2016年01月04日

toujyouka016.jpg 捕鯨国際裁判で日本大敗訴

2014年4月のお話なので、だいぶ前で恐縮ですが、
わたしは最近詳しい事情を知ったので、お話したいと思います。
これはぜひ周知させることだと思います。

国際司法裁判所(ICJ)でなされた裁判で、日本の南極海における捕鯨が
国際法違反であるとして、全面的な中止が命じられる判決が下ったのでした。

「調査捕鯨の中止命令 「科学目的のためとは言えない」」
「ICJ敗訴の決め手は水産庁長官の自爆発言──
国際裁判史上に汚名を刻み込まれた捕鯨ニッポン」

(はてなブックマーク)
「調査捕鯨国際裁判敗訴は全て安倍と自民党捕鯨議連の責任」
(はてなブックマーク)

「調査目的」といつわって漁目的で捕鯨していたことが
あきらかとなったからです。日本は全面的な敗訴です。
それも国際裁判史上に残る空前の大敗と言えます。
提訴した国はオーストラリアとニュージーランドです。

 
南極海の調査捕鯨、中止命令 捕獲数「多すぎる」

南極海での日本の調査捕鯨は国際法に違反するとして、
オーストラリアが即時中止を求めて起こした訴訟の判決が31日、
オランダの国際司法裁判所(ICJ)であった。
ペテル・トムカ裁判所長は、最大1035頭の枠で実施している
現在の調査捕鯨は「科学目的のためとは言えない」として、
中止を命じた。事実上、日本が全面敗訴した。

日本政府は、現在の捕獲枠を大幅に減らした計画書を
国際捕鯨委員会(IWC)に届け出て、再開を模索することになりそうだが、
IWCの半数以上は反捕鯨国で、理解を得るのは難しそうだ。

裁判は2010年5月、豪州が「日本は(調査捕鯨に名を借りて)
違法な商業捕鯨をしている」と訴えて始まった。
途中から反捕鯨国のニュージーランドも加わった。


日本の関係者たちは、漁目的で捕鯨をしていることを
調査目的といつわっていることに対して、まるっきり無防備すぎて、
その異様さは、あきれや驚きを通り越して不可解すぎます。
「負けるべくして負けた」と言わざるをえないです。

政府関係者が国会の答弁の中で堂々と、「ミンククジラは
刺身にするとおいしい」とか、「安定供給のために
南極海での捕鯨が必要」としゃべっているからです。
なんの冗談かと言いたくなってきます。
この答弁は英訳されて、オーストラリア側が証拠として提出しています。

「第180回国会 決算行政監視委員会行政監視に関する小委員会 
第3号(平成24年10月23日(火曜日))」

ミンクというのは、お刺身なんかにしたときに非常に香りとか
味がいいということで、重宝されているものであります。

したがって、ミンククジラを安定的に供給していくためには
やはり南氷洋での調査捕鯨が必要だった、
そういうことをこれまで申し上げてきたわけでございます。

この「ミンククジラのお刺身」質疑は東日本大震災の復興予算を、
捕鯨に流用していることを追求したものです。
このような流用自体、強く批判されることなのはもちろんです。

ところが上記の本川一善水産庁長官の発言を「それを言ったら
調査目的ではなく漁目的だとばれる」と批判した人が、
質問に立った小野寺五典議員を含めて、だれもいない(!)のでした。


ようは議員、官僚、業者などの捕鯨関係者たちは、
自分たちだけで通用する「内輪の理屈」で納得しあっていて、
そのような主張が外部の人たちからはどう見えるかが、
まったく見えなくなっていたということだと思います。

復興予算を平気で流用するあたり、かなり独善的でもありそうですから、
なおさら「自分たちの主張が受け入れられて当然」という
意識になっていて、まわりが見えなくなっていたものと思います。
よくよく閉鎖的な集団になっていたのでしょう。

http://kkneko.sblo.jp/article/92944419.html
これは言わば、捕鯨サークルという組織の慢心からきた身から出たサビ

調査捕鯨の本質を最もわかりやすい形で、
当事者の口から、国会という場で説明させたのは、
まさに復興予算を平気で流用してしまう捕鯨サークルの体質でした。

こんなバカげた訴訟の負担を国民に強いた責めを負うべきは、
族議員と歴代官僚を含む捕鯨サークルであることは間違いありません。

こういう「内輪の理屈で納得しあってまわりが見えない」
という状況は、市民団体のたぐいでもよく見られることです。
「捕鯨サークル」の場合、その「まわりの見えなさ」の程度
という点において、きわだったものがあると思います。


