp/article/column/20110713/111519/?rt=nocnt
1999年にフランスで初めて承認され、世界保健機関(WHO)から
緊急避妊目的の必須医薬品に指定されている。「未承認だったのは、
アジアでは日本と北朝鮮だけだったが、今回やっと認められた。

わたしも承認されるまでをエントリで取り上げたことがあります。

「緊急避妊薬が販売された」
「緊急避妊薬が承認された」
「緊急避妊薬承認に向けて」

posted by たんぽぽ at 19:48 | Comment(2) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
このみみずさんて方は海外にプライベートでも仕事でもよくお出かけになっている看護師さんと仲良しなようですが、ピル事情やノルレボの特徴については教えてもらったりしないんですかね。
ていうかその看護師さんから指摘があってもよさそうなものですが、それらしい動きはないようですね。緊急避妊薬の市販化には賛成のようですが。
https://twitter.com/eboli_ef/status/545352574472183808
Posted by 横浜駅取材班 at 2015年07月06日 01:48
横浜駅取材班さま、
このエントリにコメントありがとうございます。

>ピル事情やノルレボの特徴については教えてもらったりしないんですかね

そうそう、なにも言わなくていいのかと思いますよ。

フェミニスト・カウンセラーと名乗っている人が、
女性のからだを守る手段に反対するのはまず大問題です。

ノルレボは副作用が大きいなんて言っているのは、
医学的に間違っているのですから、医療従事者として、
間違った知識を広めないようにする責務もあると思います。


>その看護師さんから指摘があってもよさそうなものですが、
>それらしい動きはないようですね

「みみず」とその看護師は、「水伝騒動」以来の「同士」なので、
なにがあってもおたがいに絶対批判しないという、
暗黙のコンセンサスがあるのかもしれないです。

とくに看護師のかたは、わたしがかつて協力的だった人たちから
縁を切られたことをさんざん嘲笑しているので、
自分たちが「内部対立」することになりかねないことは、
いまさらできないというのもあるのでしょう。

さりとて「みみず」を擁護すると、自分を信頼していると
思われる人たちから、自分が批判されることになりかねないので、
積極的な擁護もできないのでしょう。
なので看護師のかたは、自分は興味ないふりをして
無視を決め込むことにしているのではないかと思います。
Posted by たんぽぽ at 2015年07月06日 22:01
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