子どもを産むことが大切」と言ったことが話題になっています。
問題の校長は茨田北中学校の寺井寿男氏です。
発言のあった全校集会は2月29日ですが、
3月12日ごろからマスコミで話題になり出しています。
「「キャリア積む以上の価値」 「子は2人以上」発言要旨」
(はてなブックマーク)
「大阪市立中校長 「女性に大切…2人以上産むこと」発言」
(はてなブックマーク)
「「女性にとって最も大切なことは子どもを2人以上生むこと」
校長の発言めぐり物議 市教委は処分検討」
「「女性は2人以上産むことが大切」中学校長、全校集会で」
(はてなブックマーク)
「「子を産めない人は寄付を」 「2人以上」発言の校長」
「「2人以上出産」発言 校長、退職へ…大阪市教委方針」
(はてなブックマーク)
「「引くわ」「僕らに言われても」 校長のあの発言に生徒」
(はてなブックマーク)
全校揃った最後の集会になります。
今から日本の将来にとって、とても大事な話をします。
特に女子の人は、まず顔を上げて良く聴いてください。
女性にとって最も大切なことは、こどもを2人以上生むことです。
これは仕事でキャリアを積むこと以上に価値があります。
なぜなら、こどもが生まれなくなると、日本の国がなくなってしまうからです。
しかも、女性しか、こどもを産むことができません。
男性には不可能なことです。
「女性が、こどもを2人以上産み、育て上げると、
無料で国立大学の望む学部を能力に応じて入学し、
卒業できる権利を与えたら良い」と言った人がいますが、私も賛成です。
子育てのあと、大学で学び医師や弁護士、学校の先生、
看護師などの専門職に就けば良いのです。
子育ては、それほど価値のあることなのです。
もし、体の具合で、こどもに恵まれない人、結婚しない人も、
親に恵まれないこどもを里親になって育てることはできます。
次に男子の人も特に良く聴いてください。
子育ては、必ず夫婦で助け合いながらするものです。
女性だけの仕事ではありません。
人として育ててもらった以上、何らかの形で子育てをすることが、
親に対する恩返しです。
子育てをしたら、それで終わりではありません。
その後、勉強をいつでも再開できるよう、中学生の間にしっかり勉強しておくことです。
少子化を防ぐことは、日本の未来を左右します。
やっぱり結論は、「今しっかり勉強しなさい」ということになります。
以上です。
「こどもが生まれなくなると、日本の国がなくなってしまう」から、
「女性にとって最も大切なことは、こどもを2人以上生むこと」と
言っていて、典型的な「お国のために子どもを産め」です。
お国に都合がいいように「女性にとって大切なこと」を
決めているのであり、実態は「(この校長の考える)国家にとって
大切なこと」を述べているということです。
「お国のために子どもを産め」という思想がなにをもたらすかは、
極端ではありますが、共産主義時代のルーマニアの
チャウシェスク政権の「産めよ増やせよ」政策が
どうなったかを見れば伺いしれるというものです。
「「お国のために産め」の末路」
国家による家族や個人のライフスタイルの管理は、
全体主義国や共産主義国にきわだった特徴です。
全体主義国は一般に富国強兵策を採るので、
「産めよ増やせよ」に走るし、共産主義国では人口維持が
国力の維持と考えて、国家が厳格に家族管理をするからです。
「ナチスが迫害したレズビアン」
「独身税という少子化対策」
「共産主義国の反同性愛」
日本でも全体主義時代の「戦時人口政策」において、
人口を増やすために「結婚をいまより3年早くして、
子どもを5人産みなさい」という閣議決定までして、
「女のしあわせは結婚をして子どもを産むことだ」
という考えを、学校教育を通じて普及させたのでした。
「大政翼賛会の母性の保護」
自分がどう生きたいかとか、自分にとってなにが大切かとか、
なにが自分にとって価値があるかとかは、自分で決めることです。
なぜに高齢の男性という当事者性のまったくない他人によって、
「女性にとって最も大切なことは、こどもを2人以上生むこと」とか、
決められなければならないのかと思います。
http://www.asahi.com/articles/ASJ3D4SV1J3DPTIL008.html
関西大の赤尾勝己教授(教育学)の話
人生をどう生きるかは個人個人で考えることで、他人が指図するべきことではない。
