ご紹介したいと思います。
「夫婦別姓 世論調査で賛否大きく分かれる」
(はてなブックマーク)
調査は11月21日から3日間なのですが、報道は12月7日です。
選択的夫婦別姓訴訟の、最高裁大法廷回付の前に
最後の話題作りということなのでしょうか。
調査結果は賛成(共存派)が46%、反対(非共存派)が50%で
「賛否が大きく分かれている」なんて、あっさり述べていたりします。
「夫婦は同じ名字を名乗るべきだ」という答えが50%、
「同じ名字か別の名字か選べるようにするべきだ」が46%で
賛否が大きく分かれていることが分かりました
ところがこの調査、60代以上で回答者の半分以上なのですよね。
ランダムに電話をかけるRDD法のせいかもしれないですが、
なぜに高齢層にばかり意見を聞くのかと思います。
家族法の研究者で立命館大学の二宮周平教授は、
世論調査で賛否が大きく分かれていることについて
「今回の調査では60代以上が回答者の55%を占めた。
若い世代では、夫婦別姓を選べるほうがいいという人が60%を超えている。
20代から50代は、別々の名字を名乗ってもいいと思っている人が多く、
『賛否きっ抗、反対派が多い』という調査結果の見方は誤りだ。
このNHKの調査は、高齢層に偏っているという批判のあった
2013年2月の内閣府の世論調査より、さらに高齢層に偏っています。
こんなあらわに偏った調査をして「賛否拮抗」なんて結論して、
なにがしたいのかという気がしてきます。
「内閣府による世論調査(2)」
NHKの世論調査は世代別の集計もしていますが、
年代別では、20代から50代までは「選べるようにするべきだ」となっていて、反対が多いのは70代だけです。
という回答がいずれも6割を超えていますが、60代はほぼ同じ割合で、
70代以上になると逆に「同じ名字を名乗るべきだ」という回答が
70%近くになり、世代によって答えが大きく異なっています。
このNHKの調査の傾向は、11月17日エントリでご紹介の
朝日新聞の世論調査とほとんど同じです。
朝日の世論調査では、全体では賛成が52%、反対が34%ですから、
朝日の調査はずっと年齢構成に配慮しているのでしょう。
「朝日・夫婦別姓の世論調査」
世代間の差については、上述の二宮周平氏は、
世代によって意見が大きく異なっていることについてはと分析しています。
「高齢の世代は、自分たちのこれまでの生活を否定する意見を
持てないので、理解できないのではないか。
一方、働いている男性や女性から見ると個人の呼称、
自己の人格の象徴として、氏名を捉える人が
多くなっているのではないか」と話しています
ある意味わかりきったことなのですが、若年層で賛成が多い理由は、
−−−−
1. これから結婚する当事者が多い
2. 男女平等、女性の権利に対する理解があることが多い
3. 「家族思想信仰」の影響を受けているかたが少ない
4. 社会の変化を受け入れやすい
−−−−
といったことがあるでしょう。
高齢層で反対が多いのは、これら4つの裏返しです。