小池百合子が大勝で当選となりました。
291万票以上獲得で、次点と大差をつけています。
「2016東京都知事選」
「小池氏、無党派層にも浸透 女性初の都知事誕生」
「東京)小池百合子氏が混戦制す 都知事選」
「小池氏 党派超え得票」(全文)
次点は自民、公明推薦の増田寛也ですが、179万票にとどまりました。
立憲4党推薦の鳥越俊太郎は135万票で、小池の半分にも満たない得票です。
もっと接戦になるかと思っていたので、
こんなに水をあけられるのはちょっと意外でした。
選挙戦中盤から、小池百合子がどんどん伸びていったようです。
鳥越俊太郎の135万票はかなりお粗末だったと思います。
2014年の宇都宮健児の98万票、細川護煕の96万票よりは多いですが、
2011年の東国原英夫の169万票、2007年の浅野史郎の169万票
よりは少ない得票数です。
自民分裂というめったにない好条件のもとで
野党共闘したにもかかわらず、共闘しないときよりも
かえって少ない得票に終わったわけです。
この結果は深刻に受け止めることだと言えます。
支持政党別の投票先を見てみることにします。
鳥越俊太郎は民進支持層の56%、共産支持層の67%しか票を得られず、
民進の28%、共産の19%が小池百合子に投票しています。
支持層の9割前後の票を固めた参院選の1人区とは
だいぶ違って、都知事選では支持層の票を
固め切れていないことになります。
野党共闘がふじゅうぶんに終わったと言わざるをえないです。
無党派層の投票先は半分以上が小池百合子であり、
鳥越俊太郎は2割以下にとどまっています。
選挙序盤の世論調査では、「小池に投票する」は3割超え、
「鳥越に投票する」は2割以上でした。
選挙中盤以降、明らかに票が小池百合子に流れ、
鳥越俊太郎は伸び悩み、むしろ票が逃れたことになります。
有利な候補者に付和雷同する「バンドワゴン」効果が起きたのでしょう。
http://www.sankei.com/politics/news/160718/plt1607180007-n2.html
全体の4割近くを占める無党派層では
「小池氏に投票する」との回答が最多で3割を超えた。
鳥越氏も2割以上の支持を得たが、無党派層の4人に1人は
投票先を決めておらず、各候補が選挙戦を通じて
どれだけ無党派層に浸透するかも勝敗を左右しそうだ。
鳥越俊太郎の敗因については、野党共闘がふじゅうぶんに
終わったことと、無党派層から票が取れなかったこと、
このふたつについて考察することになると思います。
付記1:
年代別の投票先を見ると、鳥越俊太郎は20代でわずか10%と、
ほとんど票が取れていないことがわかります。
若年層でなぜ支持が得られなかったかについても
考察が必要になってきそうです。
「東京)都知事選/小池氏、全年代で首位」
付記2:
投票の際にもっとも重視したこと別の投票先です。
鳥越俊太郎は「支援する政党や団体」意外の理由では、
あまり票が取れていないことがわかります。
政策もさほど評価されていないです。
小池百合子はとにかくうまかった。それが自分の感想です。
決定づけたのは秋葉原の演説じゃないでしょうか。あれでうまく若年層を誘導し、その後の追求もうまくかわした。
さらに西東京を回って舛添との違いをアピール。
それ以上にうまかったのは、自分が反主流であるかのような演出でしょう。これで反鳥越の宇都宮支持者を取り込んだ。
とにかく小池百合子がうまく立ち回ったという印象しか残らない都知事選でした。
それと比べて野党陣営の稚拙さよ。
まず鳥越ありきで何ができるというのか。森進一連れてきたからなんだって言うの?何がしたいのかわからないやつにいれるほど、都民の票は安く見られたわけですか。都民をバカにしたのは鳥越です。これで勝てるわけがないでしょう。
まぁそれ以上に自分が絶望したのは、桜井がトップ5に入ったことですが。
>小池百合子はとにかくうまかった。それが自分の感想です
>とにかく小池百合子がうまく立ち回ったという印象しか残らない都知事選でした
小池百合子が最初に出馬を表明したときは
泡沫に近いと思われていたけれど、
本人は勝算があってのことだったのでしょうね。
(ここまで大勝するとは思ってなかったかもしれないですが、