社会には結婚をしたくてもできない人もいるし、
夫婦になっても子どもを産まないという選択肢もある。
今回の発言は、多様な生き方を否定するような発言だ。
特に公人であり、生徒と向き合う校長がこのような画一的・硬直的な
発言をしたことは、配慮を欠いた発言と言わざるをえない。
ライフスタイルの「あるべき」を決めると、
現在「あるべき」に当てはまらない人を否定することにもなります。
その中学にもたくさんいるであろうひとりっ子の生徒は、
「自分の母親は『女性として大切なこと』をしなかった」と
言われることにもなるわけです。
絶対その中学には一人っ子もいるはず。その子に対して「お前の母親は人としての義務を怠った」と言ったも同然なんですけどこの発言。これを理由に一人っ子いじめるやつとか出てくる可能性もあるのに。 / “「女性は2人以上産むことが大切」中…” https://t.co/EyGkQX4abq
— 城伊景季 (@white_cake) 2016年3月11日
校長の発言が男女で非対称であり、女子生徒に対してだけ
「最も大切なことは、こどもを2人以上生むこと」
「仕事でキャリアを積むこと以上に価値があ」るなどと言って
ライフスタイルに口を挟んでいることも、もちろん問題です。
子どもは女性だけでは産み育てることはできず男性も必要です。
女性の生きかたが「お国のため」と言うなら、
男性の生きかたも「お国のため」であるとして、
男子生徒にも同じことを言ってしかるべきです。
この校長は男子生徒にも子育ての大切さを説いてはいるのですが、
女性の補佐的な役割にとどまっています。
「子育てのあと、大学で学び医師や弁護士、
学校の先生、看護師などの専門職に就けば良い」とか
子育ては「仕事でキャリアを積むこと以上に価値があります」と
いったことは、男子生徒に対しては言っていないです。
ここに「少子化は産まない女の問題」という
女性差別的な人口問題観が現れていると言えます。
個人のライフスタイルのありかたを社会で統制することを、
学校教育の場において校長という、生徒の前では絶対的な力のある
立場で語っていることが、さらに深刻だと言えます。
主張の内容自体が問題思想であることはもちろんですし、
子どもたちが自分の未来を自分の力で自由に選び取れるよう
支えることが、本来の教育的配慮であると考えられるからです。
当の校長はなにが問題かわからないと言わんばかりです。
「お国のために女に産ませる」「国家のための個人や家族」という
考えで当たり前になっていて、疑問を感じなくなっているのでしょう。
http://www.asahi.com/articles/ASJ3D4SV1J3DPTIL008.html
寺井寿男校長(61)が12日、朝日新聞の取材に応じ
「人口が減るなかで、日本がなくならないためには女性が子どもを産むしかない。
間違った発言とは思わない」と述べた。
この校長は「出産を強いてはいない」とも言っています。
これだけ「子育ては女性にとってキャリア以上に大事」とか
「価値がある」とか、「子どもを育てることは恩返し」とか、
教育者の立場で生徒に言えば、「女は子どもを産まなきゃだめ」と
圧力をかけていると言わざるをえないです。
出産や子育てへの価値観が多様化し、キャリアを求めたり
望んでも子どもを産めなかったりする女性がいることは認め
「出産を強いているわけではない。
子育てが楽しいということを伝えたかった」と話した。
今頃になって言い出すということはよほど認識がボケボケか、女性の権利を抑圧することの方が大事か、あるいはその両方ですよね。
最近は、女性の権利を抑圧する形で少子化対策を進めたがってる人は
「現代日本の状況を追認して女性の権利を優先したら子どもは増えない」
ってことを意識してるかしてないかを問わず、感づいてるんじゃないかと思ったりしています。
>今頃になって言い出すということはよほど認識がボケボケか、
>女性の権利を抑圧することの方が大事か、あるいはその両方ですよね
その両方の人は、いまだに結構多いのではないかと思います。
その手の発言をする人は、後を絶たないですし。
「穴開きコンドームを配れ?」
http://taraxacum.seesaa.net/article/403043179.html
「子どもを産んで国家に貢献?」
http://taraxacum.seesaa.net/article/427176760.html
