2016年03月06日

toujyouka016.jpg 男性向け痴漢抑止バッジ

3月5日エントリで「痴漢抑止バッジ」のお話をしました。
このバッジの配布を受けて、男性向けの「痴漢抑止バッジ」を
作ったかたもいらっしゃります。

「男性用「痴漢抑止バッジ」、作ります。」
(はてなブックマーク)
「男性用「痴漢抑止バッジ」、配ります。」
(はてなブックマーク)
「「痴漢は俺の敵」 男性用痴漢抑止バッジ、考案の理由」
(はてなブックマーク)
「男性用「痴漢抑止バッジ」 第一回 配布イベント 【参加受付中!】」

 
男性向けバッジのデザインは以下のようになっています。
ピンクの地に白と紺の文字で「痴漢は俺の敵」
「困っている人を助けます」と書かれています。
メッセージを直接的にして、さらに色を異物感があって
目立つようにしたことで、視覚に訴えるようにしています。



このバッジは男性が身につけることを念頭に置いていて、
一人称が「俺」ですが、女性がつけてもよさそうだと思います。
女性が「被害者」でない「協力する必要のある周囲」の立場から、
痴漢と対峙することももちろんあるからです。


痴漢の被害者やその予備軍である女性ばかりが
痴漢の防衛を要求されるのは、おかしなことだと言えます。
本来は加害者の責任なのに、被害者にだけ責任を負わせることにもなるからです。

本来なら周囲も協力する必要のあることです。
それなら男性にもできること、やることはあると考えたというのが、
男性向け痴漢抑止バッジの基本コンセプトです。
痴漢被害の構造は「女性対男性」ではなく、
「痴漢加害者対それ以外」で、痴漢は社会全体の問題ということです。

「痴漢抑止バッジの記事に書いてある被害を読んで、
率直に言ってひどい話だと思いました。
同時に、『これを人ごとにしてしまってはいけない』とも思ったんです。
痴漢被害について女性にばかり防衛を求めるのはおかしなこと。
男性である自分も何かできないかと思いました。

痴漢被害については、女性対男性の構造で語られてしまいがちですが、
本当は痴漢加害者対それ以外の話です。
痴漢は女性の敵ではなく社会の敵。当然、男性にとっても敵のはず。
社会全体でこの問題を考えていくのであれば、
男性からもアクションを起こすべきだと考えました」


男性にとって関心が高いであろう痴漢冤罪ももちろん
原因は「痴漢加害者」であり、痴漢冤罪を恐れる男性も
「痴漢加害者」の被害者ということになります。
痴漢冤罪を恐れる男性の本当の敵も「痴漢加害者」ですし、
そうした男性のためにバッジを作ったこともあります。

https://note.mu/kyonghagi/n/na3f4001b0cd2
もちろん痴漢冤罪を恐れる男性のほとんどは
「痴漢は犯罪だ。自分はそんなこと絶対にしない」と思っています。
だから冤罪が怖いんです。 
でもどうやら痴漢は、そんな善良な男性たちを、隠れ蓑にしているらしい。
痴漢や痴漢冤罪を恐れる人々を尻目に、痴漢だけが、喜んでいる。
私はそれが、 本当に、 気に食わないんです。

https://note.mu/kyonghagi/n/n84ee9a149bcf
だから私は、そんな冤罪を恐れる男性にこそ、
一緒に立ち上がってほしいと思っています。
あなたが、自分が痴漢するわけでもないのにビクビクさせられているのも、
元はと言えば、痴漢が悪いんです。
そして痴漢は、そんなあなたを、「隠れ蓑」として利用しています。

なぜ痴漢冤罪がありえるかというと、本物の痴漢がそれだけ多いからです。
本物が多いからにせものがまぎれ込みやすくなるわけです。
本物の痴漢が減れば、痴漢冤罪も必然的に減ることになります。

だれかが痴漢冤罪で摘発されれば、本当に利益があるのは、
ばれずにすんだ本物の「痴漢加害者」です。
その意味でも「痴漢加害者」は痴漢冤罪を恐れる人の敵になります。


バッジを考案したかた自身、痴漢冤罪で摘発されかけたことがあって、
痴漢冤罪の恐ろしさも、身をもって知っているということです。
電車通学をしていた中学時代。ドア付近に立っていたそんきょばさんは
女性から突然、痴漢加害者に間違われ、電車を降ろされた。
両手で漫画を開いて読んでいたことを説明し、
事なきを得たがショックは大きかった。

