発言をしたことが話題になっています。
9月29日、福山雅治と吹石一恵の結婚の際です。
「菅官房長官「子ども産んで貢献を」 福山さんの結婚うけ」
(はてなブックマーク)
「「たくさん産んで国家に貢献」=菅長官」
「菅官房長官、「産んで国家に貢献を」発言を釈明」
「国家のために産んでもらう」「お国のための個人」という意識が、
例によって出たということだろうと思います。
菅義偉官房長官は29日、フジテレビの情報番組で、
歌手で俳優の福山雅治さんと俳優の吹石一恵さんの結婚について
「この結婚を機に、ママさんたちが一緒に子供を産みたいとか、
そういう形で国家に貢献してくれたらいいなと思っています。
たくさん産んで下さい」と発言した。
当然批判され、釈明することになります。
菅氏は、番組後にあった同日の記者会見で発言の真意を問われ、
「結婚について聞かれたので、大変人気の高いビッグカップルで、
皆さんが幸せな気分になってくれればいいと
思っている中での発言だった」と説明した。
子どもを産むのは各個人のためであり、各個人の都合による
ということは、言うまでもないことです。
そして国家や社会は子どもを祝福する立場にあります。
国家に貢献しようとして子どもを産んだり、
子どもが産まれたりするのではないということです。
この「子どもを産んで国家に貢献を」については、
戦時人口政策のような「産めよ増やせよ」政策を連想したかたや、
2007年の第一次安倍内閣のときの柳沢伯夫厚労相(当時)の
「女性は産む機械」発言を連想したかたも多いです。
[ 「『産めよ増やせよ』との政策を連想する人もいる」との質問には、「全く当たらない」と反論。「安倍晋三首相も、不妊治療を受ける方を応援する趣旨の発言をされている」]→菅官房長官「子ども産んで貢献を」 福山さんの結婚うけ:朝日新聞デジ… http://t.co/QKSSpuMP4s
— 前田 直人 (@Nao_Maeda_Asahi) 2015, 9月 29
かつて第一次安倍内閣で、柳沢厚労相が女性を「産む機械」と例えた発言を思い出してしまいます。
— 前田 直人 (@Nao_Maeda_Asahi) 2015, 9月 29
もともと安倍政権の「女性活用」には、国家や経済のために
女性を「活用」するのではないか、という不信感があります。
少し前に出た「一億総活躍」という集団主義や同調圧力を
感じさせるスローガンもあります。
だいぶ批判が出た「女性手帳」のこともあります。
自民党・安倍政権にはいたるところに、「お国のための個人」
という意識がにじみ出ていることは、多くのかたが感じていると思います。
「子どもを産んで国家に貢献を」発言もさもありなんであり、
いまさら不信感を強めるでもないかもしれないです。
結婚だけで出産のお話をするところにも「飛躍」があると思います。
結婚しても子どもを持たない人も少なからずいるからです。
「結婚したらとうぜん子どもを持つもの」という
家族に対する固定観念が現れたものと思います。
(「家族思想信仰」の影響も考えられるでしょう。)
付記1:
福山雅治にはもっと深刻と思われることがあります。
被曝2世であり子どもを持つことに慎重になっているということです。
この観点でも、「子どもを産んで国家に貢献を」発言は
配慮がたりなかったことになるでしょう。
「配慮足りない菅の便乗発言」
福山は「父はもろに被爆した。母も厳密に言えば被爆しており、
僕は被爆2世ということになる」と発言しており、
ファンの間でも彼が結婚を決断しない理由の1つとも伝えられていた。
広島、長崎原爆被爆者の子どもは、数十万人ともいわれ、
被爆者には被爆者援護法に基づく被爆者健康手帳が交付されるが、
2世への国の施策は健康診断のみ。ただ被爆2世や、
その子どもの3世への遺伝的影響は調査中だが、
今のところ科学的に証明されていない。むしろ問題はこちらの方で、
官房長官としては配慮の足りない発言だったといえる。
付記2:
2014年3月に、自民党の二之湯智参院議員が代表質問で
「子供産むのは国家への貢献」と言おうとしたことがありました。
公明党から批判をされて、事前に修正したので、
実際に発言されることなく終わってはいます。
「お国のために子どもを産め?」
猛烈に批判を受けるので極力言わないように注意しているけれど、
内心では「お国のための個人」という意識があるのであり、
散発的に「本性が現れる」ということだろうと思います。
結婚しなかったのが被爆二世であるせいかどうかまでは解りませんが、結婚とか子供とかって、結構デリカートな面が大きいから。
「結婚おめでとうございます」
だけ言っておけば良いんですよ。
ホント、菅っていろんな意味でバカだよな。
>皆さんが幸せな気分になってくれればいいと
いやいや、久々の明るいニュースが、あんたの発言で不快な気分になったよ。
まあ、「子供を産んで国家に貢献」なんていってる政権の「夢紡ぐ子育て支援」がどんなもんか、これでわかりますね。
安倍の夢でも紡ぐんじゃね?