「伝統的家族で出生率回復?」
http://taraxacum.seesaa.net/article/430888815.html
なにをなすべきかちゃんと認識している人のほうが
むしろ少数なのではないかと思います。
>「現代日本の状況を追認して女性の権利を優先したら子どもは増えない」
感づいているというか、結構はっきりそう思っているかもしれないです。
もっと露骨にその手のことを言う人もいますね。
こうした人たちは、「現代日本の状況を追認」をやめようとは、
絶対に思わないのですよね。
「女性の権利と格差と少子化」
http://taraxacum.seesaa.net/article/406086274.html
人口問題の議論になると、「反フェミ」が出てきて
効果的な家族政策の反対に躍起となるのが相場だと思います。
「反フェミ」がしゃしゃり出るということが、
ご指摘のことを示していると思います。
で、ある時期から急に「日本マンセー」的な、いかにもネトウヨが言いそうな話ばかりし始めて、その最初が仁徳天皇の話をしだしたころだといおうので
「仁徳天皇の呪い」
とかいわれているとか、まあ、ツイッター情報ですが。
いい年して「ネットde真実」しちゃったんでしょうかねえ。
ただ、これがジョークで終えられないのがネットの問題点かも知れません。
教師なんて世間知らずだといってしまえばそれまでですが、還暦を迎える人生経験豊富なはずの大人で、しかも教育者という知的な職業についている人間が、そうそう容易く影響されてしまうわけですから。
>私物の旭日旗を学校に上げたりとかいろいろやらかして
わたしもちょっと前に知りました。
相当に「あっちの世界」の人のようですね。
「「2人以上出産」校長 休日校門に旭日旗 大阪市調査へ」
http://mainichi.jp/articles/20160318/k00/00m/040/123000c
>「仁徳天皇の呪い」とかいわれているとか、
ツイッターの検索にブックマークがついてますね。
http://b.hatena.ne.jp/entry/twitter.com/search?q=%E4%BB%81%E5%BE%B3%E5%A4%A9%E7%9A%87%20%E6%A0%A1%E9%95%B7&src=tyah#tab-new-bookmarks
>いい年して「ネットde真実」しちゃったんでしょうかねえ
あるときからきゅうにおかしくなり出したとしたら、
ネットをやり出して「目覚めた」可能性はありますね。
>そうそう容易く影響されてしまうわけですから。
ずっとネットに触れてなかった人が、あるときからネットをやり出すと、
その手の言説に対する免疫ができていないので、
影響されるというのはありがちだと思います。
もともとそういう方向に行きやすい思想の持ち主では
あったのかもしれないですが。
そういうリテラシーの人だとネットの差別的言論を見て、
「まともな世論が存在する」と誤信することもあるでしょう。
でしょうねえ…。
『昔は10人くらいポンポン産んでたんだ!』
『臨月まで働いて、産んだらすぐ野良に出て働いてたんだ!』
っていうね。(生まれた子の内、半数は生きられない)
昔から乳児の死亡率の高さとか、女性の健康を大きく損なうことは度外視していたし、
これからもそのつもりなんでしょうねえ。
産んではいけない年齢で産ませられるとか、
産んだら生きていけないとか、
産んだら社会復帰できないとか、
産んで働きたくても預け先が無いとか、
産まれても誰も生かしてくれないとか、
産め産め言うだけで、その子が育つ為のリソースは一切さきたくないんでしょうね。
女に責任を押しつけて解決した気になっていたいんでしょう。
うまくいかなければ、『全部産まない女が悪い』で済むし。
だれに責任があろうが、実際子供が増えなければ解決しないんですけど、それは。
私にはピンと来ませんが、『みんな○○が悪い』で思考停止するのは
案外楽しいものなのかも知れません。
『○○が悪い』には『自分』は入らないのだから。
>ネットで真実
にくすぐられる人は知能関係無く、そういう思考に親和性が高いんでしょう。
すんごい不思議ですけどね。
(っていうか、作り手がそういう思考回路をしてるんだろうな)
>トンデモ施策の数々
いやー、改めて並べられると圧巻ですねー。
