反対するフェミニスト「みみず」の主張をご紹介したのでした。
「避妊は女性の権利〜緊急避妊薬を市販化するべき〜」
「緊急避妊薬の市販化反対の意見に対するコメント」
7月5日エントリでも少し触れましたが、緊急避妊薬には
強い副作用がある可能性を、「みみず」はしきりに主張しています。
今回はこれについてくわしく見ていくことにします。
「とあるフェミニストの緊急避妊薬(ノルレボ)の市販薬化反対論」
「緊急避妊薬に強い副作用があると主張するフェミニスト」
緊急避妊薬を安価に近所の薬局で買えるように、って主張には私は同意できない。「中出ししちゃった〜。妊娠したくないなら、キミがノルレボ買って来て飲めばいいよね」「ノルレボ飲まなかったのは、妊娠したかったからでしょ」ってなるのが目に見えてるから。薬が女性の体に及ぼす影響なんか無視で。
— みみず (@mimizuh) 2015, 6月 28
緊急避妊薬は市販薬にするのではなく、健康保険適用させたほうがいいと思うよ。女性はもっと産婦人科に行くべき。何度も何度も緊急避妊薬をもらいにくる患者さんがいれば、DVを疑って話を聞いたり、適切な機関に繋ぐこともできる。市販薬だとできない。女性のからだがボロボロになっていくだけ。
— みみず (@mimizuh) 2015, 6月 28
ホルモン治療の辛さを経験してるからなあ。内分泌系いじる薬が市販薬になるのはこわいな。なんのフォローもないってことだし。誰も責任取らない(自己責任)ってことだし。
— みみず (@mimizuh) 2015, 7月 2
避妊は女性の権利〜緊急避妊薬を市販化するべき〜 - Togetterまとめ http://t.co/I6E7HHyWCT @togetter_jpさんから
「ただちに重篤な問題が生じるわけではありません。」かあ。どこかで聞いたフレーズだなwww 副作用はありませんって断言も変。
— みみず (@mimizuh) 2015, 7月 3
緊急避妊薬(ノルレボ)の現在知られている副作用は
吐き気や頭痛などですが、これらは通常24時間以内におさまります。
そして不妊症やその他の後遺症になるという報告はないです。
避妊に失敗して妊娠しても、胎児への影響も報告がないです。
「緊急避妊薬(モーニングアフターピル)の基礎知識」
緊急避妊薬の副作用
主な副作用はつわりのような吐き気や、生理痛のような腹痛。
緊急避妊薬の方が、経口避妊薬で行う緊急避妊より副作用の発症は低いようです。
緊急避妊が失敗して妊娠したとしても、胎児には影響がないとの
報告がなされています。理由は、妊娠時には身体から
緊急避妊薬の10倍以上の女性ホルモンが分泌されるため。
緊急避妊薬(経口避妊薬も同様)程度の女性ホルモン量では、
胎児に与える影響はほとんどないとのことです
「緊急避妊アフターピル ノルレボ」
緊急避妊の副作用とは?
服用すると、一時的に気持ち悪くなったり、吐いたりすることがありますが、
これらの副作用は24時間以上継続することはありません。
「アフターピル(緊急避妊ピル)に詳しい婦人科」
モーニングアフターピルは安全なのですか?
当院の採用している緊急避妊ピルであれば、不妊症になることや、
後遺症が残る可能性はゼロです。極めて安全性が高いと言えます。
「みみず」は「女性のからだがボロボロになっていく」とか
「内分泌系いじる薬が市販薬になるのはこわいな」と
言っているのですから、「みみず」があると予想する副作用は、
上記の程度ではない、もっと強いものだと思います。
ところがそんな強い副作用があることは、どこにも述べられていないです。
「みみず」は「副作用はありませんって断言も変」と言っています。
そんな「断言」をしているかたはいるのでしょうか?
