午前中に再婚禁止期間、午後に選択的夫婦別姓の弁論があったのでした。
「再婚禁止期間訴訟:女性再婚規定巡り弁論 年内にも憲法判断 最高裁大法廷」
「再婚禁止期間訴訟:夫婦別姓も初判断へ 違憲訴訟、最高裁で弁論」
ツイートのリンクをたどると、制限なく閲覧できるのかな?
https://twitter.com/pissenlit_10/status/665160674960543744
https://twitter.com/pissenlit_10/status/665161064691036160
弁論の部分を引用したいと思います。
>女性の再婚禁止期間
弁論で女性側は「再婚禁止期間は100日あれば十分。
規定は必要以上に人権を制約している」と主張。
「国会による違法な権利侵害があったことは明白。
性別による差別は厳格に審査されなければならず、
新しい判断が求められている」と訴えた。
一方、国側は「父子を巡る紛争の発生を未然に防ぐことが規定の趣旨」と反論。
「再婚禁止期間が100日を超えて6カ月になっているのは、
前夫との間の妊娠の有無が一般の人にも分かるようになるまで
再婚を待つのが相当とされたからだ。
通常の社会生活を営む多くの国民にとって、現在も規定の合理性が
失われたとはいえない」と述べ、上告を棄却するよう求めた。
再婚禁止期間は違憲判決が出る可能性は高いと思います。
でも100日だけ残すのは「合憲」となりそうです。
同姓強制が合憲となる可能性よりずっと高そうに思います。
そもそも原告の主張がそうなっています。
欧米諸国ではほとんどで、再婚禁止期間はなくなっています。
最高裁で裁判までしたのに、欧米の民主主義国に追いつかない
ということになったとしたら、いささかお粗末だと思います。
「諸外国の再婚禁止期間」
法務省は2007年、離婚後の妊娠が証明できれば
「前夫の子でない」出生届を認める通達を出し、運用面での解決を目指した。
しかし離婚成立前の妊娠は対象外となっており、抜本的な解決には至っていない。
これは2007年に「離婚後300日規定」が批判されたとき、
特例としてかろうじて認められたのでした。
「民法772条(4)」
「離婚後300日規定」の改正自体も議論されたのですが、
当時の法務大臣だった長勢甚遠が中心になって「見送り」にされました。
例の「家族思想信仰」の人たちが反対したということです。
法案改正が握りつぶされたので、特例措置を検討したということです。
「300日規定見送り」
「300日規定見送り(3)」
>選択的夫婦別姓
弁論で夫婦側は「自由な話し合いによる合意があったとは言えず、
日本の社会状況は女性だけに姓の変更を強いている」と指摘。
「姓は人生や人格に深く根ざしており、やむを得ず改姓した女性たちは
『自分でなくなってしまった』と苦しんでいる。
個人の意思に反して姓を奪うのは明らかな人権侵害だ」と訴えた。
これに対し国側は「姓の変更を強制されない権利が
憲法によって国民に保障されているとは言えない」と反論。
「法の規定は、本人たちの合意のみによって
結婚が成立することを明らかにしたもの。
どちらの姓を名乗るか協議して選択するよう委ねており、
夫婦のどちらが優越しているかを定めたものではない」と述べた。
結婚するふたりのどちらかに改姓を要求するのは、
「本人たちの合意」以外のことではないかと思います。
少なくともわたしのようなものは、そう解釈するということです。
原告の一人で、意見陳述した行政書士の小国香織さん(41)は、
法制審議会が19年前に選択的夫婦別姓などの導入を
答申しながら民法が改正されない現状に言及し、
「実情を理解していない人々の反対により、この問題は葬られ続けた。
政治に期待しては駄目だという差し迫った思いに突き動かされ、
司法に訴えた」と違憲判決を求めた。
夫婦別姓の国賠訴訟は2011年2月にはじめています。
提訴の準備はもっと前からでしょうから、
民主党政権での選択的夫婦別姓の実現はないと早々に
見切りをつけて、裁判に訴えることにしたと想像します。
2010年の通常国会で、閣議決定にもいたらなかったのを見て、
動き始めたのではないかと、わたしは想像します。
この判断はよかったと思います。
いつまでも民主党政権にこだわっていたら、
選択的夫婦別姓の実現もっとずっと遅れたでしょう。
実際、民主党は萎縮してしまい、民法改正のような世論の強い
反発が予想される政策を、すっかり引っ込めたのでした。
付記:
判決が出るのは12月16日になりました。
「夫婦別姓・再婚禁止期間:来月16日に判決 最高裁」
https://twitter.com/pissenlit_10/status/665168921733951489
>最高裁で裁判までしたのに、欧米の民主主義国に追い>つかないということになったとしたら、いささかお粗末だと思います。
まったくこれに尽きますね!。
婚姻から200日後に生まれた子は嫡出と推定する、と前提を肯定化して、再婚禁止期間を100日、と主張してるわけですね。
生殖活動自体は禁止することなんてできないので、婚姻だけ制限したってナンセンスと思います。
海外の再婚禁止期間はほとんどゼロということはよくわかりませいが、父子の推定ということは国によってどういう風になっているんでしょうね。調べたけどわかりませんでした。
>まったくこれに尽きますね!
100日残ったら「道半ば」と言わざるをえないです。
欧米の民主主義国にできて日本にできないことなどないのですから。
日本の医療技術が欧米諸国とくらべて
取り立てて遅れているとも思えないですし。
>生殖活動自体は禁止することなんてできないので、
>婚姻だけ制限したってナンセンスと思います
父性の推定には、「生殖活動は婚姻内でしか行なわない」
という前提があると思います。
その前提が成り立たないことを認める必要があると思います。
>父子の推定ということは国によってどういう風になっているんでしょうね
わたしも残念ながらわからないです。
再婚禁止期間がある(あった)ところでは、
妊娠していないことをしめす医師の診断があれば、
期間内でも結婚できる、というパターンは多いです。
よく言われるDNA鑑定のような親子鑑定は、基本的に最後の手段で、
通常は医師による妊娠の証明書を使うのではないかと思います。
その前に父子推定が紛らわしくなる事態が、
そもそもあまりないのではないかと思います。
>そもそもあまりないのではないかと思います。
そうかもしれませんね。そもそも考え方はシンプルでいいように思います。
DNA鑑定があるからこそ、最終手段とすればいいわけで、離婚から何か月とか、そういう期間区切りで決めるのではなく、自己申告でいいではないか、と思ってしまいますけどね。
>自己申告でいいではないか、
わたしもそれでいいように思います。
本人たちが納得できればそれでいいのですからね。
それで実子でない子が「自分の子」になったところで、
いいではないかという気もします。
父性の推定自体、実子でなくても機械的に
「この父親の子」として戸籍に入れるのですし。