2015年09月27日

mar0006.gif夫婦別姓・国連の勧告の記事(2)

9月26日エントリでご紹介の、選択的夫婦別姓を認めよという、
国連委員会からの勧告を日本政府が無視し続けている
時事通信の記事は、他国の事情についても少し触れています。

「夫婦同姓、厳しい国際世論=国連、法改正を勧告」
(はてなブックマーク)

 
各国の姓に関する法制法制 2010年の衆院調査局資料から

夫婦同姓が強制されている国は、インドとジャマイカが出ています。
インドは同姓強制の国としてよく引き合いに出されます。
ヒンドゥー教徒のあいだでの制度のようです。
ジャマイカはわたしは寡聞にして初耳です。
慣習で夫の名字で夫婦同姓ということが定着しているとあります。

ラテンアメリカはスペインの旧植民地だったところが多く、
そうした国ぐにではスペインの慣習を引き継いで
夫婦別姓であるところがほとんどです。
ジャマイカはイギリス領だったので、そのかぎりではないのでしょう。


選択制が認められている国として挙げられているのがドイツとタイです。
この2国を選んだのは、出典である2010年の衆院調査局の
資料に挙げられている国が、ドイツとタイだったからでしょうか?

日本で導入しようとしている民法改正法案と類似の
家族法改正によって、選択的夫婦別姓を認めるようになった、
比較的日本人に馴染みのある国だからでしょうか?


夫婦別姓が選択できる国はほかにもたくさんあります。
つぎのコンテンツにたくさん例を挙げています。
ご覧いただけたらと思います。

「世界の夫婦別姓」


「別姓も選択できる制度を採用する国が増え、
同姓を強制する国はほとんどないのが現状」というのも、
ずいぶんむかしから言われていたことです。
わたしがサイトを作った11年前、2004年ですでにそうでした。

選択的夫婦別姓を認めることは、欧米の民主主義国では
20世紀のうちに終わったお話です。
とくにアメリカ合衆国は1970年代に「名前闘争」が起こり、
70年代の末に選択的夫婦別姓が認められています。
すでに40年も前に実現したわけです。

ほかに特筆する例として、カナダのケベック州は
1982年に強制的に夫婦別姓となったことがあります。
こちらも家族法が改正されて30年以上経過しています。



21世紀に入ると、アジアの国でも選択制を認めるようになります。
トルコは2001年の家族法改正で、妻は自分の生来の名字を
夫の名字に付加して残せるようになりました。
タイは上述のように2005年の法改正で、
夫婦別姓も選択できるようになっています。

21世紀の初頭は「選択的夫婦別姓が認められない国」として
例示された国ぐにも、00年代に家族法が改正されて
名字に選択の幅が認められるようになりました。
同姓強制の国はいよいよ「日本の非常識」となったわけです。

posted by たんぽぽ at 15:38 | Comment(6) | TrackBack(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
ちょっと調べてみました。

インド:2012年から夫婦別姓可能、となったようなことが書いてあります。
http://timesofindia.indiatimes.com/india/Now-women-can-retain-their-maiden-name/articleshow/12037930.cms

フィリピン:2010年から夫婦別姓が可能となったようです。
http://famli.blogspot.jp/2008/04/miss-ms-or-mrs-philippine-law-on.html

ジャマイカ:別姓をやっている人や複合性をやっている人の話が出ています。同姓が慣習、ということで、法的にはどんな選択もありなのかもしれません。
http://www.jamaicaobserver.com/magazines/allwoman/42710_Giving-up-your-maiden-name---

オーストリア:別姓、複合性からの選択だったのが、別姓もOKに2013年からなったようです。
http://www.bmeia.gv.at/en/embassy/london/practical-advice/consular-services/change-of-name.html

トルコ:別姓・複合性からの選択だったのが、2014年に別姓が選べないのは違憲、との最高裁判決が出ているようです。
http://www.hurriyetdailynews.com/prohibiting-married-women-from-retaining-only-maiden-names-a-violation-top-court.aspx?pageID=238&nID=60734&NewsCatID=339

