2016年02月12日

toujyouka016.jpg 男は結婚で年収が増える

正規雇用の平均年収の年齢推移を、未婚と既婚とでジェンダー別に
示した図があるのでご紹介します。とても衝撃的です。


未婚のジェンダー差は小さいのですが、既婚は女性より男性のほうが
ずっと年収が高く、ジェンダー差がくっきりしています。

 
女性だけ見ると、未婚よりも既婚のほうが年収が低くなっています。
むしろ衝撃的なのはこちらかもしれないです。
図は正規雇用だけですから、派遣やパートの女性は含まれないです。
それでもこれくらい既婚女性の年収は低いということです。

女性は正規雇用にとどまっていたとしても、
結婚や出産、育児で責任の少ない部署に回されることが多く、
それで年収が下がるということだろうと思います。

また長時間労働に代表される男性中心の職場環境ゆえに、
管理職になれないか、なりたいと思わない女性が多いこともあると思います。
これも女性は年収が伸びない原因となるでしょう。

「WLBと女性管理職の割合」
「女性管理職と長時間労働」
「女性管理職が少ない理由」


補助ブログの2014年1月10日エントリでも、
正規雇用の女性の年収分布を示しましたが、
ここでも「女は結婚すると年収が減る」ことがはっきり現れています。

「女は結婚で年収が減る」
https://twitter.com/tmaita77/status/419665311353143297



男性だけ見ると未婚と比べて既婚はずっと年収が高くなります。
前述の長時間労働に代表される職場環境が、
家のことを専業主婦の妻に任せていられる既婚男性にとって
有利になっていることの反映だろうと思います。

「奥さんがいていいわね」

社会通念も賃金体系も既婚男性中心になっていて、
既婚男性は早く出世できるし、ようやく見直し始めたとはいえ、
妻が専業主婦だと「配偶者手当て」がつく企業もかなり多いので、
既婚男性の年収が高くなるということです。

「トヨタ・配偶者手当て廃止」
「経団連・配偶者手当て見直し」

男性どうしで比べても、未婚と既婚とでは同じ仕事をしていても
既婚のほうが多く年収を得ている可能性も高いと思います。
日本の企業風土や労働環境は、それだけ既婚男性中心なのだと思います。


ジェンダー間の比較をすると、未婚のジェンダー差は小さいですが、
既婚だとジェンダー差がきわだつことになり、
既婚女性と比べて既婚男性はかなり年収が高いことになります。
扱いが変わるのは、男も女も結婚してからとなりそうです。

正規雇用でも女性は男性と比べてこのくらい格差が大きいです。
さらにこの外側に、結婚や出産、育児のため
パートや派遣など非正規雇用に回される女性がたくさんいて
さらなる格差を作り出しているわけです。

「出産でパートに回される」
「就労形態と未婚率の関係」
「男女&雇用形態別年収分布」
「男女別正規・非正規雇用の数」


「夫が正規雇用として働き、妻は原則として専業主婦、
働くにしても夫の家計の補助」という「家族思想信仰」意識の
名残りが、労働環境の中にまだまだ残っているのでしょう。
その構造の中で「既婚男性」は「既得権益層」であり、
彼らの高い年収はその現れのひとつであるということです。

労働におけるジェンダー問題というと、女性の低年収や、
男性との格差、非正規雇用問題、仕事と育児の両立といったことが
よく取り上げられるし、それはもちろん大切なことです。
それだけでなく、こうした「既婚男性優遇」も問題にする必要があるでしょう。

posted by たんぽぽ at 23:31 | Comment(6) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
これ、「女性が金で結婚相手を選んでる」と読めますよね。
なんで自分に都合よく解釈するんですか

フェミって脳に何か虫でもわいてるんですか?

頼むから子供を作らないでください
これ以上キチガイが増えたら迷惑ですから
Posted by フェミはこの世から消える at 2016年10月21日 16:02
あなたは、先日投稿お断わりにした「ara」氏と、同じかたですか?

「投稿お断わりのお知らせ」
http://taraxacum.seesaa.net/article/439105361.html

別人だというのでしたら、それがわたしや第三者にも
わかるよう、じゅうぶんな証明をお願いします。
Posted by たんぽぽ at 2016年10月21日 21:31
>フェミはこの世から消える

この人、何言ってるんだろう。

金があってもオンナにあぶれてるオトコはたくさんいるだろうに。
(金は無くともオンナに事欠かないオトコもいるし。)

フェミニズムが無くなっても、モテない奴はモテないまま。それだけ。
Posted by あやめ at 2016年10月22日 20:41
あやめさま、コメントありがとうございます。

>>フェミはこの世から消える
>この人、何言ってるんだろう。

フェミニズムを激しく逆恨みしていることはたしかそうです。

以前投稿お断わりにした人と同一人物なら、
当然歓迎しないので、来ないで欲しいところです。

某所の「四天王」の「お仲間」に加わるなら、
受け入れられるかもしれないです。
Posted by たんぽぽ at 2016年10月22日 22:22
たんぽぽさま

ご紹介のグラフ、方々で見かけます。人気(?)の資料ですよね^^
まあもう大して驚きも憤りも噴き上がりませんが、しかし改めてひどい賃金差。
独身男女も同じ波形を描きながらも、決して線が交差しないところにも、
はっきりと何者かの意図を感じます。

少子化対策に関係した様々なアプローチを見ると、
「選択肢を増やして安心して子供が産める環境を整えよう」という方向には絶対に
向かわず、『選択の余地を奪って女を結婚―出産に追い込もう』に”雪崩を打って”
向かうのでしょう。
そりゃあ、

>女性が金で結婚相手を選んでる

というのもむべなるかな、ですわ。
もとより経済的安定は生物学的にも子供の父親を選ぶ重要な条件の一つだし。
パートナーの双方が自立できていなければ、愛による結婚なんて成立しませんよ。
Posted by あやめ at 2016年11月01日 00:40
あやめさま、コメントありがとうございます。

>ご紹介のグラフ、方々で見かけます。人気(?)の資料ですよね^^

そうだったのですね。
ジェンダー問題の中では、比較的興味を
ひかないほうなのかと思っていました。

日本社会では既婚男性がいかに優遇されてるかを
はっきりと示している図ですね。


>少子化対策に関係した様々なアプローチを見ると

この議論も四半世紀になると思うのですよね。
いまだにわかってないし、わかろうとしない人が多いですね。

>『選択の余地を奪って女を結婚―出産に追い込もう』に

過去への回帰はいまさら不可能なのに、むかしに戻せばよいと
考えるのは、わかろうとしない人の典型ですね。


>>女性が金で結婚相手を選んでる
>というのもむべなるかな、ですわ

それはむしろこちらの問題だと思います。
女性は年収水準が低いので、自分より年収の高い男性とでないと
結婚生活が成り立たないということです。

「年収が低い男性との結婚」
http://taraxacum.seesaa.net/article/384852349.html


最初のコメントの人が、既婚男性優遇の年収体系を見て、
なぜに「女が金で結婚相手を選んでいる」と
思ったのかは、わからないです。

日本の企業や社会が既婚男性に対して、手当を増やしたり、
年収の多い役職につけたりするからで、それが不満だと言うのなら、
既婚男性優遇の企業や社会に対して言うことだからです。

想像するに、最初のコメントの人は、
年収の高い男性だけ結婚できるから、
既婚男性は未婚男性と比べて年収が高いとでも
思っているのかもしれないです。

そう思っているなら因果関係がまったく逆で、
年収が高いから結婚できるのではなく、
結婚したから年収が高くなるということです。
Posted by たんぽぽ at 2016年11月01日 22:23
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