かなり「あっちにいってる」ことがわかったので、見てみたい思います。
「頼もしい日本人作り」
(はてなブックマーク)
2000年の記事なので、いまから16年前のものですが、
以下のツイートを見る限り、現在もこのあたりの考えは
あまり変わっていなさそうです。
バンキシャで先ほど小池氏は
— ボビー=ヒロタケ=イトウ 改憲阻止 (@bobby_muntan) 2016年7月24日
「以前『少子化の原因は頼りになる男性が減ったこと』だと言っていたが、この考えに変わりはないか」という質問に「最近の男性はシャイ。その辺も変えていかなければ」と答えました。政治家が他人の考えを変えていいものなのでしょうか?#小池百合子#都知事選GO
小池百合子に言わせると、少子化が進むのは、
「頼もしい男が減っているから」(!)だそうです。
女性には「シンデレラ・コンプレックス」があるからだそうですが、
なにを根拠にこんなことを言うのかと思います。
問題は、今時の女性が結婚に価値を見いださず、
結婚したいと思わなくなったことにある。
「この人の子供を生みたい」という気にならないことにある。
社会心理学的には、女性はどんなに社会的、経済的に強くなったとしても、
どこかで、誰かに守ってもらいたいという
「シンデレラ・コンプレックス」を持つものである。
ところが、最近の男性は女性化する一方で、
むしろ自分が守ってもらいたいような母性愛を求める傾向が強いようだ。
このすれ違いこそが女性に結婚や出産を
思いとどまらせる原因となっているのではないか。
つまり、頼もしい男性が決定的に減っていることこそが、
少子化の最大の原因というのが小池説である。
結婚しない理由で多いのはよく言われるように経済的事情です。
内閣府の「家族と地域における子育てに関する意識調査」によると、
「結婚を決心する状況」でもっとも回答の多いのは、
「経済的に余裕ができること」です。
「未婚・晩婚化の意識調査」
「若い世代で未婚・晩婚が増えている理由」という設問も
いちばん多い回答は「独身の自由を失いたくない」ですが、
次に多いのはやはり「経済的事情」となっています。
子どもを持つ人が減っているのは、仕事と育児を両立できる
環境が整備されないことと、経済的事情が解決しないからです。
上述の内閣府の意識調査でも「今後、子どもを持つ場合の条件」で
回答数が多いものは以下の6つですが、2.と5.は「経済的問題」、
1.4.6.は「仕事と子育ての両立」に関することです。
「子どもを持つ場合の条件」
−−−−
1. 仕事と子育ての両立
2. 教育に対する経済的負担
3. 健康上の問題
4. 保育所の整備
5. 雇用の安定
6. 配偶者の家事、育児への参加
−−−−
6月11日エントリでも、わたしは次のように書いています。
「保育園落ちた日本死ね」の記事が象徴するように、
女性が仕事と子育てを両立できる環境整備はいまだに遅れています。
出産した女性がパートに回されることも横行しています。
子どもがいる女性の賃金格差は大きいです。
長時間労働を始め既婚男性中心の労働環境も残っているし、
男性の家事への参加もとぼしいです。
「「保育園落ちた日本死ね」」
「出産でパートに回される」
「子を持つ女性の賃金格差」
「WLBと女性管理職の割合」
「女性管理職と長時間労働」
「家事をしない日本の男」
子どもを産み育てるための経済的負担や時間的負担は
あいかわらず大きいことになります。
とくに雇用や賃金に関することの女性の不利は、
20代であればなおさら厳しいと思います。
20代の出生率が上昇する要因は取り立ててないと言えます。
「男女&雇用形態別年収分布」
「女は結婚で年収が減る」
「男女別正規・非正規雇用の数」
小池百合子が想定するような「頼もしい男性」のように、
男性に「男性性」「マッチョ」が求められる社会、
もっと言えば「男らしさ」「女らしさ」といった
因習的なジェンダー規範が強い社会は、出生率が低くなります。
「マッチョ主義と出生率」
「男性が強い「マッチョな国」では子どもを産まない女性が増える」
先進国では特に、ドイツ、イタリアのTFRが低いですね。
この2ヵ国と日本に共通するのが、
もともと父系が強い「マッチョな社会」である点。
私は密かにこの現象を、女性たちの「静かな革命」と呼んでいます。
数値を見ていると、男性が優位な社会で我慢を強いられてきた
女性たちによる、「もう子どもを産むだけの人生ではない」という
意思の表れのように見えるのです。
因習的なジェンダー規範は女性に「母」としての役割と求め、
また女性が男性並みにキャリアを持つことをよしとしないです。
よって、子どもを持つ2大条件である「経済的問題」と
「仕事と育児の両立」の両方の解決を阻害することになるからです。
子どもを持つ人を増やしたいなら、男性に期待することは、
家事や育児に積極的に参加することだと思います。
日本の男性は家事・育児時間が国際的に見てとても短いです。
これが子どもを持つ人が増えない原因のひとつということです。
「家事をしない日本の男性と家族思想信仰」
上述の内閣府の意識調査でも、子どもを持つ場合の条件として
多い回答に「6. 配偶者の家事、育児への参加」があります。
また夫の家事・育児時間が長いほど、ふたり目の子どもを持つ
割合が高くなるという調査もあります。
「夫の家事・育児と第二子」
女性都知事がこのタイミングで誕生するとは思いませんでしたよ。
右派もずいぶんジェンダーフリーになってるんですね!
