2015年10月26日

toujyouka016.jpg 配偶者控除の廃止が先送り

配偶者控除の廃止・縮小が今年も見送りになりました。
昨年も先送りにしたので、これで2年連続です。

「ビール系の税見直し延期、配偶者控除も 軽減税率を優先」
「ビール系の税見直し延期、配偶者控除も 軽減税率を優先」
(はてなブックマーク)

 
先送りの理由は選挙対策で、専業主婦層の反発を恐れてのことです。
働く女性の意欲をそいでいるとの指摘がある
配偶者控除の縮小・見直しも先送りする。
来夏に参院選を控え、増税色の強い税制改正は控える。

配偶者控除は妻の年収に関係なく夫婦の所得から
一定額の控除を認める「夫婦控除」を検討している。
ただ与党内には「専業主婦層が反発すると
参院選を前に後援会が同様しかねない」と懸念する声もある。

配偶者控除の廃止はこのままいくと、安倍政権でも実現は無理かもしれないです。
政権の求心力や支持は、今後下がり続けることが予想されます。
そうなると反発の強い政策の実現が難しくなるからです。


自民党内の「家族のきずなを守る特命委員会」は、
またまた安心したかもしれないです。
この特命委員会は配偶者控除の廃止に強く反対しています。
彼らの家族思想に対する「信仰」を守るために、
専業主婦を支援する配偶者控除を維持しようとしているからです。

「配偶者控除で自民党内に対立」

記事中にある「夫婦控除」も、この特命委員会が提案したものです。
「信仰」である家族思想の維持のための法律婚主義の強化と、
事実婚の排除ないし冷遇が基本コンセプトです。

「夫婦控除で家族のきずな?」


民主党も配偶者控除の廃止を公約にしていながら、
毎年先送りにして、終わったのでした。
おもな理由は選挙対策で専業主婦層の反発を買って、
衆院選で大敗することを恐れたからです。

「配偶者控除廃止が見送り」
「配偶者控除廃止が見送り」
「配偶者控除廃止が見送り」

自民党・安倍政権も同じ理由で先送りにしたことになります。
安倍政権は民主党政権よりは支持率が高く、
政権基盤が安定していると思うのですが、
それでも選挙の大敗を警戒するもののようです。


配偶者控除をあまり反発されずに廃止する方法を
前に紹介したことがあります。
すでに結婚して控除を受けている世代はそのままにして、
これから結婚する世代から廃止していくというものです。

「配偶者控除を廃止する一案」
「主婦の既得権を認めれば配偶者控除は廃止できる」

すでに結婚している人たちの配偶者控除はそのままにして、
新しく結婚する人たちにだけ、配偶者控除を適用しない
ということにしてもいいだろうと思います。
こうすれば、すでに配偶者控除を受けている人たちは、
控除が廃止されないので、抵抗が少ないだろうということです。


さらにわたしの試案として、子ども手当てなどの給付は、
配偶者控除を受けない世帯だけ、
受けられるようにするということがあります。
給付を受けるのを控除を適用されない世帯にかぎれば、
給付の財源も少なくてすむことになります。

給付は子ども手当てにかぎらなくてもいいですが、
配偶者控除廃止の代償として、子育て支援を提唱するかたが多いので、
代わりは子ども手当てが妥当だと思います。

すでに配偶者控除を受けている世帯に対しては、
希望すれば給付に振り替えられるようにします。
控除よりも給付のほうが額が上回るようにすれば、
自発的に控除から給付に切り替えるかたも増えるでしょう。

一般に控除よりも給付のほうが上回る世帯は
低所得者層に多いですから、自発的に振り替えるのは、
低所得者のほうが多いことが予想され、
貧困や格差の解消にも役立つことになります。

posted by たんぽぽ at 22:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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