こういうのが続くのって、やっぱり「人口再生産」のコストを身を以て実感出来ないような、既得権益層中高年男性が政治のマジョリティであるってのも大きいんじゃないかな、と思います。
山尾議員が国会質疑で匿名ダイアリーを取り上げたのも、インターンをしている女子大生の意見を汲んだ要素が結構あるみたいですから、
「若い女性の声をもっと国会に届ける!」
くらいのつもりでいないといけませんね。
http://blogos.com/article/166733/
>女性の権利と現代日本社会の現状
現代日本社会の現状で上手く回ってないのなんて別に少子化問題に限らないんですから、現状追認にこだわることないのになー、と思うんですけどね。
上野千鶴子氏と小倉千加子氏の対談本である「ザ・フェミニズム」の中で、
「日本を滅ぼすのはフェミじゃなくて、旧来型の価値観を内面化しながら「実現させてくれる男性がいません」という女性」
という旨のやりとりがされてたはず(手元に本がないのでうろ覚えですが…)です。
あの本の出版、10年以上前なんですよね。なんだかなー、と思っちゃいます。
>あやめ様
はじめまして。こちらにたまーに訪問して適当なことを書き散らしている者です。
結婚・出産適齢期と言って差し支えないだろう年代の人間ですが、田舎で生まれ育ったり、親戚付き合いが濃密だったりする関係で、出産にまつわる『昔』の価値観にも触れることがちょくちょくあります。
例えば、
・母の兄弟には、現在存命の兄弟の他に、死産か夭折かで育たなかった兄弟が2人いる
・現代医学からすれば安静にしていないと危険な妊婦に、妊婦の祖母が「だらだらしているんじゃない」とぐちぐち言う
・「子どもは最低でも3人は作るよね?」発言
みたいな。
>『臨月まで働いて、産んだらすぐ野良に出て働いてたんだ!』
という状態では、どれだけ流産が出たり、障害を抱えて長く生きられない子どもが生まれたのかはあんまり考えたくないですね。
ただ、昔は経済が今より牧歌的だった(「家業」的な働き方が普通だった)ので、「働く」と言っても身体のことを考慮した軽作業・軽労働で許されたことが多いんじゃないかな、と思います。
農作業も、結構そういう付随作業が発生しますし。
今は資本主義が先鋭化しすぎちゃってる感がありますからね。
この状態で『昔』の価値観に沿った育児を顕現させるとか、悪夢でしかないと思います。
病気や障害のある女性には、子どもを産む権利/義務がある/ないのか、
1人目が障害児なら、2人目を産むべき/産むべきでないか、
この校長に聞いてみたいです。
また、病気や障害とは違いますが、少子化解消のため女性に出産を奨励する人々の中にも、所得の低い家庭の夫婦が子どもをたくさんつくると、それはそれで「無計画」だと言う人がいて、じゃあどうすればいいんだ、という気持ちになります。
>昔から乳児の死亡率の高さとか、女性の健康を大きく損なうことは度外視していたし
「お金がないなら終戦直後の感覚に帰って子育てしろ、
当時は貧乏でも子だくさんだった」なんて、
無責任きわまりないことを言った起業家がいましたね。
「終戦直後の感覚に帰れ?」
http://taraxacum.seesaa.net/article/407406699.html
「終戦直後の感覚に帰れ?(2)」
http://taraxacum.seesaa.net/article/407726309.html
敗戦直後なんて中絶や捨て子が多く、孤児院がたくさん
建てられたのですが、そういうことはご存知ないみたいです。
>産め産め言うだけで、その子が育つ為のリソースは一切さきたくないんでしょうね
「産む」だけでなく「育てる」必要があることも、わかってないと思います。
現代社会はむかしより高度な教育を要求されますから、
学費がたくさんかかる、ということもわかってないみたいです。
>うまくいかなければ、『全部産まない女が悪い』で済むし
>私にはピンと来ませんが、『みんな○○が悪い』で思考停止するのは
そういうのこそ「人のせいにする」と言わざるをえないですね。
しかも責任を押し付ける「他人」はたいてい社会的弱者です。
彼らが基本的に社会的強者中心の既得権維持であることを
示しているとも言えるでしょう。
>>トンデモ施策の数々
>いやー、改めて並べられると圧巻ですねー
探せばわたしのブログだけでも、まだあると思います。
(長谷川豊とか取り上げたことがありますし。)