かなり善戦するくらいには思っていたのでしょう。)
>自分が反主流であるかのような演出でしょう。
>これで反鳥越の宇都宮支持者を取り込んだ。
「自民党の内紛」のようには、あまり思われなかった感じですね。
「小泉劇場」のようなものに弱い有権者は、
まだまだたくさんいるということかもしれないです。
それと、日本新党時代のイメージで止まっている人も、
結構いるのかもしれないです。
宇都宮支持者で反鳥越になった人についても、
反既存政党主義に陥っているのではないかとか、
いろいろと分析はされています。
これについては、ちょっと触れるかもしれないです。
>それと比べて野党陣営の稚拙さよ。
>まず鳥越ありきで何ができるというのか。
野党陣営に関しては、時間の不足が大きかったと思います。
野党共闘できる候補者を探してくるだけで、
手一杯だったのではないかと思います。
鳥越俊太郎は政策面でも弱いところがあったし、
急に候補者にさせられたの感があったと思います。
「与党も酷いが、じゃあ野党に何があるのかと言えば、何も無い」という話。
小池氏の”演出”はそんなに受けが良かったんですね。
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http://bylines.news.yahoo.co.jp/sendayuki/20160726-00060369/
見事である。都知事選に出馬をすると意思表示をしたら、自民党の「オジサン」たちに無視される。
会釈しても、会話もあいさつも成立しない。そこで頭を下げ続ける小池さん。もうこれを見たら、私も
「小池さん、頑張って!」という心理が刺激されてしまった。
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私は正直この程度で都民を(ミソジニー男達を、)ダマせるとは思いませんでしたが。
(普段なら、女性というだけで「生意気!」、あの演出も「あざとい!」くらいのバッシングが起きたはず。)
しかし要は、結局は、
「都民は、小池氏と日本会議の関係を知らないからじゃなく、知ってるからこそ、小池氏に投票した」。
これが本当のところで、野党が弱いとかはあまり関係無いと思います。
選挙戦略の失敗でしょう。
私は今回の都知事戦は、図式として、アメリカの大統領選に良く似ていると思いました。
トランプ氏 → 小池氏
ヒラリー氏 → 鳥越氏
サンダース氏 → 宇都宮氏
のような。
”バーニー”サンダース氏と宇都宮氏は、未だに彼を推す支持者が多いところが共通しています。
違うのはサンダース氏はヒラリー氏を大統領候補指名を提案し、民主党の結束を呼びかけたところ。
「共和党に政権を渡してはならない。今回の選挙はそれを最優先とする。団結しよう」と。
私はこの戦略は理に適っていると思います。
ネット議論でも、腐るほど見てきているじゃないですか?
「反対するなら代案を出せ!出せないなら反対するな!!」
こう言う人が、代案を認めたことがありますか?
私は、小池氏への批判だけで野党は票を取れたと思っています。
「小池氏が都知事になったら東京はこうなる。都政を渡してはいけない」で充分。
小池氏はトランプ氏とどっち?っていうくらいの危険思想の持ち主でしょう。
例えば、すでに《やっちまってる》ヒトラーやポル・ポトがもし現代に甦って選挙に出たとして、
対案が無ければ反対できないですか?彼らに政権を取らせてはならない!で充分じゃないですか?
(それでも惹かれる人はそもそもそういう思想の持ち主で、もっと対案が必要無い人=何を言っても無駄=でしょう。)
一見無党派層に見えても、リベラルを標榜していても、「政策は…?」っていう人は、
じゃあ各党の政策の何を見ていたのか。結局は”都知事選劇場”の上っ面を見て、
「小池さん、頑張って!」
と、1票を投じてしまったのではないでしょうか?
なんだかんだ言って日本の選挙はいっつもイメージ先行。
「自民党をぶっつぶす!」「マニフェスト」「あの国民的スター立候補!」。
パッと目を引くキャッチーな合い言葉、耳慣れないかっこよさそうな言葉、大好きな(だった)あの人なら…
これが政策ですか?
