「報道の自由度」のランキングが発表されました。
日本は2015年の61位から、またまた順位を下げて72位です。
「報道の自由度、日本は72位 国際NGO「問題がある」」
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5段階評価では真ん中の「問題がある」です。
危険水域に入ったと思います。
「良い状況」「どちらかと言えば良い」「問題がある」「厳しい」
「とても深刻」の5段階では、日本は「問題がある」に位置づけられた。
過去の日本の順位の推移は以下のようです。
安倍政権に入ってからの順位の下がりかたが激しいです。
2013年から毎年最低記録を更新しています。
【民主主義の危機!】安倍政権下で報道の自由度ランキングがさらに低下
— emi kiyomizu (@kiyomizu5) 2016年4月23日
https://t.co/yZxdhpKTDw pic.twitter.com/vliId7P1Ym
過去最高は2010年の11位です。
ついで2009年の17位、2012年の22位で、民主党政権時代は
報道の自由度が高く良好だったことがわかります。
日本の72位はかなり危険な状態と思われたようです。
報告書でも日本に対する言及があったのでした。
国連「表現の自由」の特別報告者のデイビッド・ケイ氏も、
「報道の独立性が重大な脅威に直面している」とまでコメントしています。
「報道の自由度、日本の転落止まらず 海外から厳しい指摘」
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日本の報道をめぐっては、「表現の自由」に関する
国連特別報告者のデービッド・ケイ氏
(米カリフォルニア大アーバイン校教授)が調査のため来日。
19日の記者会見で「報道の独立性が重大な脅威に直面している」と指摘した。
デイビッド・ケイ氏の指摘については以下の記事で見ることができます。
とうとう国連から直じきに言われるようになったと思います。
「国連「表現の自由」特別報告者「懸念は深まった」記者クラブ廃止など提言【発言詳報】」
(はてなブックマーク)
【要旨】
・放送法、特定秘密保護法は改正を
・メディア横断組織を設立し政府からの独立性強化を
・構造的に政府機関との癒着を招く記者クラブは廃止すべきだ
・高市早苗総務相は面会を断る
・自民党の憲法改正草案は「表現の自由」の観点から問題
国連や外国メディアによる批判は2013年12月の特定秘密保護法と、
安倍首相、安倍政権によるメディアへの圧力に関することが多いです。
はっきり言ってくれたと思います。
これはおおかたの予想どおりだと思います。
特定秘密保護法について、「定義があいまいな『国家機密』が、
厳しい法律で守られている」とし、記者が処罰の対象になりかねない
という恐れが、「メディアをまひさせている」
(アジア太平洋地区担当のベンジャマン・イスマイール氏)と指摘した。
その結果、調査報道に二の足を踏むことや、
記事の一部削除や掲載・放映を見合わせる自主規制に
「多くのメディアが陥っている」と報告書は断じた。
「とりわけ(安倍晋三)首相に対して」自主規制が働いているとした。
海外メディアも、米ワシントン・ポスト紙が先月の
「悪いニュースを抑え込む」と題した社説で、
政府のメディアへの圧力に懸念を表明。
英誌エコノミストも「報道番組から政権批判が消される」と題した記事で、
日本のニュース番組のキャスターが相次いで交代したことを紹介した。
安倍政権になって日本の報道の自由度がどんどん落ち込んでいく
という状況は、安倍政権がメディアに対して
なにをしてきたかを見れば、明らかなことだと思います。
安倍首相は高級レストランで記者たちを接待することを
繰り返していて、いわゆる「買収」に余念がないです。
この程度で「買収」されるメディアもていたらくだとは思いますが。
「安倍氏が著名なメディア関係者を食事に招待した回数は歴代首相を超え、就任後17カ月間ですでに36回に達している」 http://t.co/QizlyDFNRU 。メディア関係者もこんなだけど http://t.co/zWucX1CWY3 。買収されて悪びれない
— たんぽぽ (@pissenlit_10) 2014年11月15日
安倍首相は記者会見の際、事前に記者たちに
質問内容を提出させる「出来レース」会見をしています。
これは2015年10月の国連総会の記者会見で、
難民受け入れについての質問が出たときにはっきりしたことです。
アメリカの記者が「自分の国では記者倫理違反だ」と驚いたくらいです。
「予定外だった難民の質問」
「米記者から「出来レース」批判された安倍首相国連会見」
ドイツの東京特派員が日本の外務省から
報道圧力をかけられたことが、話題になったこともありました。
日本の歴史修正主義を批判したことが直接の原因です。
アメリカ合衆国の主要紙の特派員に対しても、
日本の外務省は似たようなことをしています。
「特派員「外務省が記事を攻撃」 独紙記者の告白、話題に」
「ドイツのあるジャーナリストの日本論」
2015年12月に上述の国連「表現の自由」の特別報告者の
デイビッド・ケイ氏による日本への公式調査訪問が予定されていました。
ところが日本政府の都合で急に中止となったのでした。
日本の表現の自由に関して厳しい勧告を出される
可能性が高いので、拒んだことが予想されます。
「国連「表現の自由」に関する特別報告者が突然来日を延期。
日本政府が土壇場でキャンセル」
最たるはやはり2013年12月に成立の特定秘密保護法です。
情報公開の国際基準である「ツワネ原則」に反すると言われ、
国内だけでなく国際社会からも批判されているのでした。
「特定秘密保護法のメモ」
2015年6月の「自民党文化芸術懇話会」で、そこに集まっている
自民党議員やら百田尚樹やらが、マスコミに圧力をかけるべき
という趣旨の発言を、相次いでしたことがあったのでした。
「「マスコミ懲らしめるには…」文化芸術懇話会の主な意見」
これが彼らおよび政権の本性ということなのでしょう。
自民党・安倍政権はそもそもが報道の自由を嫌い、
自分たちに都合の悪いメディアには圧力をかけることが当然と
考えているのだろうと思います。