この訴訟、日本側は引き分けか軽い敗訴に持ち込めると思っていました。
かかる見当違いも「まわりが見えない」がゆえの勝算の甘さでしょう。


また日本は、この訴訟で善戦することで、中国と韓国相手に
領土問題で提訴する際に備えようともしていたのでした。
ふつうは隠しておくであろうこういう「手の内」を、
公判の途中で政府関係者がしゃべってしまうところに、
自分たちの勝ちを確信していた様子が伝わってきます。

http://kkneko.sblo.jp/article/92944419.html
実際、政府関係者はICJでAUS・NZを迎え撃つにあたり、
今回の訴訟対応を、対中国・対韓国の領土問題を念頭に置いた
ICJでの紛争処理のモデルケースとして捉えていると、
臆面もなくメディアに語っていたわけです。最強布陣の必勝体制で臨み、
負けるはずがないと高を括っていたからなのでしょうが。

http://kkneko.sblo.jp/article/93046598.html
本音では重要な国益だとは考えていないクジラで、引き分けに近い、
あるいは実質勝訴といえる軽い#s訴を受け入れ、
国際社会に対して自分たちが国際法規を尊重する模範的な
優等国なのだということを精一杯アピールする。

ついでながら「国際法規を尊重する模範的な優等国」を、
日本がアピールしようというのが、わたしには失笑です。
日本は国連の各種人権委員会から、再三同じ勧告を受けても
いっかな国内法を改めない国なのに、なにを言っているのかと思います。

「日本の人権外交の実態」


この訴訟、最初から日本に勝ち目はないことが予想されていました。
そして日本は訴訟を受けずに無視することもできたし、
実際、応訴しないほうが得策と言えたのでした。
ここであえて受けて立つ時点で、日本の関係者は
状況が見えていなかったということなのでしょう。

「ICJ調査捕鯨訴訟で日本は負ける」


ここまで来ても、自民党・安倍政権の関係者は
なぜ日本が敗訴したのか原因を適切に分析できず、
「くじらは日本の食文化だ」とかナショナリズムを振り回して、
くじら肉の入ったカレーをやけ食いしながら、
国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退も辞さないと息巻くのですよ。


安倍首相は敗訴を受けて、訴訟の矢面に立たせた
政府代表に対してキレちゃったのですよね。
自分が無茶苦茶な訴訟をやらせたのがそもそもの原因なのに、
「お前がだらしないから悪い」なんて、
安っぽいアニメに出てくる「悪の組織」を見ているようですよ。




このくじら裁判の空前の大敗は、第二次安倍政権の
最大の外交的失策になると、わたしは予想しておきます。
歴史認識や移民問題やヘイトスピーチよりも、
ずっと深刻な重荷となるのではないかと、わたしは思います。

敗訴によって失なったものが莫大なのは言わずもがな。
訴訟の過程で、すでに「日本の常識=世界の非常識」を
たくさん見せつけていますし、判決によって「日本の理屈」が
いかに内輪だけでしか通用しない独善に過ぎないかと、
さらにあからさまに示しているからです。

posted by たんぽぽ at 23:45 | Comment(11) | TrackBack(0) | 法律一般・訴訟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
新年から興奮してますね。全然反響なくて悲しいものです。
日本の常識=世界の非常識
まるで女・竹村健一、女・落合信彦みたいですわ。
つまりオッサンですよ。
それでその「世界」ってどこですか?
銃乱射事件が頻繁に起きて大統領が「こんな国はない!」と涙ながらに演説する国ですか。
奴隷貿易や植民地支配してその代償を受けている国々ですか?

捕鯨は自民党だけでなく民主党でも共産党でも守っていこうという形で超党派で擁護しています。
映画監督の八木景子さんは反証映画をつくりカナダのモントリオール映画祭で好評を博しました。
もうひとり佐々木芽生(めぐみ)さんも反証映画の制作に動いています。

ただし貴方は正直どうでもいいと思っている。日本の悪口が言えればいいと思っている。
すごく惨めな内面をさらしておりますわね。
Posted by あっとまーく at 2016年01月12日 20:42
2016年の新規エントリ(新年のあいさつを除く)に
最初についたコメントがこうしたものであることは、
わたしとしてはとても残念なことです。


