国際比較したものがあるので、ご紹介したいと思います。
「女性の年齢別労働力率の推移(欧米との比較)」
労働力率を国際比較した図はいくつも見つかりますが、
たいていはひとつの年次にかぎったデータとなっています。
年次推移まで載せた図は、なかなかないと思います。
「M字カーブは日本と韓国だけ」
これらの図を見て最初に眼につくことは、
「M字カーブ」を描くのは、日本と韓国の特徴ということだと思います。
労働力率がM字カーブとなるのは、出産や育児で女性が
仕事を続けられなくなることをしめしています。
欧米の民主主義国は、現在どこもM字カーブを描かなくなっています。
日本と韓国は子どもを持つ女性の労働環境が、
それだけ整備されていないことをしめしていることになります。
日本の場合、1960年のM字カーブのくぼみは、それほど深くないですが、
1975年になると、20-30代の女性の労働力率が下がることで、
くぼみが顕著になっていることです。
この時代、「妻は専業主婦」というライフスタイルが浸透して、
結婚や出産をした女性が働かなくなることが、
多くなったのだろうと思います。
日本も女性の労働力率の全体は上昇傾向ですが、
他国と比べるとあまり早いペースとは言えないです。
M字カーブのくぼみも、浅くなってきていますが、
女性は派遣やパートなどの非正規雇用に
回されているからであることは、注意することだと思います。
「M字カーブ緩和の原因」
女性のすがたの変化。M字カーブの底が浅くなり,有業者の比重が増えているが,増分のほとんどは非正規雇用(パート・バイト,派遣等)。90年代以降の女性の社会進出とは,こういうことか。 pic.twitter.com/bFbTS9OuWo
— 舞田敏彦 (@tmaita77) 2014年2月7日
スウェーデンは1960-70年代に、女性の労働力率の上昇がめざましく
1985年にはすでに現在の水準に達しています。
すでに完成した状態になっていると言えます。
スウェーデンの1980年以降は、女性のパートタイムが減って
フルタイムの割合が増える時代となっています。
女性の労働力率を上げる時代は1980年ごろまでに終わって、
それ以後はフルタイムを増やすことが課題になったのでしょう。
そしてそれも現在完成に近くなりつつあります。
「女性の就労形態の組成変化」
30〜40代女性の組成の変化図。生産年齢女性の有業者比率は,日本もスウェーデンも増えている。しかし日本は,パートタイム(非正規雇用)依存型。スウェーデンはフルタイム型。女性の社会進出の国際差って,こういうこと。 pic.twitter.com/ZfuUOwzVJz
— 舞田敏彦 (@tmaita77) 2014年1月20日
韓国も日本と似たような状況です。
全体的に日本より低い水準で、1960年には浅かったM字カーブのくぼみは、
1975年にははっきり現れるようになっています。
また全体の上昇も1975年以降はペースが遅くなっています。
フランスはスウェーデンと状況が似ていて、
1960-70年代にめざましい上昇を続けました。
1995年に現在の水準となり、スウェーデンに近い状態になっています。
フランスは家族政策に力を入れ続けている国ですが、
その効果が現れたのもあるのでしょうか?
「フランスの家族政策」
「フランスの家族政策(2)」
オランダは1960年から2005年まで、ほぼ同じペースで
順調に女性の労働力率は上昇し続けています。
イタリアは全体的に低い水準ですが、それでも同じペースで
順調に上昇し続けているし、M字カーブも描かないです。
アメリカ合衆国もスウェーデンやフランスと同様、
1960-70年代に、女性の労働力率が急上昇しています。
近年はスウェーデンやフランスをやや下回る水準で、落ち着きつつあります。
以前、アメリカ合衆国の女性の就労率が
21世紀に入ってから伸び悩み、ほかの欧米諸国と比べて
遅れを取りつつあるというお話をしました。
年齢別の労働力率曲線でも、それは現れつつあると言えそうです。
「アメリカの女性就労率」
日本は1960年には、欧米の民主主義国より
女性の労働力率が高かったのですよね。
ご存知のかたもいると思いますが、いまの感覚からすると
いささか意外の感もなくもないです。
日本の女性の労働力率は1960年には50%-55%程度ありました。
韓国は30%程度ですから、それよりずっと高かったのでした。
スウェーデンは、1960年はほとんどの世代で40%以下、
フランスも1962年は、40%を少し超える程度です。
冷戦・ヤルタ体制時代の後半に、日本は急速に欧米の民主主義国に
追い越されていったということです。
謝辞:
2013年10月7日エントリのコメント欄で、
「社会実情データ図録」のサイトを教えてくださった
ritiarnoさま、ありがとうございます。
すごく思考が矛盾されてますね。
60年代にすでに日本は女性労働者が多く、そのうち半数は既婚者女性だと以前書きましたけど。
ところが、たんぽぽさんは当時女性の働ける場が少なく男の経済力に頼るしかないから仕方なく結婚する女性が多かった。
ゆえに現在と違ってサエない男でもたいていは結婚できたのです、と勝手な見解をされてましたけど。
それが真実とすればサエている男は条件のいい女性と結婚し、サエない男と結婚した女性は魅力の落ちる余り者みたいな女だと指摘しているのと同じなわけですが、サエない男でも、を強調したいばかりに視野狭窄になってしまったんでしょうね。
