最大の争点は、改憲4党(自民、公明、おおさか維新、日本のこころ)に、
改憲の発議を可能にする3分の2の議席を与えるか、だと思います。
「2016参院選」
改憲4党の合計が1議席だけ3分の2に届かなかったこと、
自民党が単独過半数に届かなかったこと、
民進党が党勢を回復したと言えるだけの議席を取ったことが、
わたしにとって特筆することです。


改憲4党の合計は77議席(自民56、公明14、おおさか維新7)でした。
3分の2の162議席を超えるには、4党の合計獲得議席が
78以上必要ですから、1議席だけ足りなかったことになります。
改憲勢力に3分の2以上の議席を取らせないという、
立憲勢力の目標はかろうじて達成できたことになります。
昨年の暮れから今年の初めにかけての予想はどこのメディアも
改憲4党の獲得議席の合計は78を超えるというものでした。
立憲4党(民進、共産、社民、生活)は1人区に候補者が
決まっていない選挙区もたくさんある状況でした。
そこからここまで来たと思うと、かなり健闘したと思います。
「参院選・野党の過酷な現状」
安倍政権としては、足りないのは1議席だけなので、
非改選の無所属議員に働きかけるなどして、簡単に多数派工作で
3分の2の議席を確保することはできるだろうと思います。
今後は改憲の実現に向けて、積極的かつ具体的な
議論をするようになることが予想されます。
自民党が単独過半数の議席を得られなかったことも、
わたしにとっては大きいです。
自民党の獲得議席は56で、非改選の65と合わせて121、ちょうど半分です。
(神奈川の無所属候補を追加公認で加えています。)
現在の自民党の党勢を考えると、自民党の単独過半数も
ありそうだったので、それを防いだのは、
立憲4党としては健闘したと言えるでしょう。
これで成立が困難になる法案も出てくると思います。
「自民、単独過半数回復ならず!「海外派兵事前承認案」の阻止に希望 」
参院では1989年に自民党が大敗して以来、
単独で過半数の議席を得た勢力がないのでした。
参院はもともと単独過半数を取りにくい選挙制度ですが、
圧倒的な強さを誇る安倍政権をもってしても、
単独過半数の壁はなかなか越えられないようです。
改憲勢力で3分の2に届かなかったとはいえ、
ふつうの意味ではこの選挙は自民党の勝利となるのでしょう。
獲得議席56というのは、前回2013年の65より9議席も少ないですが、
それでも全体の議席は6増えています。
安倍晋三は2012年に政権をとって以来、
いままでずっと選挙で負けたことがないのですよね。
2012年の衆院選、2013年の参院選、2014年の衆院選、
2016年の参院選と現在4連勝中です。
2013年の東京都議会選も入れれば5連勝です。
しかも毎回圧勝で、これは驚異的なことだと思います。
選挙で大勝できるだけの支持を、長く維持しているということだからです。
あの小泉純一郎でさえ、まともに選挙に勝ったのは
2001年の参院選と2005年の衆院選の2回だけです。
安倍政権の支持を切り崩すのは、まだまだ難しいことになりそうです。
民進党が32議席を獲得して、前回2013年の17議席を
大きく上回る獲得議席となったことも、大きいと思います。
改選議席は43なので、11議席減ったことになります。
これはふつうの意味では大敗なのでしょうが、
前回より15議席も多く取っているのですから、
かなり躍進したということだと思います。
昨年暮れの予想では、民主党は23議席獲得でした。
ここからかなり大健闘したことになります。
6月のはじめには民進党は30議席獲得という予想がありました。
30議席を超えないという予想もあったので、
32議席獲得は、予想を上回る大健闘ということになります。
「参院選・野党の過酷な現状」
「参院選・擁立状況と選挙予想」
下野から3年半にして民進党はようやく
「党勢が回復した」と言えそうな議席を獲得したと思います。
2012年の衆院選以来、選挙のたびに壊滅的大敗と言ってよい
議席しか取れなかったからです。
今回の選挙は、客観的には自民党の勝利であり、
野党の敗北となるでしょうし、いろいろとご意見や不満のあるかたも、
いらっしゃると思います。
それでも改憲4党の合計議席が3分の2と、
自民党の単独過半数をかろうじてながら防いだし、
民進党が事前の予想を上回って、党勢を回復したと
言えるだけの議席を取ったのでした。
わたしとしては、まんざらでもないくらいには思っています。
2010年の参院選以来、選挙では連戦連敗でいつも悲惨な気分を
味わってばかりだったので、ひさしぶりにちょっとだけ
納得できる結果の選挙となったというところです。
野党共闘で一人区で結果を出したのも大きいし、今後に期待したいですね。
>野党共闘で一人区で結果を出したのも大きいし
野党共闘がじゅうぶん効果を
発揮することがわかったことも大きいですね。
1人区なんて、自民党がほとんど全部取って当たり前のところですからね。
3分の1以上の選挙区で野党が取るのは大快挙だと思います。
安倍政権はいよいよ改憲に手をつけられそうになって
油断がならなくなったけれど、将来の希望が見えてきた部分もある
ということだと思います。
>公明党の改憲に対するスタンスは、
公明党は最初は反対の姿勢を示すだろうけれど、
最後は自民党に同調するのではないかと思いますよ。
いままでの様子を見てもたいていの政策でそうなので、
改憲だけ態度が違うということはなさそうに思います。
>安倍のもくろみは一筋縄ではいかないと思う
改憲を政治課題に乗せれば、世論のあいだでも
議論が盛んになるし、異論や反発も出るだろうと思います。
その意味で簡単には進まないだろうとは思います。