来年2016年度は廃止するという方針が、また出てきました。
「子育て支援て言ってたのに・・・子育て給付金廃止にネットが荒れている」
「子育て給付金、来年度から廃止へ 1600万人が対象」
(はてなブックマーク)
「「軽減税率のしっぺ返し」公明こぼす 子育て給付金廃止」
(はてなブックマーク)
「子育て給付金、16年度の実施は見送り…自公」
「16年度、子育て給付金打ち切り 与党方針」
子育て給付金は2014年度から、公明党の主導で導入されました。
消費税が8%に引き上げられることにともなって、
子育て世帯の負担を減らすための経済的な支援という目的です。
中学生以下の子どもひとりあたり年額10000円でした。
2015年度は子どもひとりあたり年額3000円に減額されました。
2016年度はこのままいけば、廃止ということになりそうです。
廃止の理由は財源が確保できないことによります。
公明党の主張する軽減税率案を、自民党はかなり受け入れたので、
その「代償」として、子育て給付金の廃止を求めたのでした。
子育て世帯の負担軽減策として支給している「子育て世帯臨時特例給付金」
(子育て給付金、2015年度は子ども1人当たり3千円)について、
政府・与党は、16年度から廃止する方針を固めた。
公明党が継続を求めていたが、軽減税率をめぐって
公明党に譲歩したことなどを理由に自民党が取り合わなかった。
子育て給付金は、14年4月の消費増税にともなって導入された。
高所得の世帯を除く中学生までの子ども約1600万人を対象に、
14年度は1人あたり1万円、15年度は3千円を支給した。
自民党は財政難を理由に14年度で打ち切る意向だったが、
公明党が継続を主張し、15年度分は金額を減らして支給した。
16年度分も自民党が廃止を求めたのに対し、公明党が給付の継続を訴え、
協議は平行線になったが、最終的に両党が廃止で合意した。
2015年度もはじめは廃止する予定でした。
消費税の10%への引き上げが先送りになったので、
財源の見通しが立たなくなったことによります。
減税したのではないのに、いままであったものがなくなるのですよ。
なんとも理不尽なことだと言えます。
「子育て給付金が中止」
ところが子育て給付金の廃止は批判が強かったことに加え、
2015年は統一地方選があるので、選挙対策もあって
金額を大幅に減らしてではあるものの、
継続することに方針を変更したのでした。
「子育て給付金、一転"3000円支給"でネット大炎上」
年額3000円というのは、過去の子ども手当との比較はもちろん、
欧米の民主主義国の子育て支援と比べても問題なく小額です。
子育て給付金が維持されたといっても「取って付けたよう」ですし、
こんな「はした金」でどの程度の支援になるのかという批判は、とうぜんあったのでした。
自民党は野党時代に財源がないことを楯に取って、
民主党政権の子ども手当てを潰すことに躍起になっていました。
そういう「実績」のある自民党が、このくらい子育て支援に
理解がなかったところで、ごもっともなことだと言えます。
公明党は軽減税率の導入と「交換条件」にされたことで
「しっぺ返しだ」とこぼしています。
政権内での自民党と公明党の力関係は「こんなもの」とはいえ、
「こぼすだけですか?」と言いたくもなってきます。
http://www.asahi.com/articles/ASHDJ5JBLHDJULFA02Q.html
16日の会見で、稲田氏は廃止の理由について
「軽減税率の安定財源を見つけるため、
歳入・歳出改革を進めることで合意している」などと説明した。
公明党関係者は「軽減税率のしっぺ返しだ」とこぼした。
子育て給付金の廃止に関しては、与党内の議論でも
選挙対策のための維持を主張する意見があったし、
上述のネイバーまとめでも批判的なツイートが集められています。
世論は子育て給付金の廃止に結構反対していて、
維持を望んでいるようだというのが、わたしの感想です。
民主党の子ども手当てを廃止や縮小するときは、
世論はこんなに批判をしなかったと思います。
子育て世代も含めて、子ども手当ての廃止や縮小を
むしろ積極的に支持していたくらいだと思います。
「選挙対策で子ども手当てを維持する」という発想は、
民主党にはなかったと思います。
マスコミも子育て給付金に対しては、子ども手当てのときのような
バッシングをぜんぜんしていないですから、
マスコミに「流される」人もいないのでしょう。
そもそもが民主党ごときのやることは信用できないが、
自民党様と公明党様のなさることなら信用できる
という人も、結構多いのかもしれないです。
安倍政権は人口政策に力を入れていることになっていて、
「少子化社会対策大綱」を発表したり、
「少子化危機突破タスクフォース」という
独自の政府会合を設定したりしていました。
9月に打ち出された「アベノミクス」の新しい「三本の矢」の
ふたつ目は「夢を紡ぐ子育て支援」でした。
「夢をつむぐ子育て支援?」
ところが現実的な施策の段になると、子育てのための経済的支援を
わりと簡単に廃止や縮小をするということです。
子育て支援にまともにお金を出さないというのは、
過去20年以上続けてきた、典型的な「無策・愚策」のひとつです。
安倍政権の「少子化対策」「子育て支援」は
やはり信用ならないということになるでしょう。
「顧みられない家族政策」
「財源がない」というのを強調するのですが、
安倍政権のご自慢の成果の金融緩和はどうなったのかと思います。
金融安定化政策で税収が増えていたとしても、
子育て支援に回すお金はないというのでしょう。
日本の現状は、相当に家族政策や子育て支援に予算を投入しないと、
出生率の回復と人口の維持はきわめて難しい状況です。
この期におよんで、子育て支援に「はした金」程度でさえ
出せないのなら、「お金がないので人口崩壊を受け入れます」と、
はっきり認めたほうがいいのではないかと思います。
「驚いていることに驚く」
まじめに少子化対策をすることだね。
0〜2歳児の保育所不足を仕方がないと言っているうちは、
カネを惜しんで人口崩壊を覚悟するということなんだよ。
こうした実感に行き着くまで、まだまだ時間が必要なのかな。
日本の人口政策はすでに「手遅れ」であり、
棺桶に片脚を突っ込んでいると、わたしは考えています。
実際、財源がないので子育ての経済的支援ができないというのは、
「末期症状」もいいところだと思います。