>「都民は、小池氏と日本会議の関係を知らないからじゃなく、
>知ってるからこそ、小池氏に投票した」
それは結構言われることだし、実際そうなのではないかという気が、
わたしもしています。
女性の権利に反対する女性のときだけは、
ミソジニー男たちは熱心に支持しますしね。
>”バーニー”サンダース氏と宇都宮氏は、
>未だに彼を推す支持者が多いところが共通しています。
>違うのはサンダース氏はヒラリー氏を大統領候補指名を提案し、
>民主党の結束を呼びかけたところ。
それもよく言われることだと思います。
宇都宮の支持層が鳥越支持でまとまりきらなかったことは、
鳥越惨敗の原因の一端だと思います。
>一見無党派層に見えても、リベラルを標榜していても、「政策は…?」っていう人は、
>じゃあ各党の政策の何を見ていたのか。結局は”都知事選劇場”の上っ面を見て、
「政策は?」という批判は、野党やリベラルに対して
とくに厳しいように、わたしも思います。
政策がしっかりしていたら、今度は「イメージがよくない」とか
「知名度が低いのが問題」とか言って、
野党やその候補者を叩くのではないかとも思います。
過去に実際そういう批判があったと思います。
それで政策を多少犠牲にしても、イメージや知名度で
候補者を選ぶようにしたのも、あるように思います。
先のコメントは、もとよりその意図はありませんでしたが、aka21さまに対して
感情的に反発するような内容となってしまいました。大変失礼致しました。
たんぽぽさま
お返事ありがとうございます。
実のところ、都知事選後の総括記事やそれに言及する各種SNS等での、
鳥越氏個人への激烈な拒絶反応を目の当たりにして、大変驚きました。
ジャーナリストとしての鳥越氏に、特に好印象を持っていた訳ではありませんが、
小池・増田両氏に比べればまだしも、良識に期待でき、身辺もクリーンだろうと。
宇都宮氏の動向に関しての反発はあるにしても、それほど根深いものと思っておらず、
政策論争について言えば、しょせん似たり寄ったりの絵に描いた餅。
(あえてまだ何も決めていない分、むしろ都民の声を聞いて考えるという
柔軟性、一人一人の声が届きやすい候補、という好意的解釈をしてみる。)
例の女性問題については、この社会の”いつもの反応”を考えれば()
瑕瑾にすらならない()だろうと踏んでいました。
(本件の被害者女性の苦悩を否定する意図はありません。)※
案に相違して、これほど被害女性の証言が全面的に信頼された()ことには、
正直、大変驚きました。
性暴力被害に苦しむ全ての人にとって、これは大変心強い()反応だったのでは?
ぜひ法曹界はこの都民の反応()を、よくよく勘考して頂きたいものです。
しかし、血も涙も無い本音を言ってしまうと、これは事実がどうあれ関係無く、
『鳥越を潰せるなら、”男をハメた女”にも同情してやる』
という反対勢力の「戦略」に過ぎないのでしょう。
そうまでして野党候補を退けたい人々の、意思がはっきり現れた選挙だったと、
私は危機感を持って見ています。
性別党派を度外視してでも、なるべく右派思想の強い者。
(小池氏は、なんだかんだで今現在も自民党を除名になっていないですね)
次善で自民。
左派/リベラルに取られるくらいならネトウヨの方がはるかにマシ。
また、その選択をした人々が無党派層だというのも恐ろしい。
《直接利益を得ないのに》、《むしろ不利益を被ることの方が多いのに》、
そう考える人がいる、という事態には足元の地面が崩れていくような不安を感じています。
被害者女性のケアは現在どうなっているのか気になります。
記事によると、文春が告発記事を出すのに踏み切ったのは、夫からの告発とあります。
http://newsmatomedia.com/torigoe-shuntaro-3#2016721
週刊文春の記事。報道の経緯。
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古い話がなぜ蒸し返されたのかというと、A子さんには当時付き合っている彼氏がいた。
心に深い傷を負ったA子さんから話を聞いた彼氏が怒って鳥越氏を呼び出し、
鳥越氏は「反省している。もうテレビから引退する」といったというのだ。
その後、彼氏とA子さんは結婚している。鳥越氏のことは思い出さないようにしていたのだが、
今回の出馬で彼はこう覚悟したという。
「私がこうして告白したことで、妻はまた苦しむでしょう。それでも、あの男が都知事になることだけは許せません」
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これに追随して(文春より先に取材していた)週刊新潮が続報を掲載。
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鳥越氏の振る舞いについて、「週刊新潮」は取材を進めていたが、
A子さん側の「やはり、記事にしないでほしい」との強い希望で、
掲載は見送りに。
だが、鳥越氏が都知事候補にふさわしいかを考える判断材料として、
13年前のA子さんの証言の掲載に踏み切る。
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これって、二次被害、三次被害ではないんでしょうか…?