>山尾議員が国会質疑で匿名ダイアリーを取り上げたのも、
>インターンをしている女子大生の意見を汲んだ要素が結構あるみたいですから、
>http://blogos.com/article/166733/
こちらはご紹介ありがとうございます。
女子大生のインターン生の意見なんて、既得権益層の中高年男性は
とりわけ聞く機会がない、もしくは聞く気がないでしょうね。
>現状追認にこだわることないのになー、
現状で回ってない状況が見えないか、
現状によほど安住しているかのどちらかでしょう。
それが既得権益者たるゆえんなのではありますが。
>「日本を滅ぼすのはフェミじゃなくて、旧来型の価値観を内面化しながら
>「実現させてくれる男性がいません」という女性」
当該女性も既得権益者であろうとする人の側になりますね。
必要な変革の妨害をして、社会の凋落を引き起こすのは
いつでも旧時代の既得権にしがみつく人というのは
歴史がしめす「相場」だと思います。
>あの本の出版、10年以上前なんですよね。
20年以上前の議論さえ、いまだに有効だと思います。
それくらいむかしから議論はされているのに
状況が変わっていないということですね。
「少子化対策の無策と愚策」
http://taraxacum.seesaa.net/article/406182892.html
>どれだけ流産が出たり、障害を抱えて長く生きられない子どもが生まれたのかは
もともと死産率や夭折率が高かったですし、
「少なくない子どもがそうなる」というのが当たり前になっていて、
さほど疑問を感じなかったのではないかと思います。
後述のように妊産婦の仕事は軽めだったことは考えられますが。
お返事ありがとうございます。
はじめまして、最近こちらにお邪魔しております、あやめと申します。
ご丁寧なご挨拶を頂きまして恐れ入ります。
>出産にまつわる『昔』の価値観
ご紹介のようなお話は(現実はともかく噂として)未だに聞きますね。
その地域や家族の中に出産が軽く済んだ例があったりすると、それが常識化されて
例えば「私は寝込んだりしなかった」と言って、母親が娘の産褥を早めに切り上げ
させたりするとか、ありそうですね。
それでなくとも医療や衛生、母体の健康等の理由から、当時は産んだ子供のうち
一人二人育たなかったという例は特別ではなかった、と聞いています。
もちろん農家に限らず、地方ごとや各家によって女性の待遇が違って当然ですし
一例をもって全てではない、ということも認識しています。
しかし全体に見ればこうした状況と引き換えの、『昔は(子供がたくさんいて)良かった』
だったということで。
しかしそれにしても、この校長のスピーチ、改めて気持ち悪いですね。
2/3が女子生徒だけに「子供産め産め」「将来の夢より子供を産むことを優先させましょう」
残り1/3の半分でやっと男子生徒に「女子が子供を産む為にサポートしてあげましょう」
さらに残りの半分で「今はしっかり勉強しましょう」。
この校長、「一部分だけを取り上げるな。全部読めば問題が無いことがわかる」
と言っていたようですが、いや何が言いたいのかは明々白々じゃないですか。
これがまかり通る空気感、力関係が働いているのがはっきりわかりますね。
女性に何かを要求する時に「こうして下さい」ではなく「これこそが君の使命だ」
という風に説明するとか、自分の欲求を女性に「あたかも自らがそう望んでいる」
風に反映させる、あの態度はいったい何なんだろうと思います。
(女性≒女の子の夢は片っ端から壊していくのとは対照的)
リアルネット問わず「女」に対して頭から「教える」「導く」っていう姿勢でコミュニケ
ーションを取ろうとする人は多い。
年齢立場知識の多寡関係なく、女だ、と認識したとたんスイッチが切り替わるの
すごい不思議。
「女=蒙昧無知」っていう図式が、個人の経験を超えて、世代を超えて共有化されていて、
それが個人の内面にとどまらず社会に反映されている。
そうした思想によって作られた社会に、弱者のリソースが食い尽くされて、いよいよ保たなく
なってきている、と感じています。
>病気や障害のある女性には、子どもを産む権利/義務がある/ないのか、
>1人目が障害児なら、2人目を産むべき/産むべきでないか、
>この校長に聞いてみたいです
そのあたりの意見も気になりますね。
(あたりさわりのないことでお茶を濁すのかもしれないです。)
