2016年07月13日

toujyouka016.jpg 参院選・複数人区で民進復調

7月11日エントリと、7月12日エントリの続き。
7月10日の参院選についてです。

「2016参院選」

今度は複数人区について見ていきたいと思います。
民進党は全部で14議席獲得(占有率34.1%)ですが、
2013年の10議席(占有率23.8%)よりはいくらか議席を取っていて、
ある程度復調していると言えそうです。

それでもほとんど朝日新聞の選挙情勢調査通りの結果になり、
立憲4党はそれほど健闘したとは言えなさそうです。
自民と公明の候補はほぼ全員が当選しているので、
与党の切り崩しにはいたっていないレベルです。

 
各党の獲得議席 (2016年参院選)

最初に注目したいのは、民進党がふたり当選した複数人区が3つあることです。
2013年はふたり当選の複数人区はゼロでした。
ふたり当選の選挙区が出てくる程度には、
民進党は支持が回復したことになります。

愛知と北海道で、民進はふたり当選しています。
定数が3から4に増えた愛知と、2から3に増えた北海道で、
それぞれ民進が2議席獲得して、自民に勝ち越しています。
増えた議席を自民に取られずにすんだということです。
基盤の堅いところは、結構復調していると言えそうです。

愛知は自民と公明を合わせて2議席なので、
改憲勢力対立憲勢力では引き分けです。
北海道は、改憲勢力の議席は自民党の1なので、
これは立憲勢力の勝ち越しです。
立憲勢力が勝ち越したただひとつの選挙区です。


東京でも民進は2議席獲得しています。
蓮舫のトップ当選は、依然として支持が堅いことを示したと思います。
民進のふたりめは小川敏夫で、6位でかろうじてすべりこめました。
2013年はふたり共倒れで民主の議席はゼロという
悲劇的状況でしたから、今回は復調したと言えるでしょう。

東京で改憲勢力が獲得した議席は自民2と公明1の3、
立憲勢力は民進2と共産1で合わせて3なので、
改憲勢力対立憲勢力では引き分けになっています。


埼玉は2013年は民主党はゼロ議席なので、
今回1議席だけでも取ったのは、まがりなりにも躍進なのだと思います。
千葉は民進が候補者をふたり立てて、一時期は共倒れの
可能性もあったので、1議席だけでも取れたのは、
いちおうよかったのだろうとは思います。

定数4の神奈川で、立憲勢力は民進の1議席だけで
自民と公明で合わせて3議席取ったのは痛かったと思います。
定数が4のところは2議席確保して、引き分けに持ち込まないと、
かなり厳しいことになるでしょう。

民進党が議席を取れなかった複数人区は大阪と兵庫の2選挙区です。
これらはおおさか維新の基盤が堅いところなので、
おおさか維新が強いところ以外で、全部議席を取ったとも言えます。
前回2013年は5選挙区で民主党の議席がゼロでしたから、
空白の解消もだいぶ進んだと言えます。


自民と公明は北海道以外のすべての3人区以上で、
合わせてふたり以上当選しています。
民進党ないし立憲勢力が自民・公明にかなうには、
3人区以上で2議席以上確保する必要があることになります。

今回は1議席でも取れるかどうかというレベルでしょうから、
これはこれでやむをえないとは思います。
今後は複数人区、とくに3人区以上でいかに議席を
伸ばすかが、課題になると思います。

ふたり当選できるだけの支持が回復していないなら、
候補者のひとりを野党統一候補にして、
共産党などの票を集めるというのもひとつの選択だと思います。


はなはだゆゆしいのは、民進党ないし立憲勢力の
議席がゼロだった大阪兵庫です。
これら2選挙区は自民と公明以外の議席を全部おおさか維新が取り、
改憲勢力が合計7議席を独占しているからです。

大阪では民進はひとりしか候補者を立てていないですが、
得票は最下位当選者の半分程度となっています。
共産の候補者が次点ですが、それでも最下位当選者とは
得票で水をあけられています。

おおさか維新は分裂して小さくなったとはいえ、
本拠地の大阪・関西ではまだまだ強い支持があることになります。
民進党や立憲勢力としては大阪・関西をどうするか、
特別な対策が必要ということになるでしょう。

posted by たんぽぽ at 23:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 選挙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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