さらに考案したかたは男性の痴漢被害者の存在も知っています。
男性も被害者として痴漢の敵になりうるということです。
また学生時代には、男性の友人から「男性から痴漢被害を受けた」
という話を聞くことが何度かあった。
痴漢の被害者は女性だけではないことも踏まえている。



付記:

男性向けの痴漢抑止バッジの二次記事で、考案者が公認しているのは、
いまのところヤフーの小川たまか氏の記事だけです。
内容を確認する際は注意が必要とのことです。

(このエントリは、考案者自身のタンブラー、バッジ配布の公式サイト、
上述の考案者公認の記事だけをリンクしています。)




posted by たんぽぽ at 19:56 | Comment(4) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
たんぽぽさん、お久しぶりです。
男性向けの痴漢抑止バッジですか。素晴らしいアイデアですね。

>痴漢の被害者やその予備軍である女性ばかりが
痴漢の防衛を要求されるのは、おかしなことだと言えます。
本来は加害者の責任なのに、被害者にだけ責任を負わせることにもなるからです。

同感です。

ただ、本題から少しそれるかもしれませんが、以前から痴漢を含む性犯罪のニュースにおけるインターネット上での意見で気になっていることがあります。
それは、痴漢被害にあった女性を叩くコメントが多く見られると同時に、
痴漢等の疑いをかけられた男性が特定の属性である場合、
(例えば公務員・芸人・障害者・難民など) 冤罪か否かを問わず、

「特権階級の公務員だから無罪になったんだろ」
「芸人は反社会的集団、仲間同士でかばい合う」
「知的障害者は責任能力なしで無罪なんておかしい」
「これだから難民は。受け入れ絶対反対」

上記のように痴漢の疑いがある側が悪く書かれるケースが多く見られることです。
最近の例では、キングオブコメディ高橋健一の事件やドイツ・ケルンで起きた事件などが当てはまります。
これについて、たんぽぽさんはどう思われますか?
Posted by アイス at 2016年03月11日 23:37
アイスさま、コメントありがとうございます。

>男性向けの痴漢抑止バッジですか。素晴らしいアイデアですね

よくぞ作ってくださったと思います。
興味がありましたら入手してみてはと思います。


>痴漢等の疑いをかけられた男性が特定の属性である場合、
>(例えば公務員・芸人・障害者・難民など) 冤罪か否かを問わず、

そういうことがあるのですね。
痴漢報道に対してネットでどういう反応があるか、
それほどていねいに追ってないので、寡聞にして知らなかったです。

わたしが想像するに、そういうバッシングをするのは、
男性が多いのではないかと思います。
そのような彼らは、おそらく痴漢で摘発されることに、
強い不満があるのではないかと思います。

それで社会的地位のある属性に対してはルサンチマンで、
差別的に見ている属性に対しては差別意識で
「あいつらは不当に痴漢の摘発から逃れている」と
決めつけたがるのではないかと想像します。
Posted by たんぽぽ at 2016年03月12日 14:02
たんぽぽさん、返信ありがとうございます。

>わたしが想像するに、そういうバッシングをするのは、
男性が多いのではないかと思います。
そのような彼らは、おそらく痴漢で摘発されることに、
強い不満があるのではないかと思います。

>それで社会的地位のある属性に対してはルサンチマンで、
差別的に見ている属性に対しては差別意識で
「あいつらは不当に痴漢の摘発から逃れている」と
決めつけたがるのではないかと想像します。

おっしゃる通りでしょうね。

痴漢の疑いをかけられた男性が、社会的地位のある属性=公務員・芸人等なら「特権階級」「上級国民」、差別的に見ている属性=障害者・難民等なら「差別利権」「弱者利権」。
これらの言葉を使って叩く人々からは、被害者とされる女性に対する心からの思いやりは残念ながら感じられません。

ちなみに、「キングオブコメディ 高橋健一 痴漢冤罪」や、「ドイツ ケルン 事件」で検索すると、加害者と見なされている男性らへのバッシングは結構あります。
まぁえげつないコメントも多いですが。


Posted by アイス at 2016年03月12日 23:09
アイスさま、コメントありがとうございます。

>これらの言葉を使って叩く人々からは、
>被害者とされる女性に対する心からの思いやりは残念ながら感じられません

彼らはいかにして自分たちが性加害をしても、
摘発も批判もされず容認されることばかり考えているのでしょう。
被害女性なんて「黙ればいい」くらいに思っていると思います。

それでいて自分が気に入らない人を攻撃するときの
材料にはするのだから、ご都合主義だと思います。
(ふだん自分が性加害で批判されることの
強い不満の転嫁でもあるのでしょうけれど。)
Posted by たんぽぽ at 2016年03月14日 21:35
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