子どもの持てない人については、育てればいいとか、
寄付をすればいいとか言っていますね。
>少子化解消のため女性に出産を奨励する人々の中にも、
>所得の低い家庭の夫婦が子どもをたくさんつくると、
>それはそれで「無計画」だと言う人がいて
これを少し思い出しました。
http://lacrima09.blog.shinobi.jp/Entry/641/
そういう人は当たり前のように、子どもを育てられるだけの
じゅうぶんな所得が得られると思っているのかもしれないです。
そういう人は経済的事情で子どもが持てない人が多い
という現状を、わかっていないでしょうし。
「お金がないなら終戦直後の感覚に帰って子育てしろ、
当時は貧乏でも子だくさんだった」なんて言う人も、
低所得者が実際に子どもを持つと「無計画」なんて
言ったりするのかと思います。
「終戦直後の感覚に帰れ?」
http://taraxacum.seesaa.net/article/407406699.html
「終戦直後の感覚に帰れ?(2)」
http://taraxacum.seesaa.net/article/407726309.html
>医療や衛生、母体の健康等の理由から、当時は産んだ子供のうち
>一人二人育たなかったという例は特別ではなかった、と聞いています
きょうだいがたくさんいると、下のほうの子は
「余計な存在」となって、他家に里子に出されたけれど、
のちに上の子がみんな早死にしたので呼び戻された
なんてこともあったりしますよね。(夏目漱石がそうですが。)
>この校長のスピーチ、改めて気持ち悪いですね。
「お国のために子どもを持て」というのは明らかですし、
男女で非対称なのも明らかですしね。
それらが問題だということが、そもそもわかっていないのだろうと思います。
>「一部分だけを取り上げるな。全部読めば問題が無いことがわかる」
よくある言いわけですよ。
全部読むと、余計に問題含みだとわかるのが相場なのですよね。
>自分の欲求を女性に「あたかも自らがそう望んでいる」
>風に反映させる、あの態度はいったい何なんだろう
聞こえをよくするのもあるだろうと思います。
「強制しているのではない、意思を尊重しているのだ」と、
言えるようにしているということでしょう。
「性産業に自発的に従事する女性もいる」というのを
やたら強調するのとも、相通じるものがありそうです。
出産は自由であり強制や圧力をかけてはいけない
という社会的コンセンサスがとれたのが非常に大きいですね。
日本人はこれを忘れないでほしいですね。
少子化対策は若くて産みたい人に産ませるべきです。
>>トンデモ施策の数々
いや、お腹いっぱいです。
黙っててもブックマークに浮上してきますしね…流石に笑えません。
>女子大生の声
与党の主流派は、「自分達にとって都合の悪い」女性の声は極力聞きたくないんじゃないかと思います。
若い娘であれば、なおさら。
流石に、今回の騒ぎは対応せざるを得なかったみたいですけどね。
>現状追認にこだわる人々
小金持ちくらいなら現状のまずさに多少なりとも心当たりはあると思うんですけど…
「社会に関わる大損より、自分が小さく損をしないことが大事」
って、見事なまでに合成の誤謬ですね。
既得権益層の価値観にしがみつきたがる女性は…よっぽどの大物を除けば「痛々しい」というのが最近のあたしの感想です。
>「少子化対策の無策と愚策」
あたしの社会科の教科書でも少子化問題は扱ってましたから、その程度の蓄積はその時点であった、ってことですものね。
少子化問題よりも価値観外交に力を入れてるあたり、まだまだお花畑の幻影でも見えてるんじゃないでしょうか、政府首脳陣は。
>「昔は良かった」?
昔と比べても、初潮年齢は大分早くなったんですよね。
http://hiko.hus.osaka-u.ac.jp/hinorin/introduction.pdf
ここ20年くらいの低年齢化はあんまり健康的な要因じゃないらしいのですが、それ以前の低年齢化は、基本的に栄養状態の改善によってもたらされたものです。
そのような、さほど栄養状態の良くなかった昔の女性の妊娠・出産がたまに上手くいかないのは割と当たり前のことだったのでしょうね。
産科医が出産に関与し出したのも歴史的には割と最近ですし、「悲しいけど度々あること」だったのではないかと。
いきなりのお声かけでしたのに、お返事ありがとうございます…!