緊急避妊薬には、ここで述べたような副作用が
あることくらいは、だれしも触れると思います。
「「ただちに重篤な問題が生じるわけではありません。」かあ」
なんて揶揄気味にも言っています。
そんなことを言っている人はどこにいるのかと思います。
「みみず」が自分のツイートでリンクしたまとめを見ても、
それらしいコメントはないですよ。
「緊急避妊薬の市販化反対の意見に対するコメント」
緊急避妊薬は安易に使うものではないという意見は、専門家からもあります。
それは「ノルレボは緊急用」という本来の用途を理解した上で、
日ごろからべつの方法で避妊をこころがけよという理由であり、
「みみず」が予想しているであろう副作用のせいではないです。
http://allabout.co.jp/gm/gc/4413/
緊急避妊薬は、あくまでも「緊急的な」避妊に用いる薬です。
倫理的にも色々な側面があると感じておりますので、安易に用いず、
普段から経口避妊薬や、コンドームなどの方法で避妊することが大切です。
もちろんどんな医薬品にも副作用はあります。
「いかなる副作用もない」と「断言」する専門家はいないでしょう。
しかし副作用を問題にするのであれば、それはどういった症状なのか、
医学的根拠にもとづく必要があります。
医療機関が医薬品について正確な情報を提供した上で、
患者さんは判断するというのが、現代の医療のありかたです。
根拠にもとづかない情報を流して、患者さんの判断を
惑わすようなことをしてはならないことです。
このエントリでしめしたのではに強い副作用があると
「みみず」は言うのであれば、漠然と反証不可能なことを言うのではなく、
具体的にどんな副作用があるのか、しめす必要があるでしょう。
存在を主張するご自身が、積極的に存在を証明するということです。
緊急避妊薬は、1999年にフランスで承認されて以来、
他国でもつぎつぎと承認され、低価格化・市販薬化され、
WHOから緊急避妊目的の必須医薬品に指定されてきました。
実用化してからすでに15年以上経過して、世界中の人びとに使われています。
「72時間以内の服用で間に合う 日本初の緊急避妊薬発売
副作用の少ないアフターピル」
「レボノルゲストレル(商品名ノルレボ錠0.75mg)」という黄体ホルモン剤。
1999年にフランスで初めて承認され、世界保健機関(WHO)から
緊急避妊目的の必須医薬品に指定されている。
「緊急避妊(アフターピル)」
ノルレボ錠とは、世界約50カ国で使用されている
緊急避妊薬(アフターピル)です。1999年にフランスで初めて承認され、
世界保健機関(WHO)から緊急避妊目的の必須医薬品に指定されている薬です。
日本では、2011年に厚生労働省から認可がおりました。
深刻な副作用があるというのなら、とっくに報告があり、
なんらかの対処がなされていると、わたしは思います。
>低容量ピルとの比較
「みみず」は低用量ピルの解禁の運動にかかわってきたそうです。
あらあ……。ずいぶんと偏った本を根拠にしてるんですね……。
アタシ、低用量ピル解禁の運動に関わってましたけどね。フェミですがw https://t.co/yfLYoy4psU
— みみず (@mimizuh) 2015, 6月 28
低用量ピル(プラノバール、ヤッペ法)のほうが、
緊急避妊薬(ノルレボ)より副作用が強いです。
低用量ピルより副作用が弱いのが、緊急避妊薬の画期的なところのひとつです。
「緊急避妊薬ノルレボの処方を開始します」
プラノバールによる緊急避妊と「ノルレボ」による緊急避妊の大きな違いは、
副作用の出かたとノルレボが「緊急避妊を目的とした薬」であるという点です。
プラノバールは「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」が
混ざった中用量ピルですので、服用した方の半数は
吐き気や嘔吐という副作用が出てしまっていました。
「ノルレボ」は「黄体ホルモン」のみが含まれているため、
吐き気をはじめとした副作用が非常に少なくてすみます。
「服用は72時間以内、日本初の緊急避妊薬」
「これまでは月経困難症や子宮内膜症などの治療に用いる
中用量ピルを緊急避妊薬の代用としていたが、これはホルモン含有量が多く、
吐き気や嘔吐、頭痛などの副作用が起こる頻度が高かった。
レボノルゲストレルは、この従来法より妊娠率が3分の1と低く(下グラフ)、
副作用も格段に少ない。効果、安全性ともに優れている」
副作用のより強い低容量ピルの解禁運動にかかわっておきながら、
緊急避妊薬の市販薬化は副作用を問題にして
反対するというのは、どういうことかと思います。
付記1:
ここでお話した程度の避妊薬の副作用のことは、
産科やレディースクリニックのサイトを見れば、
いくらでも書いてあると思います。
付記2:
このかたは緊急避妊薬を服用したことがあるそうですよ。
「そんなにしんどいものでもなかったです」なんて
あっさり言っているけれど、副作用の心配をしてあげる
必要があるのではないですか?
「みみず」さんの「おともだち」なのでしょう?
@supika_24 30代40代の中絶件数の多さ考えると、低用量ピルでの避妊も限界があると思いますし、個人的には緊急避妊薬ははよ解禁せいと思ってますよ。使用したことはありますが(海外で購入)そんなにしんどいものでもなかったです。
— えぼり (@eboli_ef) 2014, 12月 17
もちろん正当な試験をクリアしたのに結果的に重い副作用が生じるものであったケースもありますが。
日本の場合は医師の力が強く製薬会社の力が弱いため銀座あたりのホテルで今でも製薬会社による医師への接待が行われています。
米国は医師の力が弱く製薬会社と保険会社の力が強いので、特に医学・薬理学の素人である保険会社の人間が利益目的で医師に治療方針や薬の処方を指示するという流れがあります。
オバマケアはしょせん民間保険会社によるものであり日本のように国が100%の健康保険とは違うのでそうなります。
TPPで農業の心配が多くても米国で一番TPP合意を望んでいるのは製薬会社です。
米国のトヨタ女性役員が来日してネックレスと偽って持ち込んだ薬物はモルヒネと同等またはモルヒネ以上の作用があるのに、そのような薬物が膝の痛みなどで処方されてしまっている国です。
日本でそのようなものは、もう命は助からないのは確実で痛みだけは抑えてあげたいという最後の最後に使われるものです。
逆に米国FDAが重篤な副作用ありと指摘するもの、たとえば鬱病に用いられるSSRIやチャンピックスという禁煙薬などが日本では積極的に処方されるどころか大きな広告を打っています。
まして避妊薬は治療薬ではないわけですから副作用の懸念は大げさであろうと発生しても仕方のないことです。