2016年07月02日

toujyouka016.jpg 日本会議・別姓反対小史(3)

6月29日エントリ6月30日エントリの続き。
朝日新聞の記事、日本会議による選択的夫婦別姓反対小史です。

「日本会議研究 下 家族編 別姓反対 「広げた」運動」

日本会議と家族をめぐる主な動き

 
>2010年

民主党政権になって2010年、選択的夫婦別姓の実現が
かなり現実的になっていました。
これを阻止するために、日本会議はまたまた組織力を動員した
大規模な署名活動や集会を展開することになります。

10年に、民主党政権下で夫婦別姓を認める法案が
提出されそうになると、再び反対の署名活動をしたり
地方議会での決議を働きかけたりした。
都内で5千人規模の集会も開いた。

2010年ごろは、選択的夫婦別姓の実現はあと一息
という状況でしたし、日本会議としては最も苦境の時期であり
必死だったのではないかと想像します。


都内で開いた5000人規模の集会というのは、
「夫婦別姓に反対し家族の絆を守る国民大会」なるものです。

「[夫婦別姓問題] 夫婦別姓に反対する国民大会 (概要・運動方針)」

「夫婦別姓に反対し家族の絆を守る国民委員会」運動方針
一、選択的夫婦別姓制度を含む民法改正を阻止するため
五百万国民署名運動に取り組む。
一、夫婦別姓法案提出撤回を各党に要望すると共に
過半数の国会議員の反対議員署名の獲得を目指す。
一、家族の絆を守るため反対の地方議会決議を推進する。
一、政府に対して旧姓を通称として使用するための法的整備を働きかける。

この集会に参加した人が書いたブログエントリもあります。

「5100人が夫婦別姓反対国民大会に集結!」



この集会は、わたしもブログで取り上げています。
日本会議が主催したものだったのですね。
以下のエントリを書いたときは、ぜんぜん知らなかったです。

「反対派の集会」
「卑怯な面々」

ほかにも取り上げたかたがいらっしゃります。

「「夫婦同姓論者」の中の「卑怯な面々」」

例によって言い古された根拠のとぼしい反対論を
展開している集会だとは思ったのですが、
こんな強力な圧力団体のものだとは思わなかったです。
主張内容はくだらないですが、影響力は相当のものだったということです。

この集会は当時鳩山政権の閣僚だった亀井静香が
参加していたことが大きいと思います。
亀井静香が閣議決定に応じなかったことで、
民法改正法案が提出できずじまいだったのでした。
民主党政権で選択的夫婦別姓が実現しなかったことに対する
亀井静香の「功績」は莫大なものがあります。

「反対派の勢力」
「首相、夫婦別姓法案で閣議決定に応じるよう要求 亀井氏明かす」


>反対の決議をした自治体

日本会議によると、1996年以降、15県議会と400超の市区町村議会が
選択的夫婦別姓につして慎重・反対の決議をしたという。

自治体の決議は、わたしはマークしていなかったです。
簡単に調べてみましたが、おおむかしに意見書を出した自治体もありますが、
やはり2010年に意見書を出した自治体は目立ちます。
これらは日本会議が圧力をかけたのでしょう。

「夫婦別姓制度の拙速な導入に反対する意見書」
(香川県、2002年3月)

「選択的夫婦別姓制度の導入に反対する意見書」
(茨城県、2010年)

「選択的夫婦別姓制度の導入に反対する意見書」
(滋賀県、2010年6月)

「選択的夫婦別姓制度の導入に反対する意見書」
(島根県、2010年6月)

「選択的夫婦別姓のための民法改正に反対する意見書」
(愛媛県今治市、2010年3月)

「選択的夫婦別姓制度の導入に反対する意見書」
(長崎県大村市、2010年3月)

「「選択的夫婦別姓を認める民法の一部改正」に反対を求める意見書について 」
(奈良県天理市、2010年9月)

「15県議会と400超の市区町村議会」という発表は、
「180万の署名」のようなごまかしはなさそうです。
こういうあきれたけしからん決議や意見書を出す自治体は、
全部調べて記録しておきたいものです。

posted by たんぽぽ at 21:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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