>出産にまつわる『昔』の価値観
今もしぶとく生きているからこそ日本社会の今があるのだとは思いますが、結婚・出産適齢期に親族の口から出てくると、ちょっとぎょっとしますね。
今のところ、あたしの血縁周りで産褥を早めに切り上げさせられた、みたいな話は聞いたことはないのですが。
実はあたしは曾祖母と一緒に生活していたこともありまして、生前の彼女から「15で嫁いだ」という話を聞いてもいるのですが、じゃあ曾祖母がそれからすぐに何人も子どもを生んで育てているかというと、意外とそうでもないんです。
やっぱり、栄養状態とかその他諸々、昔は昔なりの事情があって、昔の出産・育児事情は手放しで礼賛出来るものじゃないんですよね。
>校長のスピーチ・女性への視線
ほんと、女の側だけに背負わせるものが多すぎ、偏り過ぎですよね。
男だろうと女だろうと個人が知ることの出来る領域なんてたかがしれてはいますし、女性は「差別されているが故に」物事を俯瞰する能力を養う機会から疎外されてきた歴史もありますけど、流石に「自分の生存」に関わる物事を考える能力は当然備えているわけで。
だからこそ多くの適齢期の女性が「産めない」「何人も子どもは持てない」と考えているんですけどね。
少子化問題の議論に限らず、女性に自律意思があると困るかのように議論の論立てをする人は、ネットではあまりにも多いですね。頭にきます。
あなたをコメント投稿をお断わりにします。
「投稿お断わりのお知らせ(4)」
http://taraxacum.seesaa.net/article/436090356.html
わたしやわたしのブログについて、このような誹謗中傷をしておいて、
よくここにコメントできると思います。
あなたが今後、わたしのブログの内容に理解があるようなことを
コメントしても、もうなにも信用できないです。
http://tamagodon.livedoor.biz/archives/51923263.html
========
3. m13 2016年03月29日 15:39
どうもはじめまして。
誕生日おめでとう御座います。某たんぽぽのブログからきました。
しかしここは良い気が流れていますね。
いい文章を書こうとして書くと良い気がで出るんですよ。
安心しますよ、向こうと違って。向こうは不気味過ぎます。
最近某白田川という人がネタとしか思えない書き込みをしていましたが、
不気味なものは不気味なものを呼び寄せるということが良く分ります。
それにしても男叩きなんてそんなに面白いものでしょうか?
いい年して男叩きが趣味だなんて欧米では、
貧しい人生だね、と言われてしまうのでは?w
もうライフワークになっているのでしょうね。
フェミは麻薬です。そのうち禁止されるかもしれませんw。
========
わたしのブログが「不気味過ぎ」るというなら、
なぜこうやってわざわざ来るのかと思います。
もう来なければいいだけのことです。
そして「良い気が流れてい」るところへ行けばいいと思います。
>与党の主流派は、「自分達にとって都合の悪い」女性の声は
>極力聞きたくないんじゃないかと思います。
>若い娘であれば、なおさら
「オンナコドモの意見」と思って、軽視してもいそうです。
>今回の騒ぎは対応せざるを得なかったみたいですけどね
第二の「消えた年金」事件になると思ったからみたいです。
彼らなりにリスク管理に敏感になっているのでしょう。
「「保育園落ちた」政権の対応(2)」
http://lacrima09.blog.shinobi.jp/Entry/1219/
>あたしの社会科の教科書でも少子化問題は扱ってましたから、
>その程度の蓄積はその時点であった、
とうのむかしに議論はなされていて、
なにをなすべきかなんて、わかっていたのですよね。
なぜわかっているのにやらないかと言えば、日本社会に染み込んでいる
女性差別と排外主義をやめなければならないからですね。
歴史的失策のレベルに入っているんだけど、
そういう認識の人は「少子高齢化をなんとかしなきゃ」と
それなりに思っている人でも、あまりいなさそうです。
「顧みられない家族政策」
http://taraxacum.seesaa.net/article/421743986.html
>少子化問題よりも価値観外交に力を入れてるあたり、
「歴史的失策」を推進した張本人なので、それと向き合いたくないのでしょう。
「価値観外交」のほうもかなり怪しいですね。
「価値共有」と言うなら、ジェンダーギャップ指数の順位を、
欧米の民主主義国並にしてもらいたいものです。
>昔と比べても、初潮年齢は大分早くなったんですよね。
>http://hiko.hus.osaka-u.ac.jp/hinorin/introduction.pdf
ご紹介ありがとうございます。
やはり栄養状態が向上して、成長が早くなったのですね。
むかしのほうが死産や夭折が多かったのも、
こうしたことからもわかると言えますね。
>さほど栄養状態の良くなかった昔の女性の妊娠・出産が
>たまに上手くいかないのは割と当たり前のことだったのでしょうね
戦後に入ってからの、健康面における状況改善と、
それによる妊娠・出産のリスクの低下はかなりのものがあると思います。
この点については「むかしはよかった」なんて、ぜんぜん言えないと思います。
>少子化問題の議論に限らず、女性に自律意思があると困るかのように
>議論の論立てをする人は、ネットではあまりにも多いですね。
人口問題も含めて社会全体が、女性の自由意志を制限し、
女性を犠牲にすることで成り立ってきたことを示している
ということだと思います。