2016年11月27日

toujyouka016.jpg 政治男女均等法案・自民反発

国会議員の男女の候補者数をできるかぎり均等にする
「政治分野における男女共同参画推進法案」を、
自民党のお歴々が猛烈に反発したというニュースです。

「自民、政治男女均等法案に異論続出 「有能なら自力で」」
「候補の男女均等異論次々 女性議員増法案 自民内でつまづく」(全文)
(はてなブックマーク)

慎重派議員から異論が噴出。
今国会での提出に向けた党内手続きはいきなりつまずいた。

 
この法案は、今年の通常国会で提出しようとしていた、
女性議員増法案と同じ内容だと思います。

「女性議員増へ法案準備 「衆院比例」名簿 男女交互掲載」

今回も
1. 候補者ができる限り男女同数であることを
目指すとの理念を掲げる推進法案
2. 衆院比例区の候補を男女交互に当選させる方法を
選択できる公職選挙法改正法案
のふたつの法案からなっていると思います。

通常国会のときも自民党の反対派の猛反発によって、
提出できずに終わったのでした。
秋の臨時国会に持ち越されることになったのですが、
それが現在やっている議論ということです。

「女性議員増法案提出できず」


通常国会の様子から容易に察することとして、
臨時国会に持ち越しても無理だろうと思っていました。
予想通りの展開ということになります。
今回の自民党のお歴々の反発は、次のように表現されています。

会議では、西田昌司参院議員が女性の社会進出が
少子化を加速させているとの考えを背景に、
「女性の社会進出で、社会全体が豊かになっているとは思えない。
もっと根本的な議論をしてほしい」と主張。

山谷えり子参院議員も「法律をつくることで、かえって男女の対立が
生じてしまうのでは」として、時間をかけた議論を求めた。


自民党内の反対派議員の説得なんて、「なお時間がかかる」どころか、
半永久的に不可能ではないかと、わたしは思います。
それこそ選択的夫婦別姓法案が実現しなかったのと
同じ宿命をたどりそうに思います。

野田聖子元総務会長らが法案の旗を振るが、
推進派議員の一人は「これが今の自民党の限界」と漏らすなど、
慎重派の説得にはなお時間がかかる可能性もある。

次の記述を見るかぎり、自民党の推進派が
描いていた戦略も、選択的夫婦別姓法案のケースと
似たようなものではないかと思います。

自民の推進派は、党内で了承を取り付けたうええ
今国会に法案を提出し、男女の候補者数について「同数」を求める
民進や共産などと修正協議を行う段取りを描いていた。

自民党内の推進派議員も、なかばあきらめの感がありそうです。
野田聖子は自民党内で選択的夫婦別姓法案が
どうつぶされたかよく知っていますし、
今回の女性議員増法案の議論にも、
既視感を感じているかもしれないです。


自民党の反対派の物言いで、もっとも失笑するのが、
「能力のある人は自力ではい上がる」
です。

クォータ制の議論になると、必ずと言っていいほど
「ほとんどわかってない人」から出てくる
「無能な女に下駄を履かせる」論です。
手垢がつきすぎて、いい加減退屈になってきます。

実際には有能にもかかわらず女性というだけで
登用されない状況があるのであり、「無能な男が下駄を履いている」
現状を改善するのが、クォータ制です。


自民党は世襲議員の割合がもっとも高いということが、
わたしの失笑するところです。
「世襲」という「下駄」を履いて当選している議員が
もっとも多い政党が、「能力のある人は自力ではい上がる」なんて、
なにをかいわんやです。

世襲議員が増えたところで、それこそ社会全体が
豊かになっているとは、とても言えないです。
彼らは自分たちの中にいる世襲議員に向けて、
「有能なら自力で」と言うことだと思います。

自民、政治男女均等法案に異論続出 「有能なら自力で」:朝日新聞デジタル

では先ず、世襲議員の皆様が親の地盤看板鞄を使わず政治家になって下さい。有能なら自力で当選できるでしょ?政治家に限らず世襲で社会全体が豊かになっているとは思えない。

2016/11/17 07:56


上述の「女性の社会進出で、社会全体が豊かに
なっているとは思えない」発言の西田昌司参院議員も、
しっかり世襲議員です。



小渕優子が以前、同じようなことを言っていたことがあります。
この人も世襲議員ですが、クォータ制は賛成できないそうです。
「女だからと言う理由で下駄を履く」のは嫌と言うのですが、
「世襲という下駄を履く」のは、ぜんぜん問題ないみたいです。

「小渕優子クォータ制に反対」

「クオータ制にはあまり賛成でないというのが本音。
機会の平等という観点から考えたときに、女だからという理由で
下駄を履かされるのはごめんですからね」

「世襲」という「下駄」を履いて当選している議員が
「有能なら自力で」なんて自分のことを棚に
あげまくったことが、よく言えると思います。
自民党では世襲が当たり前すぎて、下駄を履いているという
認識がほとんどない、ということかもしれないです。

posted by たんぽぽ at 11:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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