2015年11月21日

toujyouka016.jpg 日本会議が取り上げられた

11月11日の朝日新聞で、日本最大級の右翼団体である、
日本会議がかなり大きく取り上げられています。

「改憲派が大規模集会 日本会議主導、首相がメッセージ」
(はてなブックマーク)

「改憲派が大規模集会 日本会議主導、首相がメッセージ」(1/2)(全文)
「改憲派が大規模集会 日本会議主導、首相がメッセージ」(2/2)(全文)

 
日本会議が大手メディアで、このくらい大きく
取り上げられるというのは、とても珍しくて意外だと思います。
日本のマスコミは、日本会議のことをふだん書かないからです。
それだけ彼らの活動を話題にして読者に周知させないと、
危険な状態だと思ったということでしょうか?

過去に東京新聞が日本会議について取り上げたことがあります。
これまで大手で取り上げるのは、東京新聞くらいだったのでした。

「東京新聞・日本会議を検証」
「東京新聞・日本会議を検証(2)」

左下の囲み記事には、日本会議の構成メンバーが示されています。
記事のリードでは、「日本会議と思想が近い安倍晋三首相」と
ちょっと遠慮がちに書いていますが、図では安倍晋三が
日本会議の特別顧問であることがはっきり出ています。

日本会議ってこんな会議 「日本を守る国民会議」と「日本を守る会」が1997年に統合して発足


この集会は、彼ら右翼たちの悲願である
憲法改正に弾みをつけようというものです。
安倍首相が経済政策に重心を移しているので、
憲法改正は果たして実現するのかと、
彼らなりに心配になってきたということです。

だが、首相は憲法改正に本気なのかと、
日本会議幹部らには焦燥感も慕っている。

世論が割れた安全保障関連法が成立して以降、
首相は「1億総活躍社会」と銘打ち、再び経済政策を前面に掲げる

11月19日エントリで触れたばかりですが、経済政策は大事ですよ。
有権者は「食いぶち」と求めるのであり、
「憲法改正」なんて右翼イデオロギーだけ唱えていても
有権者の支持を集められないです。

安倍政権が高い支持率を維持しているゆえんのひとつは、
経済政策で成果を出しているからにほかならないです。
政権の支持の立て直しのために、ひとまず経済政策重視に
転換というのは、妥当な方針だと言えます。

彼らとしては、安倍政権がこのまま経済政策に終始して、
肝心の憲法改正にいたらずに終わるのが心配なのでしょう。


日本会議幹部は「安保法制への猛反発で、
『憲法改正はいまはとても無理』と考える国会議員も多くなった。

この日の集会でも、運動方針を説明する中で
「私たちが目指してきた参院選での、国民投票の実現は、
大変厳しい状況にある」との認識を示した。

安全保障関連法案はたしかに政権に対して
猛批判があったし、それで支持率はだいぶ下がりましたが、
それでも安倍政権はまだまだ安泰と言えます。
これでも彼らとしては、自信が削がれるレベルのようです。
2016年の参院選で国民投票という目標設定は、
ハードルが高いと言えそうですが。


さらに首相周辺も「参議院で勝たないと、
肝心の憲法改正の発議もできない」と話す。

「参院選で勝ったら、次は本当の安倍晋三が出てくるのではないか」

来年2016年の参院選が正念場ということですね。
ここでの「勝ち」は、憲法改正の賛成に必要な
3分の2の議席が、与党だけで確保できることだと思います。
とてもレベルの高い勝負をしていると思います。

与党が3分の2の議席を取ることを阻止できたら「勝ち」という
レベルの低い闘いをしている野党各党が、
ていたらくと言ったほうがいいのかもしれないです。



付記1:

彼らの現行憲法に対する目のカタキぶりは、
記事本文にも少し出て、つぎのように表現されています。
「現行憲法で果たして国民と日本国を
守り通すことができるのか。答えは否だ」

「安倍さんに多少ぐらつきがあっても、
我々がリードして牽引車にならないと
日本国は生き延びることができない」


付記2:

左下の囲み記事では夫婦別姓のことへの言及もあります。
「家族思想信仰」の維持は、日本会議の重要課題のひとつです。
本来からもっと危機感を持ってしかるべきところです。

一方で、夫婦別姓などの政策には
「家族の一体感が損なわれる」として強く反発。

憲法改正を始め、安全保障や皇室や教育問題、
歴史認識などに関心が行きやすいのか、
いまひとつ家族やジェンダーに関することは、
関心が薄く問題意識があまり持たれないのですよね。

政治や経済に関心のあるとくに男性が、
家族やジェンダー問題に関心が回らないということが、
ひとつには大きいのだろうと思います。

posted by たんぽぽ at 09:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 政治・社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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