ヒラリーさんはたまごどんのブログにいましたよ。
よく訪れていたと自分で言っています。
あなたがコメントすれば、お返事をいただけた可能性はあったということです。

http://tamagodon.livedoor.biz/archives/51916641.html
========
1. ヒラリー 2016年01月02日 04:48
たまごどんさん。明けましておめでとうございます。
よくこちらに訪れてはいたんですよ。
ただ書き込むタイミングを逃してきましたが、
新年となったタイミングで書き込ませて頂きます。
========

よくわからないのは、たまごどんのブログにコメントする前から、
「どうせヒラリーさんはいない」と、あなたは決めてしまうことです。
そういうのは何回かコメントして、音沙汰がないのを
確認してから考えることだと思います。
Posted by たんぽぽ at 2016年01月12日 23:09
 捕鯨やイルカ漁(イルカは哺乳類だから「イルカ猟」と言うべき?)の問題に関しては、昨年の9月に宮台真司氏がラジオ番組で発言したことが参考になるのではないかと思います。
 私はポッドキャスト(2015年9月11日のTBS『荒川強啓デイ・キャッチ』)で聞きましたが、政府が「日本の文化」として強調していることが問題で、「地域の文化」として認識してもらう必要があるという内容だと理解しています。

 そこから考えても、そもそも、日本の一部分に根付いた地方文化に「日本」のシールを貼って、政府が大々的に乗っ取ってしまおうとするこの戦略、将来的に捕鯨やイルカ漁を存続することに役立つとは思えません。
 捕鯨やイルカ漁は、それによって生活が支えられている地域の「生活文化」として存続していくべきであって、日本政府が日本を売り込むために使用する「展示品」として存続させるべきではないのです。

 捕鯨もイルカ漁も食肉を得るための手段として考えれば、それほど残酷なものではないでしょう。
 また、捕鯨反対論者には、鯨やイルカの知能レベルの高さを取り上げるような、生命の価値に関する差別主義者がいるわけで、捕鯨反対は理論的に完成したものでもないのです。本当に捕鯨やイルカ漁を存続させたいのならば、まだまだ戦略を構築する余地はあるでしょう。
 しかし、日本政府は何をやりたいのでしょうね。捕鯨やイルカ漁に従事する人の生活のために、それを存続させたいのか、それともその人たちを出しにして、捕鯨にまつわる利権を確保したいのか。
 どちらもできていない段階で、日本政府の戦略は失敗だと言わざるを得ないわけですね。

 この記事で指摘されているような内容が国会で発言されていることから考えると、日本政府の戦略は、目標がはっきりしていないか、真の目的を隠しているかのどちらかなのでしょうね。
 「捕鯨を守る」と言ってみたところで、存続に利さない戦略を取っているようでは、存続などおぼつかないのは当たり前のことかもしれません。
Posted by Eric Prost at 2016年01月13日 11:53
たんぽぽ様
大変ご無沙汰いたしております。

日本の捕鯨に関連し、確か似たような「伝統」を謳った猟に反対するお話があったな、と思って、ちょっとググってみてみつけたものをご紹介いたします。

http://www.ifaw.org/japan/our-work/seals/%E5%85%88%E4%BD%8F%E6%B0%91%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%82%B6%E3%83%A9%E3%82%B7%E7%8C%9F

ここではアザラシ猟を取り上げ、先住民による伝統的な猟と、それを隠れ蓑にした国家による商業的な猟とは異なるという主張が行なわれております。

日本のクジラ漁の現状に通じるものがあるような気がしました。
Posted by aka21 at 2016年01月13日 16:51
日本側のコメントのうすっぺらさ、国際社会ナメてる感、そして「それ本音じゃないよね?絶対裏の利権あるよね?」感がものすごい…orz
環境に配慮しつつ、正確なデータを計測する為の調査方法を考えたり、得られたデータの確証性を調べ、内容を推敲し、公判に持ち込めるのかを慎重に協議し、そして提訴に踏み切った(であろう)オーストラリアとニュージーランドの調査チーム(保護団体?)の方々は、裁判には勝訴しても、日本の態度にはさぞ失望したでしょうね。想像に余りありすぎて恥ずかしい。
少し前までの日本のお家芸というと、どっちに転んでも大丈夫な玉虫色とか、のらりくらりと風が吹くのをじっくり待つ牛歩とか、恐らく提訴側が覚悟していたのは、こういうたたかさやあくどい策略だっただろうと想像するに、あの内向きの、ふわ〜っとした空気感にがっくりきたんじゃないかと。
「だってほら、…ねえ?」「ふつうはさ、…ね?」
って仲間内で目配せしながらにやにやしてる感じ。