《被害の事実を否定するつもりはありません。》
あの記事を、「都知事候補にふさわしいかを考える判断材料」を理由を掲げて追求したなら、
小池氏や増田氏についての疑惑も同じ理由で追及されなければならない。
小池百合子「都庁に着いたら5分で極右」の衝撃
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamamotoichiro/20160803-00060697/
増田寛也と「すでに失われた」都税一兆円/他
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamamotoichiro/20160709-00059809/
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamamotoichiro/20160704-00059615/
念のため。
「あいつらの真っ黒ぶりに比べたら、鳥越なんか真っ白だ!」などど言うつもりは全くありません。
いえいえ、ぜんぜん気にしてないです、ってか、おっしゃていることはよくわかります。
ただまぁ自分としては、結果からみて、結局あぁいうのが受けたし、受け入れられたんだな、と。ぶっちゃけやっていることって小泉となんら変わってないし、そのせいで現在の「ねじれ」すらない独裁状況があるにもかかわらず、有権者の多くは何も学習しないんだな、と感じていただけですし。まぁ、うまいというのは別に優秀だってわけじゃないんで。
それに加えて、なんかもうどうでもよくなったってのもあります。好きにしろよ、と。気が付いたら自分が戦勝祝いのちょうちん行列に参加していたって、おそらくこういうやつらは後悔もしないんだろうってだけです。
だからこの国、嫌いなんだ。
>例の女性問題については、この社会の”いつもの反応”を考えれば()
>瑕瑾にすらならない()だろうと踏んでいました。
ふだんの無関心や加害者擁護の調子からしたら、
やけに「問題視」されたと、わたしも思うところです。
>(小池氏は、なんだかんだで今現在も自民党を除名になっていないですね)
>次善で自民。
>左派/リベラルに取られるくらいならネトウヨの方がはるかにマシ。
>また、その選択をした人々が無党派層だというのも恐ろしい。
無党派層から見ると、小池百合子は「反自民」なのだろうと思います。
小池百合子は自民党から出てきて、自民党の推薦候補と対立し、
党の方針と対決しているので、そう見えるのでしょう。
コイズミ劇場やおおさか維新を支持する人たちと同様の思考です。
自民党の支持層から見れば、自民党から出てきた小池百合子は
やはり「自民党の仲間」であり支持できるわけです。
かくして自民支持層と無党派層の両方から、
小池百合子は票を集めることができたのでしょう。
>記事によると、文春が告発記事を出すのに踏み切ったのは、夫からの告発とあります。
>http://newsmatomedia.com/torigoe-shuntaro-3#2016721
文春の告発記事については、鳥越俊太郎は事実無根で
名誉毀損だとして提訴していますね。
文春の体質を考えても、眉毛につばをつけておくのが、
現時点では無難だと思います。
http://b.hatena.ne.jp/entry/shuntorigoe.com/archives/22
>これって、二次被害、三次被害ではないんでしょうか…?
事実だとして、被害女性の意思と無関係に告発したのなら、
それはそれでのっぴきならないことの可能性はありますね。
>小池百合子「都庁に着いたら5分で極右」の衝撃
>http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamamotoichiro/20160803-00060697/
>増田寛也と「すでに失われた」都税一兆円/他
>http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamamotoichiro/20160709-00059809/
>http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamamotoichiro/20160704-00059615/
こちらもご紹介ありがとうございます。
「都知事候補にふさわしいかを考える判断材料」は
小池と増田は、鳥越ほどには追求されなかった印象があります。
>有権者の多くは何も学習しないんだな、
かつてコイズミ劇場を支持した人たちは、問題あることをしたと
思っていないのが、いまだに多いのではないかと思います。
>自分が戦勝祝いのちょうちん行列に参加していたって、
>おそらくこういうやつらは後悔もしないんだろうって
そのあと破局が来たあかつきには、
「強大な安倍政権の前に、自分はなすすべもなかった」
なんて被害者ぶるか、「野党がだらしないから
投票できなかったんだ」なんて「人のせい」にするかの、
どちらかではないかと、わたしは思ったりしています。