2015年12月30日

toujyouka016.jpg 男女平等指数2015年

今年も11月に世界経済フォーラム(ダボス会議)の
「男女平等指数(ジェンダーギャップ指数)」が発表されました。
「経済」「教育」「健康」「政治」の、4つの分野に対して、
男女間の「相対的な格差」について、国ごとにスコアを算出するものです。
遅くなりましたが、これを見てみたいと思います。

「The Global Gender Gap Report 2015」

「Global Gender Gap Report 2015 - Economies Japan」

今年の調査は、11月中ごろに発表されていました。
例年だと10月の末か11月のはじめなので、「今年はどうしたのかな」と
思っているうちに発表の時期が過ぎて、わたしのブログで
取り上げる機会を逃してしまったのでした。

 
今年2015年の日本の総合順位は、145か国中101位です。
昨年2014年は142か国中104位なので、3ランクだけ上がったのでした。
それでも依然として、先進国中最下位レベルであることは変わりないです。

gender gap index 2015, Japan

GGG2015, index over the years, Japan

総合スコアは0.670です。
昨年2014年は0.658でしたから、0.012の上昇です。
この上昇幅は過去最高となっています。
まがりなりにも健闘したと言えるのでしょうか?
他国のスコアの上がりかたももっと大きかったので、
ランクは3しか上がらなかったということなのでしょう。


分野別の詳細を見て見たいと思います。
とりわけジェンダー格差が大きいところは、
「経済」のうちの女性管理職と、「政治」の3項目すべてです。

GGG2015, country score card, Japan

昨年2014年のデータも見てみることにします。
女性管理職の割合は2014年の0.12(112位)でしたが、
2015年は0.10(116位)であり、かえって後退しています。

Country Score Card, Japan

女性管理職はぜんぜん増えていないということです。
「2020年までに女性の管理職を30%」という2003年以来の目標を、
12月のはじめに安倍政権が撤回することになったのも、
こういう現状が背景にあるということです。

「女性管理職30%の目標断念」


「年収格差」は、2014年の0.60(74位)から
2015年の0.61(75位)となって、ほぼ横ばいと言えます。
「同一賃金同一労働」は、2014年の0.68(53位)から
2015年は0.65(69位)と格差が広がり、順位もかなり下げています。

2013年から2014年にかけては、多少格差を縮めたのですが、
今年はほとんど改善が見られなかったことになります。
金融緩和による雇用の改善が、ここへきて鈍化したのでしょうか?

あるいは女性が年収の少ない非正規雇用に回される状況が、
ますます進むようになったのかもしれないです。
企業が非正規で採用する理由でもっとも多いのは、
人件費節約のためという見過ごせない事実があります。

「非正規、8割の企業が採用=最多理由は「賃金節約」−厚労省調査」

「労働力率」は2014年の0.75(83位)から2015年の0.77(82位)で
これもほとんど横ばいと言ってよいでしょう。
安倍政権は「女性活用」とか「女性が輝く」と言っていますが、
2015年はジェンダー格差はほとんど改善されなかったと言えます。


「政治」の3分野はどれも惨状がすごいです。
「女性議員」は2014年の0.09(126位)から、
2015年は0.10(125位)で、ほとんど横ばいです。
2014年12月の衆院選で、わずかに増えたぶんだけということです。

「女性議員がすこし増加」

「最近50人の国の代表者」は日本の場合首相ですが、
日本に女性首相がいたことは一度もないですから、
2015年もスコアは0.00のままです。
今後も女性首相が現れる可能性は薄いですから、0.00は当分続きそうです。

はっきり格差が縮んでいる唯一の項目が「女性閣僚」です。
2014年は0.13(98位)だったのですが、
2015年は0.29(51位)ですから、格段の改善が見られます。
これは安倍政権が2014年9月の改造内閣以来、
女性閣僚をたくさん登用したためだろうと思います。

「改造内閣・女性閣僚5人」

女性閣僚と言っても、女性の権利に反対した実績だらけの
右翼ばかり
だと批判は多かったですが、それでも数を増やしたことで
格差の是正として数字に現れることになったのでした。



去年までのエントリ:

「労働力率のジェンダー格差」
「収入のジェンダー格差」
「管理職のジェンダー格差」
「男女平等指数2014年」
「男女平等指数の数値訂正」
「男女平等指数2013年(2)」
「男女平等指数2013年」
「男女平等指数2012年」
「男女平等指数2011年」
「男女平等指数2010年」
「世界経済フォーラム〜男女平等指数」

posted by たんぽぽ at 15:05 | Comment(4) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
本当に日本はひどいです。
女性議員が暴行されても大して問題にならない国ですからねえ。

民主・津田弥太郎議員(63)による自民女性議員 大沼瑞穂への暴行
http://togetter.com/li/875473
無防備な人間になんでこんなことをしたんでしょう
http://i.imgur.com/io4rkmX.gif
Posted by m13 at 2015年12月31日 14:35
そのお話、ぜんぜん関係ないよ。
Posted by たんぽぽ at 2015年12月31日 22:27
管理職になりたい!という割合いも調べましょうねw
卑怯で無能なババアはこれだからw
 
Posted by ara at 2016年01月10日 19:59
Posted by たんぽぽ at 2016年01月11日 22:34
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