日本審査の民法改正についての、メディア報道を見ていきます。
一通りの報道はあると言えそうです。
「日本の夫婦同姓・マタハラ…女性差別撤廃、国連委が勧告」
「夫婦同姓・再婚禁止規定見直し 女性差別撤廃、国連委が勧告」(全文)
(はてなブックマーク)
「「傷負わせる発言控えて」 国連委 慰安婦問題日韓合意で」(1/2)
「「傷負わせる発言控えて」 国連委 慰安婦問題日韓合意で」(2/2)
「夫婦別姓・再婚禁止期間 国連委は「撤廃を」 夫婦別姓も改善促す」
(はてなブックマーク)
「夫婦同姓など「差別的」 国連委、日本に改正勧告」
「国連委員会 日本政府に民法規定の改正を勧告」
(読売は民法改正に関する記事は見つからなかった。産経は共同の記事を掲載。)
選択的夫婦別姓に関しては、2015年12月の夫婦同姓の強制を
合憲とした最高裁判決への言及が各紙ともあります。
以前から何度も選択的夫婦別姓を認めないのは差別的だと
繰り返し勧告されているのですから、現状の改善をしないことを
「合憲」としたら、それが注目されるのは当然と言えます。
http://www.asahi.com/articles/ASJ376GBPJ37UHBI028.html
昨年12月に最高裁が「合憲」とした「夫婦同姓」については、
「実際には女性に夫の姓を強制している」と指摘し、改正を求めた。
http://mainichi.jp/articles/20160308/ddf/001/010/005000c
委員会は、昨年12月に最高裁が夫婦別姓を認めない
民法の規定を「合憲」と判断したことについて
「実際には夫の姓を使うよう強制している」と指摘。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201603/CK2016030902000112.html
最高裁は昨年十二月に夫婦別姓を禁じた民法規定を「合憲」と判断したが、
七日の勧告は「女性に夫の姓を強制している」としてあらためて改正を求めた。
http://megalodon.jp/2016-0309-1620-43/www3.nhk.or.jp/news/html/20160308/k10010435581000.html
最高裁判所が憲法に違反しないという判断を示した、
夫婦別姓を認めない民法の規定について、
「女性に夫の姓を強制しており差別的だ」として、
速やかに法律を改正するよう求めています。
国連が明確に女性差別だと指摘している夫婦強制同姓制度に通称名を使えば良いと言って違憲判決を出さなかったのは大きいよな→「夫婦同姓や再婚禁止期間など民法の規定について改正を求め、「過去の勧告が十分に実行されていない」と厳しく指摘」https://t.co/N6EP50tKqX
— kazukazu88 (@kazukazu881) 2016年3月7日
女性だけに課された再婚禁止期間については、
6か月を100日に短縮してもまだ差別的でありすべて廃止せよ
という勧告が出ていることについて、どの記事にも言及があります。
現代の医学水準を鑑みて、欧米の民主主義国はほとんどどこも
再婚禁止期間はなくなっていますから、これも当然です。
http://www.asahi.com/articles/ASJ376GBPJ37UHBI028.html
6カ月の「再婚禁止期間」について、最高裁が「100日を超える部分」を
違憲とした判断についても、「女性に対してだけ、
特定の期間の再婚を禁じている」として、なお改善を求めた。
特筆したいのは、再婚禁止期間の存在が差別的だと
日本では認識されていないという批判があることです。
国連各種委員会から何度も繰り返し勧告を受けているのに、
「差別的と思わない」というのは、どういう意識なのかと思います。
女性のみに課されている再婚禁止期間について、
委員から「差別的だとされていないのは驚くことだ」などの批判が出た。
日本はまだ「慰安婦問題は、女性差別撤廃条約の締結以前に起きたことだ」とか主張してるのか。なんと破廉恥な!
— 盛田隆二⭐Morita Ryuji (@product1954) 2016年3月7日
結婚可能年齢に男女差があることや、女性のみに課されている再婚禁止期間について「日本では差別的とされていないことに驚く」と国連委。https://t.co/22sS8HeSlX
こんなていたらくだから、日本だけ「ガラパゴス」になっても
意にも介さず放置していられるのもあるのでしょう。
再婚禁止期間が存在することを、日本社会は差別的と思わない
というのは、前にも指摘があったことです。
「再婚禁止・残された100日」
諸外国の女性の再婚禁止期間を調べてみたんだけど、他国だとほぼ再婚禁止期間が無くて撤廃するに当たる議論で医療の進歩と一緒に必ず女性差別が決め手になったみたい。ニュースみても議論上に女性差別の話が出てこないの、日本だな〜と思うhttps://t.co/lCRN2kUbxs
— マメ・オーガニズム (@SoraMame_19) 2015年11月4日
もうひとつ特筆することとして、「以前の勧告」という
表現が繰り返し出てきたことがあるでしょう。
7日に公表された日本に対する最終見解には、
「以前の勧告」との表現が約10カ所も盛り込まれた。
過去の勧告が実行されていないことに対する委員会の懸念が表れた。
民法改正に関することは、勧告を無視して
放置を続けた歴史がとくに長いです。
今回の勧告でも「差別的規定を撤廃するという
見地からの前回勧告が実行されていないことを、
委員会は遺憾に思います」と言われているのでした。
「民法改正・国連の勧告の歴史」
夫婦別姓 女性再婚禁止期間/最高裁大法廷 何が問われる/民法改正促す違憲判断を http://t.co/P0aYzDjR2B /2015031703_01_0.html※民法自体が制度的差別。家父長制を思いっきり継承している。 pic.twitter.com/aCfN8KqQZm
— 計(ヒコクミン上等・遺書と抵抗) (@n2470haka) 2015年3月24日
日本政府や日本社会は、条約締結国は委員会の
勧告にしたがって、国内状況を改善するという
本来の主旨を理解していないことが大きいでしょう。
日本政府は、国連委員会の審査は、日本の現状をいかにして
言いわけするかの場だと思っているのでしょう。
「国連人権委員会・日本審査(2)」
付記:
3月8日朝日新聞の勧告についての要旨。