「恋人なら相手の性的な要求にこたえるべきだ」という、
危険な考えをしていることがわかった調査があります。
「デートDV:男子学生の半数「恋人なら性的要求にこたえるべきだ」と回答
予防教育の必要性」
(はてなブックマーク)
「増えるデートDV 「男がリードしなければならない」という思いと心理的攻撃」
これらの記事で取り上げられている調査は、ふたつあります。
ひとつはSEANという、デートDVの予防に取り組むNPO法人によるもので、
『若者の性意識とデートDV』という報告書にまとめられています。
税込みで1620円です。
「新刊報告書のお知らせ『若者の性意識とデートDV』」
「若者の性意識とデートDV : 互いを思いやる豊かな関係をめざして」
もうひとつは日本性教育協会が行なった、
『「若者の性」白書 第7回青少年の性行動全国調査報告』という調査です。
こちらは税別で2200円です。
「「若者の性」白書 第7回青少年の性行動全国調査報告」
どちらもいくらかお金がかかりますが、
興味のあるかたはご覧になってみてはと思います。
SEANの調査にある、「恋人なら相手からの性的な要求に答えるべき」と
回答したかたの割合は「女性<男性」であり、また男性は年代が
上がるにつれて高くなっていて、予想通りの結果となっています。
「恋人なら相手からのキスなどの性的な要求にこたえるべきか?」の問い
(同5589人)に、男子の49%が「大変思う」「やや思う」と回答。
中・高・大と年代とともに割合が高くなり、大学生は61%に上った。
一方、女子で「思う」と答えたのは全体で34%だった。
『メッシー』の記事では、日本性教育協会の調査にある、
「初めてのキスの経験は、どちらから要求しましたか」
という質問が取り上げられています。
つぎのように男子から要求することが多いことがわかります。

(単位:パーセント)
ここには「恋愛関係になったら性的関係はとうぜんあるものだ」
という考えかたがあるのだろうと思います。
(大学院生になっても、性的関係のある恋愛関係と
ほとんど無縁のところにいたわたしには、いささか隔絶の感がある。)
男性>女性であることは、もちろん性的関係にともなうリスクが
女性のほうが高いことや、男性よりも女性のほうが、
性的関係持つことが忌避されやすいという、社会通念によるものでしょう。
また「男性の性的要求は抑えられない」という固定観念もありそうです。
日本の男子中高大学生の感覚は、スウェーデンなら
みんな逮捕されるくらいだという意見があります。
本当に逮捕ものなのかはわからないです。
これはヤバイ。スウェーデンなら皆逮捕級。今すぐ息子たちにまともな性教育やら、男女平等について教育必要!→デートDV:男子学生の半数「恋人なら性的要求にこたえるべきだ」と回答 予防教育の必要性 - 毎日新聞 http://t.co/ASweNs5Auw
— 白石草 (@hamemen) 2015, 7月 27
スウェーデンというか、ヨーロッパの民主主義国であれば、
日本よりもずっと性に関して相手を尊重する考えが浸透していて、
日本の男性並みのことをするのはとんでもないことに
なっているのはたしかだと思います。
付記:
デートDVについて。
デートDVとは、なんぞやって調べたら本質的な男性のことだった pic.twitter.com/KnfyAZrtjH
— ろくゆめ (@rockyume9) 2015, 7月 28
これは完全にギャグですね。
恋人同士で性的「要求」という意味が分かりませんし、どちらが最初にキスを「要求」したか、という質問は下品このうえなく、それこそ何で赤の他人にそんなこと聞かれなきゃいけないのか、また答えなければいけないのか。
だいたい要求という言葉で受け取らない人がほとんどでしょう。
最初のデートで食事をして、どちらがお金を払うように要求しましたか。それとも割り勘でしたかとか質問する馬鹿もいないでしょうし。
まあそういう考え方をする人は、同じ考えの人を恋人にすればいいだけのことで、ある恋人同士がどうであるという人さまのプライバシーに「要求」などという言葉を持ち込んで口出しすることのほうが犯罪ですね。
最近ではSNSでキス動画をアップするのが流行っているだの、プロのカメラマン連れてデート写真を撮影させるサービスがあるだのと耳にします。
現代ではそういうのも思い出作りの一環なんですね。おじさんにはまったく理解できませんが(そもそもSNS自体がプライベートを垂れ流す露出狂どもの、ゲフンゲフン)。
そうした風潮もあってか、SNSでの「出会い」ってのも少なくなくて、その「出会い」から派生した犯罪も少なくはないようです。
いつ頃だったか忘れたけど、そうして出会った男が、自分の言うことを聞かない女を車ではねたって話があったりしました。
このとき、男には殺意は無かったそうです。でもふつう、車で人をはねたら死んじゃうんですけどね。
それはともかく。
まぁどういう出会いの形にせよ、お互いの理解の上でコミュニケーションは成立するわけですから、一方的な要求に従う義務が発生すると考えること自体ナンセンスなわけです。
これでジェンダーギャップが少ないとか、「はぁ?」ってなもんですよ。
ちなみに自分の場合、高校生の頃につきあっていた彼女とのファーストキスは自分から要求しましたよ。いまでも鮮明に思い出せます。
夕焼け空の下の展望台で、手を握りながら遠くを眺めて。ちょっと彼女が寄りかかってきて。ふとそちらを向くと頭ひとつ低い彼女の笑顔があって。そのまま顔を近づけていって。
はい、多分に美化が入っております。
いやいや、おじさんにとっては、じつに甘酸っぱい思い出ですねぇ。
>最近ではSNSでキス動画をアップするのが流行っているだの、
>プロのカメラマン連れてデート写真を撮影させるサービスがあるだのと耳にします
「えーー」と思います。
自分で撮影してアップロードするならまだしも、
プロのカメラマンを同行させるというのはすごいです。
デートなんてふたりきりでやってなんぼでしょうし、
赤の他人がいっしょにいていいのかと思います。
わたしにも理解できないですよ。
>そうして出会った男が、自分の言うことを聞かない女を
>車ではねたって話があったりしました。
「いかにも」なお話ですね。
こういうのは、SNSと関係ない出会いでもありえるでしょうから、
取り立ててSNS危険論を主張するつもりはないです。
デートDV一般として理解するのがよさそうです。
>一方的な要求に従う義務が発生すると考えること自体ナンセンスなわけです
記事を見ると「束縛してはいけない」という考えは
定着しているみたいなのですよね。
性的関係になると、そうは思わない人(男性)が多くなるのですよね。
性的関係もデートDVに含まれる、というか、性的関係はある意味
リスクが高いことを、もっと周知させる必要がありますね。
>多分に美化が入っております。
>いやいや、おじさんにとっては、じつに甘酸っぱい思い出ですねぇ
いい思い出みたいですね。
美化もよいのではないかと思いますよ。