科学的根拠がなく、ほとんどが心因性のものであることをお話しました。
「あの激しいけいれんは本当に子宮頸がんワクチンの副反応なのか」
「子宮頸がんワクチン薬害説にサイエンスはあるか」
「子宮頸がんワクチンのせいだと苦しむ少女たちをどう救うのか」
この薬害説はもっと深刻な事態を引き起こしています。
ご存知のかたもいらっしゃると思いますが、2013年6月14日以来、
厚生労働省が子宮頸がんワクチンの予防接種を中止していることです。
現在にいたるまで再開していないです。
「【子宮頸がんワクチン】救済と研究進め、再開判断 接種呼び掛け中止継続」
「子宮頸がん予防ワクチン接種の「積極的な接種勧奨の差し控え」についてのQ&A」
正確には「定期接種には含めたまま、接種の推奨を差し控える」
ということであって、「接種の中止」ではないことになっています。
よって希望すれば接種を受けることはできます。
(はっきり「接種の中止」と言わないで、このようなややこしい扱いに
するところは「日本的」なのでしょうか?)
「心因性のもの」という見解をしめしているにもかかわらず、
接種を実質的に中止するというのも、不可解なことだと思います。
(だから「中止」ではなく「差し控え」なのだろうと思いますが。)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5510
去る9月17日、専門家らによる厚生労働省のワクチン副反応検討部会が行われた。
子宮頸がんワクチンについて議論したのは1年2カ月ぶり。
部会は今回も「ワクチンによる重篤な副反応の多くは
心的なものが引き起こす身体の症状」との見解は覆さなかったが、
「積極的な接種勧奨の差し控え」という奇妙な日本語の判断も継続するとした。
差し控えにより接種率はかつての7割から数%にまで落ち込んでいる。
実質的には中止したのも同然で、「差し控え」によって
7割ほどあった接種率は、数パーセントにまで落ち込んでいます。
このようにワクチンの接種を中止にすることよる危険性は、
言うまでもないことだと思います。
「子宮頸がんワクチンの接種率、65%から4%に激減―阪大調べ」
「子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)接種の勧奨再開を求める声明」
子宮頸がんワクチンの薬害説を問題視して、接種を実質的に中止しているのは、
日本だけ(!)ということは、かなり問題視するところでしょう。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5525?page=5
海外には日本のように、いったん導入された子宮頸がんワクチンの接種が、
事実上滞ってしまっている国はどこにもない。
国際学会も世界保健機関(WHO)もこのワクチンが
安全で有用であるとの結論を覆していない。
子宮頸がんワクチンの薬害説は世界中に広まっています。
1月3日エントリでリンクしたツイートも外国の事例です。
薬害説のせいでワクチンの接種率が下がることも外国にもあります。
それでも事実上の中止にまでなる国は、日本以外にはないようです。
アメリカが日本と違ったのは、バックマンの精神遅延発言の翌日には
6万人の家庭医が所属する全米小児科学会が「発言には科学的根拠がなく、
子宮頸がんワクチンは安全である」との声明を発表したことだ。
それでも子宮頸がんワクチンのイメージは傷つき、
接種率は下がったが、日本のように国が定期接種に定めたまま
接種推奨を差し控えるという奇妙な事態には至らなかった。
さらに深刻なことに、日本政府が子宮頸がんワクチンの接種を
いつまでも再開ことしない対して、世界保健機構(WHO)の
諮問委員会であるGASVSが、日本を名指しで批判しています。
特定の国を名指しで批判するのは異例のことのようです。
日本はそれだけ問題ということなのでしょう。
「「エビデンス弱い」と厚労省を一蹴した WHOの子宮頸がんワクチン安全声明」
(はてなブックマーク)
今回、日本における副反応騒動への言及は、驚くほど踏み込んだ表現となっている。
前回の声明では「GACVSは日本のデータに因果関係を見ないが、
専門家による副反応検討会は引き続き調査中」と
記載された顛末の続きは、今回、次のように辛辣だ。
「専門家の副反応検討委員会は子宮頸がんワクチンと
副反応の因果関係は無いとの結論を出したにもかかわらず、
国は接種を再開できないでいる。以前からGASVSが指摘しているとおり、
薄弱なエビデンスに基づく政治判断は安全で効果ある
ワクチンの接種を妨げ、真の被害をもたらす可能性がある」
声明の中で、政策判断を批判された国は日本のみ。
政治的に配慮した表現を重視する国際機関が、
一国だけ名指しで批判を行うのは異例のことだ。
そして見過ごせないのは、日本の子宮頸がんワクチン薬害説が
世界各国に波及する可能性があることです。
上述のように外国にもワクチン薬害説を信じている人は
たくさんいますから、彼らが影響を受けかねないわけです。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5530?page=2
「子宮頸がんワクチン関連神経免疫異常症候群(HANS)」の騒ぎ
(中篇記事参照)が日本から世界に波及することを懸念する
厳しい言葉を投げかけられた産婦人科医もいる。
海外の学会に行って「日本は何やってるんだ。やり方が悪い」と
何人もの外国人医師から言われたという感染症専門家もいる。
いまやHANS騒動は海外にも知れわたり、
すでに日本だけの問題ではなくなっているのだ。
わたしがつくづくお粗末だと思うのは、
厚生労働省がみずから科学的根拠のとぼしい学説を否定しきれず、
ワクチンの接種中止の判断を続けていることです。
政治が関係あるとはいえ、省庁が科学リテラシーに関して
適切な情報管理や情報の判断ができないというのは、
そこまでていたらくになったのかと思います。
適切な情報を流すよう努めることが、省庁の本来の役目です。
政府機関という権威と規模のある組織が適切な情報を流すことは、
根拠のない学説の拡散を防ぐのに効果が大きいからです。
省庁が根拠のない学説を信用したり拡散したりしていると、
それだけ悪影響が大きくなりやすいということでもあります。
その意味でも、厚生労働省が子宮頸がんワクチン接種の
「差し控え」を続けていることは、きわめて深刻と言えます。
ワクチン接種率の極端な低下に、それははっきりと表れているわけです。
イギリスから世界に波及した根拠のないワクチン薬害説もあるし、
イタリアのように裁判所がそれにお墨付きを与えることもあるので、
この件に関しては日本だけが「非常識」とは言わないです。
それでもふだんは政治的に配慮するWHOの諮問委員会が
日本を名指しで批判したことは、じゅうぶん問題視することだと思います。
その中で問題が大きいのはHPV16、18、31−−−−ー73、82と15〜16ほど。
そして現在出回っているワクチンは16、18型を大きな的にしている。
この危険性が一番高いからだそうですが。
しかし日本人のDNAに多いのは52、58型である。
ところが52、58型に有効である可能性は10%前後でしかない。
おすすめできないのは当然ですわね。
確かに日本は薬全般で、海外において広く処方され効能が確認されても承認が非常に遅いことが指摘されています。
慎重になりすぎの姿勢はあるものの、日本人に対してどうなのか。
「同じ人間」であっても「人種」の違いは思想や人権でなく医学的に存在します。