「古き良き日本の伝統を守ろう!」
「おいしいんだから食べて何が悪い!」
賛成派の意見は、たぶんこんな感じだと思います。
ここに、
「くじらに捨てるところは無い。我々日本人は全てを大切に利用し尽くす。大自然に頂いた命は、ありがたく”いただきます”。ああ美しい国ニッポン!Japan as Number1! 」
がプラスされると予想。
↑じゃあ他の古き良き伝統も守ってるの?(例えばお正月は若水で禊ぎ!年賀状なんて怠惰!しかるべく年賀を整え、家長が紋付袴で年始回りするのがニッポンの伝統!)とか、団塊世代以前の「給食に出てくる固くてまずいくじら肉」の記憶とか、外食産業の大量の廃棄食料はどうなの?とか、そういうことはきれいさっぱり無いことにしちゃうんですよねえ…
Posted by あやめ at 2016年01月13日 22:16
Eric Prostさま、お久しぶりです。
このエントリにコメントありがとうございます。

>私はポッドキャスト(2015年9月11日のTBS『荒川強啓デイ・キャッチ』)

これですね。
https://twitter.com/daycatch_tbs/status/642210236875468800

>政府が「日本の文化」として強調していることが問題で

日本政府は捕鯨をナショナリズムやショービニズムの問題
ということにしようとしてるみたいですね。
動機はさしずめ「捕鯨サークル」の利権のためだと思います。

国際司法裁判所の裁判でも、ナショナリズムやショービニズムの問題
という感覚で臨んだのではないかと思います。
提訴国がオーストラリアとニュージーランドだというので
「アングロサクソンどもに物申す」という意識もあったみたいですし。


>どちらもできていない段階で、日本政府の戦略は失敗だと言わざるを得ないわけですね

戦略に失敗したのも、こうした問題の所在の取り違えも
あるのではないかと、わたしは想像しています。
彼らはナショナリズムの問題と認識していて、
漁目的を調査目的といつわっているゆえに訴えられていることを
じゅうぶん認識できていなかったのかもしれないです。

漁目的で捕鯨していることに対してまったく無防備で、
ぜんぜん隠そうとしないのも、このあたりにあったのかもしれないです。


>この記事で指摘されているような内容が国会で発言されていることから考えると

国会の外でも大量のくじらの本がありますね。
日本の捕鯨活動を主導したお役人がじきじきに書いた本でも、
「くじら肉が安く提供できるようになった」なんてあったりします。
これもオーストラリア側が証拠として提示しています。

http://kkneko.sblo.jp/article/92944419.html
========
ICJ/AUS&NZにツッコミどころを山ほど提供した
JARPAUを立案・主導した小松正之氏ということになるでしょう。
AUSが口頭弁論で用意したプレゼン資料の中には、
小松氏の「It's none of your business!(余計なお世話だ!)」発言や、
「捕獲枠拡大のおかげで鯨肉が安価に提供できるようになった」と
紹介する自著なども入っていました。クジラ本、山ほど書かれましたもんね・・。
========
Posted by たんぽぽ at 2016年01月14日 20:19
aka21さま、おひさしぶりです。
このエントリにコメントありがとうございます。

>http://g.ifaw.org/1RMwY1U

こちらはご紹介ありがとうございます。

>アザラシ猟を取り上げ、先住民による伝統的な猟と、
>それを隠れ蓑にした国家による商業的な猟とは異なる

日本のくじら漁と事情は似ていると、わたしも思いました。
日本の商業捕鯨も「日本の伝統」と称していて、
「地域の生活文化」としてのくじら漁と混同させているみたいですし。

くじら漁も先住民族の保護のためのものは認められているのですよね。
このあたりもリンク先のあざらし漁と同様だと思います。
Posted by たんぽぽ at 2016年01月14日 20:21
あやめさま、このエントリにコメントありがとうございます。

>日本側のコメントのうすっぺらさ、国際社会ナメてる感、

日本側は「演出」で勝てると思ってさえいたのですよね。
これで国際司法裁判所で裁判をやろうというのだから、
「国際社会をなめている」と思われても無理もなさそうですね。

https://twitter.com/kamekujiraneko/status/451315026612072448
========
もうひとつは演出。産経記者もベタ褒めした流暢なフランス語、
国際法の権威によるパフォーマンス。
これが決め手≠ノなると日本側は本気で考えていたようだ。
あたかも、IOCの東京招致プレゼンと同じように。
国際司法裁判所を相手に、演出で勝てると考えた。
========