なんにせよ、いかに国民を軽んじているのかわかるってもんです。
絶対、絶対、来年夏の選挙では自民党を追い落としましょう!
このエントリにコメントありがとうございます。
>福山雅治さん、そんな事情があったんですね
わたしも寡聞にして初耳です。
(福山雅治のこと自体、わたしはほとんど知らないのではあるが。)
>結婚しなかったのが被爆二世であるせいかどうかまでは解りませんが
ファンのあいだで言われているうわさレベルなのかもしれないです。
それでも被曝二世は本当ですし、出産に関する発言に
配慮が必要なことに変わりはないですね。
>「子供を産んで国家に貢献」なんていってる政権の「夢紡ぐ子育て支援」が
「お国のための個人」「経済のための子育て支援」なんだと、
こういうところで伝わってしまうわけですね。
このような不信を買うことは、これが最初ではないですし。
もはや「ああやはり」くらいの感想ではないかと思います。
>絶対、絶対、来年夏の選挙では自民党を追い落としましょう!
ほんと、なんとかしたいです。
昔ニュースになったのがテレビが戦争特集多めになる時期で、あんまりにタイムリーだったので覚えていました。
だから、あたしは結婚のニュースにまず最初に驚いたんですよね。
結婚と子どもを持つ事は一応別の段階の話なのに。
https://ja.wikipedia.org/wiki/福山雅治#.E3.82.A8.E3.83.94.E3.82.BD.E3.83.BC.E3.83.89
ちなみに、ニュースになったのは2009年みたいです。
(wikipediaによれば本人がメインパーソナリティを務めるラジオでは実は度々話していたそうなのですが)
このエントリにコメント、ありがとうございます。
>https://ja.wikipedia.org/wiki/福山雅治#.E3.82.A8.E3.83.94.E3.82.BD.E3.83.BC.E3.83.89
情報ありがとうございます。
2009年に話題になったのは、番組が8月9日だったから、
ということかもしれないですね。
多くの人が原爆やその被害に関心が集まっているときなので。
七重さまも覚えていらっしゃるということは、
印象に残りやすいタイミングだったのでしょう。
ウィキペディアは「被曝2世」とは書いてあるけれど、
「被曝2世だから結婚や子どもを持つことに慎重になっている」
とまでは書いてないですね。
(代表例に渡部昇一氏。少子化はフェミニストや左翼のせいと非難しながら、血友病患者の出生については「神聖な義務」という言葉を使って批判めいた発言をしていた)
菅官房長官はそこまで過激なことは言ってないかもしれませんが配慮不足だと思います。
>「子どもを産んで国家に貢献」という人に限って
そういうことを言う可能性はあると思いますよ。
「お国のために産め」という人にとっての人口政策は、
国力増強のためであって、個人の福祉のためではないからです。
ようは「まともに育って、将来お国のために貢献する」と
彼らが考えている子どもだけを、歓迎するということです。
それゆえ彼らが「まともに育たない」と信じているなら、
「子どもを作るべきでない」と考える可能性もあるでしょう。
現代の日本の場合、「信仰」化している「家族思想」もあると思います。
「信仰」に当てはまる家族の子どもだけが
「将来お国のために貢献する」として歓迎されるのであり、
当てはまらない家族の子どもは、排除や黙殺をされることになります。
http://taraxacum.seesaa.net/article/410975268.html
http://taraxacum.seesaa.net/article/410992216.html
>菅官房長官はそこまで過激なことは言ってないかもしれませんが
この人も自民党の議員ですから、「家族思想信仰」はあるでしょう。
今回の発言も「信仰」が背景にある可能性もあると思いますよ。