違憲判決が出たが100日は残されたことについて、
もっと詳しい記事があるので、見てみたいと思います。
「再婚禁止、残した100日 父親推定、他規定と整合性
2裁判官「全体が違憲」」
「再婚禁止、残した100日 父親推定、他規定と整合性
2裁判官「全体が違憲」」(1/2)(全文)
「再婚禁止、残した100日 父親推定、他規定と整合性
2裁判官「全体が違憲」」(2/2)(全文)
判決には「補足意見」があります。
離婚してから100日以内であっても、医師の証明書で離婚時に
妊娠していないことがわかれば、適用を除外してよいというものです。
6人の裁判官が賛同した「補足意見」でも、「100日以内」は
違憲ではないものの、父親をめぐって争いになる
可能性がない場合には、再婚禁止期間は必要ない、と提案した。
実際にはすでに、婚姻届を受け取る窓口で、女性が高齢の場合や
離婚した夫と再婚する場合などには適用が除外されている。
医師の証明書などで「離婚時に妊娠していない」ことが
確実であれば、適用を除外してもよい、とも述べた。
諸外国では再婚禁止期間はすでに廃止されているところが多いです。
またかつて再婚禁止期間があった国でも、まだ再婚禁止期間がある国でも、
妊娠していないことが医師の診断書で証明できれば、
期間中でも再婚できることが、通常定められています。
「諸外国の再婚禁止期間」
日本は妊娠していないことが証明できる場合の、
期間中の再婚を認める法制度がぜんぜんないです。
それに加えて、上述の「補足意見」に賛成する裁判官が
15人中6人しかいないのですから、家族やジェンダーに関して
日本は因習・反動的と言わざるをえないです。
12月19日エントリで触れましたが、100日だけ再婚禁止期間を
残すのも違憲とした裁判官はふたりだけでした。
その違憲とした理由についても、記事で触れられています。
ひとりは女性の権利、もうひとりは親子鑑定の発達という
技術的な面から再婚禁止規定の存在自体を違憲としています。
鬼丸かおる裁判官は、幅広く適用の除外を認めていけば、
再婚禁止期間を必要とする女性はごく例外的な場合に限られると指摘。
憲法では「結婚の自由」を保証しているのに
女性の権利を不必要に制約する可能性があり、
一律の再婚禁止は憲法違反だとした。
山浦善樹裁判官は、法改正を怠った国の賠償責任まで認めた。
「DNA鑑定によって、簡易に定額の費用で正確な父子判定ができるから、
再婚禁止期間の必要性は完全に失われている」と指摘した。
諸外国では再婚禁止期間の存在は女性差別という
認識があって、親子鑑定の技術が発達してくると、
再婚禁止期間を廃止するようになっています。
グローバルスタンダードレベルの司法判断をした裁判官が
15人中ふたりだけというのも、お粗末な限りです。
諸外国の女性の再婚禁止期間を調べてみたんだけど、他国だとほぼ再婚禁止期間が無くて撤廃するに当たる議論で医療の進歩と一緒に必ず女性差別が決め手になったみたい。ニュースみても議論上に女性差別の話が出てこないの、日本だな〜と思う
https://t.co/lCRN2kUbxs
— まめ (@SoraMame_19) 2015, 11月 4
国の賠償責任まで主張した裁判官にいたってはひとりだけです。
この山浦善樹氏は、選択的夫婦別姓の訴訟でも
同姓強制を違憲であるとした上で、国の賠償責任まで主張した、
ただひとりの裁判官だったのでした。
「最高裁判決・ジェンダー不均衡」
http://www.asahi.com/articles/ASHDJ4S2VHDJUTIL023.html
同じく弁護士出身の山浦善樹裁判官はただ1人、
「違憲」とするだけでなく国の損害賠償責任も認めるべきだ、と踏み込んだ。
法相の諮問機関「法制審議会」は1996年、
選択的夫婦別姓を盛り込んだ民法改正案を示し、
国連の女性差別撤廃委員会も2003年以降、繰り返し法改正を勧告してきた。
こうした点を挙げ、「規定が憲法違反だったことは
明らかだった」と国会の怠慢を指摘した。