>裁判には勝訴しても、日本の態度にはさぞ失望したでしょうね。

今年の10月に「国際司法裁判所の判決に従わない」という
宣言をしたことのほうが、関係国、周辺国を失望させたと思います。
外国メディアでは記事になってはっきり「失望」と書かれていますね。

「今後はICJで訴訟を起こされても受けて立たない」
http://togetter.com/li/890170


>「だってほら、…ねえ?」「ふつうはさ、…ね?」
>って仲間内で目配せしながらにやにやしてる感じ

こういうのは日本人に顕著なのだろうなと、わたしは思います。
同調圧力、集団主義、内向きな閉鎖主義ですからね。


>「古き良き日本の伝統を守ろう!」

「伝統」が出てきたら、3条件に照らし合わせて懐疑ですね。
日本の南極海の捕鯨は「1.本当に伝統なのか?」が怪しいですね。

「伝統回帰論への懐疑」
http://taraxacum.seesaa.net/article/282021753.html

本当に伝統的なのは地域の生活文化であって、
「日本の文化」とは言えないし、しかもそれと商業捕鯨である
南極海の捕鯨は別物ですからね。

>団塊世代以前の「給食に出てくる固くてまずいくじら肉」

わたしもくじら肉というとその印象がありますよ。
わたしは給食のまずいくじら肉はぜんぜん知らなくて、
ネットで聞きかじって初めて知ったのではありますが。
Posted by たんぽぽ at 2016年01月14日 20:23
最初にコメントした人は、「日本の常識=世界の非常識」
ということが、どこなのかわからないみたいだけど、
このエントリに書いたことが全部該当することは明らかです。

本来ならいちばん隠さなければならないことを、
政府のお偉いさんが国会でしゃべったり、著作で書いたりするのは、
どれだけ「常識」がないのかと思います。

「自分たちの内輪の理屈で納得しあって周りが見えない」
ということ自体は、どこの国の人でもあり得ることでしょう。
それを国家的規模でやるのは、さすがにめったにないことだと思います。


ほかにこのような指摘もあります。

https://twitter.com/matsuikei/status/450797235362467840
=========
南極海での日本の調査捕鯨の禁止は、日本の<〜だということにする>という
偽装文化が国際社会から否定されたという事だね。
調査捕鯨でもなんでもないからね。商業捕鯨をそう偽っただけで。
日本社会にはこの<〜だということにする>てのが
至るところで罷り通ってる。私の気に入らない点の1つですよ。
=========

https://twitter.com/kamekujiraneko/status/656097319012536321
========
(承前)美味い南極産鯨肉刺身(by本川)>米国>
憲法・国際法・ユネスコやICJ等の国連機関。これが日本の優先順位だ。
こんなとてつもなくイカレた国だと、世界に広く知らしめたことになるんだぞ? 
みんなはそれが国民の総意だと思われていいの???
========

リンクしたエントリにもありますが、
公判における日本の論理展開は不可解なものでした。

「ICJ調査捕鯨訴訟で日本は負ける」
http://kkneko.sblo.jp/article/70305216.html

これらが「日本の常識=世界の非常識」でないというのなら、
このような日本のやりかたに対して理解を示す「世界」は
どれだけあるのか、それこそ示してほしいものです。


>捕鯨は自民党だけでなく民主党でも共産党でも
>守っていこうという形で超党派で擁護しています。
>映画監督の八木景子さんは反証映画をつくり
>カナダのモントリオール映画祭で好評を博しました。
>もうひとり佐々木芽生(めぐみ)さんも反証映画の制作に動いています

ここで問題になることがあるとしたら、これらの議連や反証映画の
存在や主張内容が、今回のくじら裁判における
日本の大敗訴を、どれだけ弁護できるのかだと思います。
たとえば、彼らが裁判を主導すれば、日本側にもっと有利な
判決が出た見込みがあった、ということでしょうか?