>頼りがいがある男性が減った
>日本人男性はシャイ
>変えていかなければ
『違う、そこじゃない。』
個人の心に土足で踏み込むことに躊躇なさそうな感じが嫌なんだよなあ…
そこが支持されたんだろうけど。
こちらにコメントありがとうございます。
>右派もずいぶんジェンダーフリーになってるんですね!
保守や右翼は意外と女性登用していたりするのですよね。
もともと女性差別的な主張をしているので、
女性を前面に出したほうが得という判断も入るのだと思います。
>>日本人男性はシャイ
>>変えていかなければ
>『違う、そこじゃない。』
「シャイ」が「草食化」ということでしたら、
女性にとってはむしろ好ましいのではないかと思いますよ。
夜遅くに男性とふたりきりになっても、
襲われないということですからね。
>個人の心に土足で踏み込むことに躊躇なさそうな感じが嫌なんだよなあ…
個人の心に権力が介入することを、当然のように思っているようですよね。
そのせいもあってか、少子高齢化対策も「精神論」を主張していますし。
http://lacrima09.blog.shinobi.jp/Entry/1309/
>そこが支持されたんだろうけど
ある種の有権者のあいだでは、そういうのが支持されるのではないか、
ということは、わたしも感じています。
個人的にもっとも恐れた人物が当選してしまいました。
まぁそれが都民の選択なんだから仕方ないですね。次の戦争でも提灯行列をやることでしょう。(真珠湾攻撃の際に実際にやりましたから、自発的に)
それはともかく。
自分は少子化対策なんてすごく単純なことだと思うのです。
だって子供が笑顔でいられるようにすればいいんだから。子供が笑顔でいるためには、親が笑顔でいる必要がある。親が笑顔でいるためには、不安がなければいい。子供を生んでも不安がないことがわかれば、子供、作れるでしょう?
ではどうすれば不安はなくせるののか。
お金もそうでしょうけど、それ以上に周囲の理解なんじゃないのかな、と思います。子供を生んでもキャリアが途切れない環境、少しの不便を子供たちのために許容する寛容さ。
電車の中で子供が泣いているのを、舌打ちでにらむような気持ちが、少子化を促進させているような気がしてならないのです。
子供は無条件で愛されるべきです。社会で子供を育てるなんて大きな話じゃなくていい。ただほんの少しだけ、やさしくなればいい。
たったそれだけのことなんじゃないかな。
>個人的にもっとも恐れた人物が当選してしまいました
選挙情勢の報道を見ても、小池当選は必至だと思ったけれど、
ここまで大勝するとは思わなかったです。
>自分は少子化対策なんてすごく単純なことだと思うのです。
>だって子供が笑顔でいられるようにすればいいんだから
>子供は無条件で愛されるべきです。社会で子供を育てるなんて大きな話じゃなくていい。
>ただほんの少しだけ、やさしくなればいい
アルフォンソ・キュアロンの『トゥモロー・ワールド』
という映画を連想しますね。
「赤ちゃんにきびしい国」
http://taraxacum.seesaa.net/article/388862303.html
18年間子どもがまったく産まれなくなり、
恐慌状態からテロや内戦に明け暮れるようになった世界、
そこでとつぜん聞こえてくる赤ちゃんの泣き声に、
荒んだ人びとの心が洗い流されるというお話です。
これはフィクションだから極端だけど、
いまの日本でももっと子どもは歓迎されていいはずなのですよね。
それだけ将来の人口減少に対する危機感が
乏しいのもあるのでしょうけれど、
「コドモのことなんてくだらない」と、
子どもを邪険に扱う意識もあるのだろうと思います。
先生にはビシバシとだらしない男共に指導していただきたい。
弱い男はどれほど許されざる存在なのか、
草食だの絶食だの最低最悪のろくでもない男共が増えて腹立たしいですね!