2016年09月25日

mar0006.gif世帯数の推移・単独と三世代

9月4日エントリ9月5日エントリの続き。

世帯の種類別の世帯数の年次推移についてです。
今度は「単独世帯」と「三世代世帯」を見てみたいと思います。

「核家族と一人身世帯が増加中…種類別世帯数の推移を探る」
「厚生白書(平成10年版) 第1部 少子社会を考える−
子どもを産み育てることに「夢」を持てる社会を−」

「平成7年度 国民生活白書(要旨)」

 
種類別世帯数推移

これを見ると「単独世帯」は1968年以降ずっと増え続けています。
とくにバブルが始まった1985年ごろから、
増加のペースが早くなっています。
1968年は569万世帯でしたが、1996年に1000万世帯を超え、
2015年は1352万世帯まで増えています。

「三世代世帯」は1985年ごろまでは、550万世帯程度で
ほぼ一定でしたが、1985年以降減少を始めています。
2015年には326万世帯まで減っています。

次のグラフを見ると、このあたりはもっとはっきりすると思います。
1985年ごろから単独世帯の増加が早まり、
三世代世帯が減り始める様子がわかります。
バブルの時代は、日本の家族のありかたが変わる
ひとつの契機だったと言えそうです。

種類別世帯数推移


9月4日エントリでも増えましたが、
「戦後になって核家族化が進んだ」というのは、
1960-70年代は核家族がもっとも増えかたが大きいことが
目立っていることによるのでしょう。

この時代は単独世帯も少ししか増えなかったのでした。
1960-70年代は未婚率が低く「国民皆結婚」の時代でした。
独り暮らしというのは、親元を離れてから結婚するまでの
一時的な家族形態、という感覚だったのかもしれないです。
それで単独世帯はあまり増えなかったものと思います。

「非婚・未婚と経済問題」
「未婚率が低かった時代」


バブルの時代から、単独世帯と核家族が
ほぼ同じペースで増えるようになります。
ちょうどこの時代から生涯未婚率が高まりだしたのでした。

「年齢別未婚率の推移」

年齢別未婚率の推移

経済事情の変化で、男性が女性を専業主婦にして
養えなくなったことや、ジェンダー観の変化で、
女性が望まない結婚に甘んじなくなったことがあるのでしょう。


バブルの時代に三世代世帯が減り始めたのも、
経済力が高まったことが大きいと思います。
三世代世帯は、それまで生活してきた環境がまったく異なる
配偶者の両親と同居するので、心理的負担が大きくなります。

「3世代同居の住宅政策」
「3世代同居の住宅政策(2)」




経済力の向上によって、一般市民の生活水準が高くなると、
心理的負担の大きい三世代同居をしないですむかたが増えてきた、
それで三世代世帯が減り始めたものと思います。

一般に経済力がふじゅうぶんで、市民一般の暮らしが貧しいと、
大家族が多くなりがちです。
貧しいゆえに大勢で寄り添わないと、生きていけないからです。

「危機と貧困が作る大家族」
「曽野綾子氏の言い分について」

日本だって1950年代までは世帯構成員数は平均5人以上だったのである。
核家族になったのはつい最近のことであり、日本の伝統社会は大家族であった。
曽野氏のような保守派が回帰したいであろう、「かつての日本社会」である。
黒人社会を構成員数で特別視する根拠はどこにもない。
貧困に喘ぎ、小児死亡数が多い国では
人種とか文化と無関係に大家族になるのは当然だ。


付記:

経済企画庁の「平成7年度 国民生活白書」には、
戦前の1920年のデータが出ています。
「拡大家族」「その他の親族世帯」(棒グラフの白い部分)で
もっとも多いのは三世代世帯でしょうから、戦前や戦後まもなくは、
三世代世帯がいかに多かったかがわかります。

「平成7年度 国民生活白書(要旨)」

核家族化は頭打ちで単独世帯が増えている

これに対して単独世帯は、戦前や戦後まもなくは
ほとんどなく「希少価値」のレベルです。
かつての日本は、それだけ大人数で身を寄せ合わないと
生きていけない、貧しい社会だったということです。

高度経済成長による経済の向上によって核家族化が進み、
さらにバブルの時代に単独世帯が増え始めたことになります。
日本社会は経済発展によって2回、
家族の構成人数を減らしたということだと言えます。

posted by たんぽぽ at 23:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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