2016年04月10日

toujyouka016.jpg 匿名記事・反発する人たち

匿名記事「保育園落ちた日本死ね」は大反響だったのですが、
当然のように反発する人たちも多数現れています。

「「保育園落ちた日本死ね」」
「「保育園落ちた」集会と署名」
「平沢勝栄・匿名記事に論難」

そのうちのいくつかを見てみたいと思います。
全体の傾向としては、福祉否定の自己責任論で共通していると思います。

 
渡部昇一: 日本は末端まで社会主義が浸透している
石原慎太郎: 韓国でも中国でも行けばいい
堺屋太一: イスラム国に行ったらいい

「「保育園落ちた日本死ね」に、石原慎太郎さん「韓国でも中国でも行け」 
堺屋太一さん「イスラム国へ行け」」

(はてなブックマーク)


渡部昇一氏と石原慎太郎氏は、説明がいらないかもしれないです。
「欧米の民主主義国へ行け」ならよかったかもしれないです。

堺屋太一氏は「若年出生率を高めるために、
子どもを産んだ高校生に学校がお金を配ればいい」
などという「少子化対策」を主張したことがあります。
堺屋太一氏のかかる珍説は、アメリカ合衆国の多様な面を
つまみ食いしたのではないかと想像します。
家族政策のことなんて、本質的にわかっていないのだろうと思います。

「どこの出生率が高い国?」
「どこの出生率が高い国?(2)」


曽野綾子: 4畳半一間で暮らせばいい

「曽野綾子さん「保育園落ちた日本死ねは自己中」
「4畳半一間で暮らせば奥さん働く必要ない」」

(はてなブックマーク)


かつて南アフリカ共和国にあった人種隔離政策を評価していた
曽野綾子氏は「女は出産したら仕事を辞めろ」などと言う人です。
子どもを持つ女性のことなどまったく無理解なのでしょう。

「曽野綾子の違和感のメモ」
「曽野綾子の違和感のメモ(2)」

「4畳半発言」はこちらでも触れられています。

「「未来」への「呪詛」。」


田中裕太郎: 「死ね」というほど日本が嫌なら、日本に住まなければ良い

「田中ゆうたろう杉並区議「事情はどうあれ、
「死ね」というほど日本が嫌なら、日本に住まなければ良い」」



田中裕太郎氏は、3年前も待機児童のことを書いて
ブログが炎上した自民党の杉並区議です。
「子育ては本来は家庭で行うもの」とか「お願いです。
私達の子育てをどうか手伝って下さいと頭を下げるのが
親のマナーだ」などと書いたのでした。

「待機児童でブログ炎上」


山田宏: 生んだのはあなたでしょう、親の責任でしょ

「山田宏・元次世代の党幹事長、「保育園落ちた日本死ね!」
ブログは「落書き。親の責任でしょ」」



次世代の党から出馬したかたです。
これもわかりやすい自己責任論だと思います。
今度は自民党から出馬するというので話題になっています。


長谷川豊: 保育園落ちたは稚拙!

「何でもかんでも国のせい、行政のせい、自治体のせいって…(涙)」


長谷川豊氏は周回遅れの議論で、効果的な家族政策を否定する人です。
内容が陳腐なので炎上目的だと言うかたもいます。

「また専業主婦願望問題」
「女性管理職が少ない理由」
「アメリカの保育事情」


藤沢数希: 世界中で教育と福祉の発展に尽くした
ヘレン・ケラーさんの生涯を思い出せ


女性を外見と性交の対象としか見ないのに、「本物の恋愛」などと
言っている、あの恋愛工学を普及させている藤沢数希氏です。

「恋愛工学が話題らしい」
「愛を証明しようと思う?」


石井孝明: 生きるのは原則自己責任だと思います

「また石井孝明か…」


かなりストレートな自己責任論です。


斎木陽平: 保育園落ちたの自業自得だ


安倍晋三首相のご親戚のかたです。


なぜ「いかにも」な人たちがつぎつぎと出てきて、
保育園問題について論難をつけたがるのかと思うところです。
「オンナコドモ」にものもうされたくないとか、
「オンナコドモ」に振り回されたくないという反発も、
こうした人たちにはあるのではないかと、わたしは思います。


安倍政権でさえ、口先だけは「少子高齢化は大変だ」と言っているし、
格好だけは「少子化対策」を行なっています。
団塊ジュニアが出産適齢期を過ぎて、すでに「手遅れ」とされるのに、
ここに列挙した人たちは「口先だけ」「格好だけ」でさえ、
家族政策に理解がある態度を示そうとしないわけです。

人口政策に関しては日本は20年以上無策と愚策を続けてきて、
「歴史的失策」の域に入っていると言えます。
彼らにかかると半永久的に「歴史的失策」を続けかねないと思います。

「顧みられない家族政策」


家族政策についてかくも無理解な意見を堂々と言ってのける人が、
これだけたくさんいて、メディアでも露出するのですから、
このような意見は相応の支持があるということだと思います。
日本社会は少子高齢化に対する危機感が
依然としてまるでないということだと思います。




posted by たんぽぽ at 16:06 | Comment(2) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
老害だわね
Posted by うがんざき at 2016年04月12日 14:35
コメントありがとうございます。

彼らの介護も「自己責任」でお願いしたいものです。

発言者は高齢者だけど、もっと若い世代の人たちにも
賛同者はたくさんいるのではないか、というのがわたしの危惧です。
Posted by たんぽぽ at 2016年04月12日 22:14
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