イタリア:もとより別姓OKですが、子どもの姓が以前は父親姓強制でした。それはだめ、ということが2012年に決まったようです。
http://www.thejournal.ie/italian-couple-bring-case-to-the-echr-over-surname-of-baby-1252720-Jan2014/

世界は確実に動いています。

こんな記事があって↓、出口治明さんが夫婦別姓を導入していないのは「ガラパゴス的」だと批判しています。今日本が動かなければ、日本はガラパゴス、というかもう世界で馬鹿にされる国であり続けるでしょうね。

日経産業新聞「多様性こそ会社発展の原動力」
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO93873430R11C15A1X12000/
Posted by 魚 at 2015年11月26日 16:12
ちなみに、一番下の記事は、日経新聞のサイトなので会員しか見れないかもしれません(すみません)。

ちなみに日付は、サイトの日付は、2015/11/12付となっています。ただ、記事の最後に、 日経産業新聞2015年10月12日付、とも書いてあって、どちらが正しいのかは実際の紙面を見ないとわかりません。ただ、掲載された日時からは、前者が正しそうです。
Posted by 魚 at 2015年11月26日 16:22
すみません。

上で、オーストリアとトルコで、「別姓・複合性からの選択だった」はもちろん「同姓・複合性からの選択だった」の誤りです。すみません。
Posted by 魚 at 2015年11月26日 16:31
魚さま、コメントありがとうございます。

いっぱい調べてくださって、まことにありがとうございます。
(すごいすごい)
英語の記事も読まないとだめですね。

http://timesofindia.indiatimes.com/india/Now-women-can-retain-their-maiden-name/articleshow/12037930.cms
http://famli.blogspot.jp/2008/04/miss-ms-or-mrs-philippine-law-on.html
http://www.jamaicaobserver.com/magazines/allwoman/42710_Giving-up-your-maiden-name---
http://www.bmeia.gv.at/en/embassy/london/practical-advice/consular-services/change-of-name.html
http://www.hurriyetdailynews.com/prohibiting-married-women-from-retaining-only-maiden-names-a-violation-top-court.aspx?pageID=238&nID=60734&NewsCatID=339
http://www.thejournal.ie/italian-couple-bring-case-to-the-echr-over-surname-of-baby-1252720-Jan2014/

21世紀に入って「まだ残っているところ」も、
2010年代になって、どんどん解消していくようですね。
衆院調査局の資料は早々に情報が古くなってしまいました。
それと、わたしのサイトのコンテンツも、ですね。

これで選択的夫婦別姓の訴訟に違憲判決が出なかったら、
いよいよ世界中から取り残されることになりますね。


>日経産業新聞「多様性こそ会社発展の原動力」
>http://www.nikkei.com/article/DGXKZO93873430R11C15A1X12000/

こちらはご紹介ありがとうございます。
だいじょうぶです、会員登録しなくても全部読めます。

出口治明氏は、フランスの家族政策を研究したりして、
この分野については理解があると思います。
http://bit.ly/1NaRWBN
http://bit.ly/1XjGnmO
Posted by たんぽぽ at 2015年11月27日 22:04
上でインドの話ですが、ちゃんと読むと(読んでなかったのか!)マハーラーシュトラ州というひとつの州の話でした。(ちゃんと読んでおらず申し訳ありません。)

インド全体では、特に法律で規定されてはいないようですね。ヒンズー教徒は教義によるのだろうと思いますが、このあたりがどうなっているのかよくわかりません。

いずれにせよ、インドでも進んでいる(州がある)ことは確か、ということですみません。
Posted by 魚 at 2015年12月04日 18:52
魚さま、コメントありがとうございます。

>マハーラーシュトラ州というひとつの州の話でした。

わざわざご報告ありがとうございます。
わたしが自分で気がつかなければならない
ことでもあると言えるのですよね。

あとでゆっくり読もう、短い記事だけでも訳そう
なんて思っていて、まだ読んでいないのでした。


>インド全体では、特に法律で規定されてはいないようですね

そうらしいです。
それでも女性の非改姓結婚は法律で定めないと
保障されない程度に、強い慣習ではあるようですね。

>インドでも進んでいる(州がある)ことは確か、ということで

州ごとの自治が強いということかもしれないですね。
Posted by たんぽぽ at 2015年12月04日 23:10
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