2016年11月05日

toujyouka016.jpg 世論調査・共働き志向増加

内閣府による男女共同参画の世論調査が発表されました。
「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだ」という考えに
反対が増えたことが焦点になっています。

「男女共同参画社会に関する世論調査」

「「夫は外、妻は家庭守るべき」減少 内閣府の世論調査」
(はてなブックマーク)

 
「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」の設問は2.節の(1)です。

「2.家庭生活等に関する意識について」
「(1) 「夫は外で働き,妻は家庭を守るべきである」という考え方に対する意識」

「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方に対する意識 (1/2)

全体では「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」に
賛成と答えたかたは、「どちらか」も含めると8.8+31.7=40.5%、
反対は「どちらか」も含めると19.5+34.8=54.3%です。
反対のほうが賛成より10ポイント以上多いです。

ジェンダー別で見ると、女性で賛成は36.0%、反対は58.5%です。
男性の賛成は44.7%、反対は49.4%となっています。
女性のほうが反対の割合が高くなるのは、予想どおりでしょう。
男性は賛成と反対が近づきますが、それでも反対のほうが
5ポイント近く高くなっています。


「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方に対する意識。(2/2)

世代別に見ると、18歳から60代までのすべての
年齢階層において、賛成<反対となっています。
70代以上だけが、賛成>反対で逆転しています。
それでも賛成が反対を少し上回っている程度で、
飛び抜けて賛成が多いというほどではないです。


わたしに言わせれば、まだ賛成が4割もいるのかという感じです。
世論調査の担当者は「女性が働くことへの理解が広がってきた」と
見ているというのですが、バブルが崩壊して四半世紀が近づき、
夫婦共稼ぎでないと暮らしが成り立たない状況になって
ひさしいことを考えれば、まだまだの感があります。

朝日の記事には過去からの推移が載せてあります。
調査を始めた1992年から2009年までは、
一貫して反対が増え続け賛成が減り続けています。
1992年は反対<賛成でしたが2002年で追いつき、
以後は2009年まで反対>賛成です。

「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだ」という考え方への反対が増えた

2012年にいったん反対<賛成になりますが、
そのあとはふたたび反対が増え続け、2014年以降は反対>賛成です。
2016年は反対が過去最高、賛成が過去最低だった
2009年とほぼ同じくらいであり、2012年に後退したぶんが
もとに戻ったということだと言えます。

2012年になぜ反対が減って賛成が増えるという
逆行現象が起きたのかということがあります。
景気が悪くなって女性の就業に対して悲観的になったのか、
震災の影響なのか、それはわからないです。


朝日の記事本文で触れられている「子どもができても、
女性は仕事を続ける方がよい」の設問は、1節の(4)です。

「1.男女共同参画社会に関する意識について」
「(4) 女性が職業をもつことに対する意識」

(4) 女性が職業をもつことに対する意識 (1/2)

「子どもができても、女性は仕事を続ける方がよい」の割合は
全体では54.2%で、これが調査開始の1992年以来
初めて半数を超えたので、記事になったのでした。
ジェンダー差は女性は55.3%、男性は52.9%で
少しですが女性>男性となっています。

年齢階層別に見ると、29歳未満と70歳以上の両端で
「子どもができても、女性は仕事を続ける方がよい」の割合が
やや少なくなっていますが、それ以外の世代は
55-60%の範囲でほぼ同程度となっています。

(4) 女性が職業をもつことに対する意識 (2/2)

posted by たんぽぽ at 15:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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