スウェーデンにしても性犯罪が多いし、スウェーデンに住んだことのある人の本を読むと医療にしても、まず電話を掛けて、その症状なら薬局に行ってこういう薬を購入し、それでも治らない場合は来てくれとという感じ。
宅配便は荷物が大きかったり多かったりすると電話が掛かってきて、荷物運びを手伝ってくれるなら今からお伺いしますとか、日本ではあり得ません。
そんなことで良ければ日本も医療費は大きく削減できますし、宅配も少ない正規従業員のみで対応できます。
ゆえに現在と違ってサエない男でもたいていは結婚できたのです
今はむしろ男性の方が結婚を渋っているのではないですか?婚活に盛んなのは女性ばかりですし
昔は男は結婚して大黒柱になるべきだというロールモデルの影響が強かったということでしょう
年配の人に話を聞くと昔は仕事が高評価でも結婚して所帯を持たないと課長以上にはなれないからな、と上司にアドバイス?というか警告されたそうです。
一般世間の見方もある年齢以上になって独身の男だと変質者扱いされたり。本人の被害妄想も含まれるかもしれませんが。
一方で女性は良妻賢母を求められることが苦痛であるとかですね。
男も別に一家の大黒柱になりたくないからとなって結婚も減っているのかなと。
ただ結婚しなければ良妻賢母もなにもないですが自分で仕事をせねばならず、男はどっちみち仕事はするわけで昔みたいに独身男であることをもって出世の天井があったり世間体が悪くなったりすることもないので、大黒柱みたいな面倒なものになりたくないと。
それに対して、まったく最近の男は!と言うのは保守系のオジサン、オバサンで左派はそれが言いたくても言えないツラさがあるでしょうね。
ま、ここが、交流広場として機能すればいいですけど
他人のブログのコメント欄を、自分の雑記帳と心得る人が
ふたりになると、こういうことにもなる、ということですね。
両名におかれましては、今後もおふたりで対話を続けるのでしたら、
以下のエントリに移っていただきたいです。
http://taraxacum.seesaa.net/article/411396666.html
むかし作った来訪者用のエントリです。
雑記帳というのは意味が広いですね。
新聞でありながら自分の飼ってるペットがどうしただの書いてる作家がいて、確かに新聞にそういった個人の雑記は必要ないと思います。
M字型雇用なら18日の毎日新聞に、
「夫は外で働き妻は家族を守るべき」について、
1997年に賛成・どちらかといえば賛成を合わせて58%
2012年でも52%となっています。
半数の人が賛成及び賛成に近いとなると、必ずしも女性のM字型雇用が納得できない人ばかりでなく、それで問題ないと思う人が半数いれば、そういう人も尊重するべきで、反対の人も当然どうするか国や企業は考え折り合いをつけなけるということですね。100%はありえませんが半数では折り合いをつけるのも困難なのは仕方がないのでは?
家にいたいというアンケートの半数の人の意向とは何ら関係ないです。
いつもヒラリー氏は論点がズしるが、コメント一番の上客として、これまでたんぼぽプログをどれだけ読んできたのかと問いたい。
>M字型の問題は、
なぜに「夫は外で働き妻は家族を守るべき」イコール
「M字カーブ温存賛成」になるのかわからないですね。
しょちゅうこんな調子だし、まともに検討するに値しないことが多いのですが、
相手してやらないと「異論反論を述べているのだから、
検討するべきだ」なんて息巻くのでしょうかね?
>いつもヒラリー氏は論点がズしるが、
ずっと放置しているけれど、野放しにされているのをいいことに
自分の雑記帳代わりにしてよいと、思っているのかもしれないです。
>これまでたんぼぽプログをどれだけ読んできたのかと問いたい。
ろくに読んでなくて、単に粘着したいだけだろうと思います。
また対処が必要そうですね。
フェミニストでも日本と韓国は遅れているという人と、逆に韓国は素晴らしいという人がいますね。北原みのりさんとか。韓国の男大好きという。そういう雑記こそ週刊朝日でなく自分の個人日記や同じ韓国好きと勝手に盛り上がって頂きたいと思うわけですが。
日韓以外の国から見れば、日韓は近いし顔も似てるし移民政策をとってない豊かな国だから少子化なんだろうと思うでしょうね。
両国ともかなりの少子化なのにM字型雇用ってどうしてだろうとも思うかもしれません。
日本は韓国のような財閥系中心ではないという違いは大きいですが。
検証が必要なのはM字型雇用といっても子育てが一段落して、そのうちどれだけの女性が以前と同じ雇用条件で仕事をしたがっているのか?
それ以前に結婚、寿退社して、その時点で子供ができなくても、もう仕事をするつもりがない人もいますよね。
結婚や出産、育児で退社した人の多くが同条件で復職したいと思っているかのような前提がおかしくないですか?
メディアはそういう人の声を取り上げず同条件復職したいのに出来ないという人の話ばかり取り上げますけど。
で、前も書きましたが産休、育児休暇に無理解な社会人は女性のほうが多いということです。
何でですかね?男性とか企業でなく女性に対する女性の問題ですよ。
その女性の意識が欧米の女性と違うということじゃないんですか。
まあ、私はそのことで日本の働く女性が欧米の働く女性より遅れているとは思わず、意識が違うとしか思いませんけれどね。
http://taraxacum.seesaa.net/article/424898416.html