>ただし貴方は正直どうでもいいと思っている。日本の悪口が言えればいいと思っている

裁判の論点は「調査目的といつわって漁目的で捕鯨している」ことです。
このエントリで問題にしているのは、提訴に当たらせた
日本政府の戦略がまったくなっていないことです。
どちらもナショナリズムやショービニズムは関係ないです。

ナショナリズムやショービニズムの問題でとらえることは
論点のすり替えだということも、わたしは言及しています。

========
ここまで来ても、自民党・安倍政権の関係者は
なぜ日本が敗訴したのか原因を適切に分析できず、
「くじらは日本の食文化だ」とかナショナリズムを振り回して、
くじら肉の入ったカレーをやけ食いしながら、
国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退も辞さないと息巻くのですよ。
========

この期におよんで「日本の悪口が言えればいいと思っている」なんて、
ナショナリズムやショービニズムの問題ということにしようとするのは、
どれだけ問題を理解できていないのかと思います。


だいたい本当に日本がよい国であってほしいと思うなら、
ときの政権が空前の大失策をやらかしたら、
その政権に対してもっと批判するところだと思います。

そこへ持ってきて政権をぜんぜん批判せず、
政権批判のエントリにやつあたるようなコメントをするというのは、
現状を直視する気がぜんぜんないと言わざるをえないです。

リンクしたつぎのツイートは、最初のコメントにも当てはまるでしょう。
https://twitter.com/hydehydesan/status/451275946843066368
========
自分たちの活動の何が批判されて、どうして受けいられなかったのか。
この辺りを無視して弁護人を責めたり、相手の無理解ばかりを焦点にしても、
同じ事を繰り返すだけじゃないですかね。
========
Posted by たんぽぽ at 2016年01月15日 22:32
あとから議論が盛り上がってきたのですね。

まずハッキリ申し上げますが、私はヒラリーさんという人と語り合いたいなどと言っておりません。
というよりお断りします。
仮に、たまごどんさんのブログでそのような機会を得ても展開が見えています。
たんぽぽさんのところから、というのを抜きにできませんから。するとあちらは「ああ、俺はあそこでさあ」と貴方への不平不満を語り、私も「そうですね。−」と返して結果、たまごどんさんのブログで貴方への不平不満や悪口を言い合うことになる。
そういうことは避けたい。貴方に対することはこちらに書くべきだと思います。
サラッと触れるだけならいいですが、ヒラリーさんは別に悪い意味でなく過去の書き込みを見る限りお喋り豊富なタイプのようですから、たぶん言及が多くなるでしょう。
それに対して私は、こちらではもうやめましょうなどと言うのも面倒で、そんなことで嫌われたくないですし、また私が気をつかう筋合いでもないですからね。

捕鯨について貴方は政権が失策すれば批判すべきとおっしゃる。確かにその通りですわね。
ところが、この件が歴史認識、移民問題、ヘイトスピーチより深刻なことになると予想するそうですが、そこがまるっきり違うと思います。
ある意味で貴方は一段階、二段階頭がよく、歴史認識や移民問題、ヘイトスピーチは他国において日本より後ろめたい国が多くあり、「スピーチ」どころか暴行、暴力が多数発生している。
そこで捕鯨裁判が大失策だと持ってきたのではないですか。
本当に大失策ならメディアも大きく取り上げ、野党も激しく叩くはずですがそういう動きが見られません。
それも貴方は分かっていて「外交的大失策になると予想しておく」としているわけですね。

ドイツのメルケル首相は2010年訪米した際に「米国の厳しい排ガス規制はドイツの自動車産業にとって有害だ」と言及していたことが判明しています。
外交的大失策とはこういうことであり、貴方の予想は外れる可能性が限りなく高いでしょうね。




Posted by あっとまーく at 2016年01月19日 20:11
あなたと「ヒラリー」氏は、なぜか同時に現れることがないですね。
あなたがわたしのブログにコメントしているときは、
たまごどんのブログに「ヒラリー」氏は出てこないです。
「ヒラリー」氏がたまごどんのブログに現れているときは、
あなたはわたしのブログに来なくなります。


>捕鯨について貴方は政権が失策すれば批判すべきとおっしゃる。
>確かにその通りですわね。

「確かにその通りですわね」と言っておきながら、
そのあとは政権を批判する内容はなく、
ひたすらわたしに当たり散らすことばかり書いています。

このように口先だけで行動がともなわない
(だから言っていることが信用できない)のは、
「ヒラリー」氏そっくりだと思います。


>ところが、この件が歴史認識、移民問題、
>ヘイトスピーチより深刻なことになると予想するそうですが、

反論に詰まるとまるっきり論点や話題を変えてくる、
こういうところもあなたは「ヒラリー」氏そっくりですね。
Posted by たんぽぽ at 2016年01月20日 22:00
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