議論になったので、ご紹介しておきます。
「とある選択的夫婦別姓反対派(非共存派)との議論」
とうとうと語っているけれど、よくある「家族思想信仰」にもとづいて、
「通称使用でじゅうぶんだ」と主張したいもののようです。
ここではつぎのくだりを見てみたいと思います。
これを見ると、この人はご他聞に漏れず「家族思想」を
「信仰」にしているらしいことがわかります。
「家族思想」を「信仰」としている人は、
自分の奉じる「家族思想」を「あるべき家族」と考えることになります。
具体的には高度経済成長期の標準家族のことです。
「信仰としての家族思想」
「信仰としての家族思想(2)」
そうした人たちにとっての結婚制度は、自分が「信仰」している
「家族思想」の反映でなくてはならないものです。
それゆえ「信仰」に合致しない「異教徒」を結婚制度に
含むことを、かたくなに拒否することになります。
この人が「自分の想定している」結婚制度と表現するものは、
「信仰」が反映されている結婚制度のことです。
「信仰」の反映である結婚制度に「異教徒」を含めることを、
「結婚制度が変質する可能性があり」と表現し、
さらに「異教徒」排除は当然だということを、
「人々はそれを良しとしない」と言っているということです。
結婚制度はすべての国民の利益のためにあるのであり、
特定の人たちの「信仰」を反映させたり、
「異教徒」と認定した人たちを排除するための
手段ではないことを、この人は理解する必要があると思います。
この人は「国民の多くが結婚制度に同氏であることを
まだ期待している状態」とも言っています。
なにを根拠にそんなことを言うのかと思います。
今年の3月に行なわれた、日経の働く既婚女性を対象にした
選択的夫婦別姓のアンケートでは、77%が賛成しています。
当事者にかぎれば、選択的夫婦別姓反対派(非共存派)こそ少数派です。
「働く既婚女性に別姓の調査」
「働く既婚女性に別姓の調査(2)」
このように根拠もなく「大多数の人たちは自分と同じように
同姓強制を望んでいる」と思い込むのも、
「家族思想」が「信仰」になっているからと考えられます。
「家族思想」が「信仰」になっている人は、
「異教徒」の存在を「なかった」として黙殺する傾向があります。
それゆえ彼らの意識では、世の中は「信者」ばかりになるので、
大多数の人たちが自分と同じ「信仰」を持っていて、
「異教徒」は少数であると信じるようになるのでしょう。
またこの人は「国民(の多く)が結婚制度に何を
期待しているかに依存する」なんてことも言っています。
問題は「制度をどのようにするか」なのですが、
「自分はどうしたいか」にすり替えていると言えます。
夫婦別姓については、「自分がどうするか」と「制度がどうあるべきか」が混同されがちだが、このアンケートの問いかけはいいな。 / “夫婦別姓、どう思いますか? | マイナビニュース” http://t.co/Z7HrhldZl3
— Akiko Orita (@oritako) 2015, 3月 4
自分のしたいことを結婚制度は認めてくれるかを
問題にしているような書きかたをしながら、
「いかにして自分のあるべきと考える結婚制度を
社会全体に反映させ、望まない他人にもそれを押し付けるか」
という議論になっているからです。
「自分はどうしたいか」によって、社会全体の制度を
どのようにするかを決めるという、典型的な自分と他人の
区別ができない人の思考になっているとも言えます。
自他の区別ができなくなるのは、家族問題に関しては、
「家族思想」を「信仰」していることもあると思います。
前述のように「家族思想」を「信仰」している人にとっては、
世の中は自分と同じ「信者」ばかり、という認識になります。
それで「自分の考え=他人の考え」と思い込むようになると思われます。
この人は、選択的夫婦別姓を認めるかという問題は、
貞操義務の廃止を認めるかどうかと同じ構造の問題だ、などと、
わけのわからないことも主張しています。
選択的夫婦別姓と貞操義務とでは、他者の権利との抵触や
必要性などで、あきらかに異質だと思うのですが、
なぜに同じ構造の問題になるのかと思うところです。
「家族思想」が「信仰」になっている人にとっては、
夫婦別姓も貞操義務も「異教徒」というくくりで
同列に並べられることなのではないかと思います。
(この人の場合は少なくともそうなのでしょう。)
それで「異教徒を受け入れるか」という意味で、
「同じ構造の問題」となるのだろうと、わたしは想像します。
リプライをくださった弁護士のかたは、
「質問の主旨を理解した」のでも「一貫性のある回答」を
したのでもないだろうと、わたしは思いますよ。
たまたま「家族思想」を奉じる人の「信仰」の中で
矛盾のない回答だった、というだけだと思いますよ。
問題の「家族思想」が「信仰」になっている人は「kazemachi」。
「フランスの出生率が高いのは、移民の子だくさんのせい」という主張を、
「ぱんなこった」といっしょに展開していた人です。
「人口政策はやはり男女平等」
「移民の子だくさん幻想」
「移民の子だくさん幻想」
「人口政策はやはり男女平等」
上記ツイートの画像データは、つぎのまとめから採ったものです。
なぜこんな変則的なことをしたかというと、
この人は自分のツイートをすぐ削除するからです。
「お仲間」の「ぱんなこった」と同じですね。
「夫婦別姓化論デスマッチ」
選択的夫婦別姓の議論になると、貞操義務を持ち出すのも、
「ぱんなこった」の「お仲間」だからでしょうか?
「ぱんなこった」は選択的夫婦別姓を認めると
貞操義務を守らなくなるおっさんが出てくる、
なんて主張を展開したことがあります。
「夫婦別姓と貞操義務の関係?」