自民党議員による過去のいじめ加害の体験談が炎上した件が、
大手マスコミの取り上げるところとなりました。
「いじめ加害体験談で炎上」
「いじめ加害体験談で炎上(2)」
「自民:ネット炎上、国会議員2人が記事を削除」
(はてなブックマーク)
ツイッターで話題になったことなので、一般紙では話題にならないかもと、
わたしは思っていたのですが、記事になりました。
特筆することは、両方とも性的虐待があることだと思います。
熊田裕通のケースは「若い女性教師が生意気」ということですし、
中川雅治のケースは「同級生を全裸」だからです。
どちらも強姦まがいと言えるものだと思います。
自民党議員二人(熊田、中川)「小さくて可愛い子の性器にいたずらをした」若い女性教師が「はじめは「開けなさい」と命令していた先生も、そのうち「開けてください」とお願い調になり、最後は涙声で「開けて〜」と絶叫調に変わってきた。「やった〜」と快感でしたね」…『快感』ですかそうですか…
— 水戸泉8/19『溺れる夜、秘する恋』発売 (@mittochi) 2015, 8月 7
前者の告白は男ばかりの集団でよく起きる『体が小さい弱い子を『女』の代用品にして集団でいたぶって楽しむ』で、後者は『若くて生意気な女教師を集団で苛め抜いて泣かせる』これまんま集団強姦の暗喩だよ。やってることがまんまエロゲ。しかも反省してないし自覚もない。存在がホラーだよ。
— 水戸泉8/19『溺れる夜、秘する恋』発売 (@mittochi) 2015, 8月 7
性的な要素がふたりのいじめの両方にあるのは、
偶然なのか必然なのかは、わたしにはわからないです。
性的要素のないいじめというのも、もちろんあるからです。
ふたりとも性差別的意識があるということは言えるのでしょう。
もうひとつ、両方のケースに共通することとして、
道徳教育を主張していることがあると思います。
熊田裕通は自民党の文部科学委員で、道徳教育の必要を訴えています。
中川雅治はいっしょに対談している義家弘介が、
いじめの解決には道徳教育の徹底が必要だと主張してます。
「道徳」なんて持ち出しても、いじめの解決に
まったく役立たないことを、彼らはしめしていると思います。
ふたりとも過去のいじめに対して加害意識がとぼしく、
いじめに無理解な人の典型だからです。
いじめ問題に関しては、道徳を持ち出すのは、
かえって有害でさえあるのではないかと、わたしは思います。
彼らの信奉する道徳も、おそらく既成秩序のお題目でしょうし、
それは社会的強者に有利であって、いじめ被害者という
社会的弱者には不利なことも多いだろうと思います。
いじめの解決に必要なのは、むしろ「人権教育」です。
熊田裕通と中川雅治のいずれのいじめにも、性差別という人権侵害があります。
そして「人権意識」こそ、これらいじめ加害者になる
タイプの人たちに、不足しているのだろうと思います。
道徳教育の必要性を語っている政治家たちが、同級生への性的虐待イジメや女性教師への爆竹リンチをした経験を罪の意識無く語っている姿を見ると、絶対に彼らが言うような道徳教育は子供にやらせちゃいけないし、そもそも必要なのは道徳教育ではなく人権教育だと思う。
— 勝部 元気@『恋愛氷河期』8/19出版 (@KTB_genki) 2015, 8月 6
政治家の問題行動や問題発言をまとめたデータベースのようなものが作成されて、投票前に有権者が参照するような仕組みとかがないと、こういった議員は一向に減らないんじゃないかと思います。
イジメや性に関連しますが、私は先日古書店で山本直英さん(1932-2000)という人の本を買ってみました。
1982年に高柳美知子さん(1931-)とともに性教育、人権などに関する協議会を創設とプロフィールにあります。
確かに性教育、男女、同性愛、反差別など綴られており、予想通りスウェーデンに引き付けられ過去7回もスウェーデンを訪れ現地の人と共同で性教育のビデオも制作したそうです。
意外なのは現地の女性に女性としてどのような生き方をしたいですか?と質問すると多くの女性が「性的な魅力があって知的な女」と答える、と書いてありますが、スウェーデンでの性をモデルとして日本に紹介する人の多くは、この部分を切り捨てて言及している感じですね。
日本の左派女性は知的は受け入れても、性的な魅力がある女でありたいなどという人はいないし、そんなこと言おうものなら、男に媚びていると批判されかねません。
もちろん男側もそのセリフに対して性交渉に積極的な女性と受け取る単純性や、性的アピールの強い女性をよしとしない人が少なくないと思われます。
日本は男女ともにその発想はなじまないと判断されて、そこは切り捨てる。ゆえにスウェーデンの性教育を持ち出すとフェミがよく持ち込む人権と性の言及と決めつけられてしまうところがあるかと。
男女双方が成熟していないからスウェーデン論を深く語られる土壌になっていない無念と言える気がします。
このエントリにコメントありがとうございます。
>こうやって炎上しても投票するときには覚えてる人のほうが少ないですよね・・・
たいていのことは忘れられますよね。
覚えられていることがあると、ちょっとびっくりするくらいです。
あと、こういう議員に投票する人が減らないのは、
この1件だけでは投票行動を左右するにいたらない、
ということではないかと思います。
投票を決める要因はたくさんありますからね。
ひとつふたつばかやったくらいで、投票先を変える人は
なかなかいないだろうと思います。
それは「悪いことをした」という
認識がない、ということだと思います。
「いたずら」くらいに思っているのでしょう。
だから無防備に語れるものと思います。