2015年07月12日

toujyouka016.jpg 緊急避妊薬の市販薬化(2)

7月5日エントリで緊急避妊薬の市販薬化に反対するフェミニストと、
その意見に対するコメントを紹介しました。
そのあとさらにくわしくフェミニスト氏が意見を述べていて、
それに対するコメントがなされているので、ご紹介します。

「緊急避妊薬の市販化反対の意見に対するコメント」

 
緊急避妊薬が容易に手に入ることは、女性が望まない妊娠を
みずからの意志で拒否できるようになるということです。
緊急避妊薬が市販薬化されることは、女性の自己決定権を
より保障することであり、市販薬化に反対することは、
女性の自己決定権の制限になることは、把握しておくことだと思います。

7月5日エントリでも少しお話していますが、
緊急避妊が必要になる原因は、コンドームが破けたとか
はずれたといった、避妊に失敗したケースが多いです。
合意の上の性交でも、男が避妊に協力的であっても、
緊急避妊が必要になることはあるということです。

緊急避妊を必要とした理由

「みみず」氏の意見を見ていると、男が避妊に協力的でないとか、
レイプされたといった事例ばかり言及しています。
それで緊急避妊が必要なのは、そういうのっぴきならない
事態になったときなのかという印象になりそうですが、
そういう事態ばかりではないということです。


ここでは「みみず」氏のつぎの意見を見てみたいと思います。
なんだかよくわからない抽象的な主張です。
なにをもって「近視眼的」「長期的」と言っているのかもあると思います。



現実にある課題解決は、おおよそどれも眼の前にいる
困っている人たちの不便の解消だと思います。
「仕事と育児の両立」も「セクハラ、DV対策」も
「シングルマザー支援」も「民法改正」もみんなそうでしょう。
そうした目前にある課題の解決の積み重ねが、
「長期的に見て」女性の権利の尊重になるのだと思います。

「女性の自己決定権の確保」ないし「緊急避妊薬の普及」も
そうした眼の前にある課題のひとつということになります。
よって緊急避妊薬の市販薬化も、長期的に見れば、
女性の権利のためであった、ということになるでしょう。


緊急避妊薬は、1999年にフランスで承認されて以来、
他国でもつぎつぎと承認され、低価格化・市販薬化され、
WHOから緊急避妊目的の必須医薬品に指定されてきました。
医学的見地からも、緊急避妊薬を普及させることが、
国際的な流れになっているいうことです。

日本でも緊急避妊薬を市販薬化して、入手を容易にすることは、
「緊急避妊薬の普及」という国際的な流れに沿うことになります。
そのほうがずっと「長期的な視野に立っている」と言えるでしょう。


「みみず」氏のように、避妊に協力しない不心得ものの
男が増えるなどと言って、緊急避妊薬の市販化に反対するほうが、
ずっと「近視眼的」で「長期的」に見ていないと思います。
前述した、緊急避妊が必要なケースは避妊失敗が多いことを、
取りざたしないことも「近視眼的」だと思います。

また「みみず」氏のような意見によって「得をする」のは、
女性の権利とか女性の自己決定の気配を感じるとなんでも反対する、
家族やジェンダーに関して因習・反動的な人たちになるでしょう。

posted by たんぽぽ at 20:10 | Comment(1) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
フェミニストの女性で反対する人、デメリットのほうが大きいのではないかという意見が出てくるのは理解できます。

安全性の面で薬であるからには必ず副作用はあるという話はまず違う視点になるので、その視点は置いておくにしてもですね。

まず男には何のデメリットもない。女性は当然、実体験がないわけですがコンドームはサイズがどうの以前に装着するのは痛みがありますし、手間もかかり、その痛みや手間によって急速に局部が萎縮する、精神的にも下降してしまう。
それによって苛立ちと相手女性に対する気まずさも生じるので、それらのデメリットはかなり大きいです。
海外で日本製のゴムは評価が高いといっても、個人差はあると思いますが、痛みや手間なくしてゴム着用による避妊は困難と言えると思います。

それで問題は女性の解放とか女性側主導でということとは正反対に、男側がそういう薬があるんだから飲めよ、飲まなきゃウソだろ?
と男主導で女性が飲まされる可能性、ということを反対の人は言いたいんじゃないですかね。
これまでの思考としては痛くて手間もかかる、性的快楽も減少するが相手女性のためにそのくらいは男側がデメリットをもってしかるべき、ということだろうと。それがまるっきり覆されることになりますよね。
まさかゴムの企業関係者が顔や名が見えない形で妨害しているとも思えませんし。
Posted by ヒラリー at 2015年07月13日 04:36
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