2016年12月25日

mar0006.gif労働生産性と男女共同参画(2)

12月24日エントリの続き。
ワークライフバランスの導入や、女性の人材登用と
労働生産性との関係を定量的に示す論文です。

正社員週労働時間1時間あたりの売り上げ総利益の
トービット分析の表を見ていきます。
今回はジェンダーに関する項目です。

「労働生産性と男女共同参画―なぜ日本企業はダメなのか、
女性人材活用を有効にするために企業は何をすべきか、国は何をすべきか」


「労働生産性と男女共同参画―なぜ日本企業はダメなのか、
女性人材活用を有効にするために企業は何をすべきか、国は何をすべきか」
(PDF本文)

 
正社員週労働時間1時間あたりの売り上げ総利益のトビット分析(1/2)
正社員週労働時間1時間あたりの売り上げ総利益のトビット分析(2/2)


はじめに大卒度に関するところを見てみます。
表の3. 女性正社員の大卒度と5. 男性正社員の大卒度です。
男性正社員の大卒度は0.14程度で、生産性が向上していますが、
女性正社員の大卒度はほとんどゼロで、
生産性が変化しないという結果になっています。

正社員週労働時間1時間あたりの売り上げ総利益のトビット分析(抜粋)

より高い教育を受けた者ほど、一般的には労働生産性の
向上に寄与するでしょうし、男性正社員は実際にそうなっています。
同じ教育を受けている女性正社員でそうでないということは、
多くの企業で女性はまともに活躍できていないことになります。

論文では
これが事実ならば大変なことである。

わが国企業が平均的には大卒女性の人材活用に
ほぼ完全に失敗していることを示唆する重い事実である
とまで考察しています。


「女は企業に入ると無能になる」なんて、
「反フェミ」が短絡的に考えそうな事態でないことは確かです。
多くの企業で、入社試験の成績がひとまわり低い男子に
「下駄」を履かせて採用して、女子社員のほうが
男子社員より優秀になるという現状があるからです。

「女子は優秀でも採らない」
「女子は優秀でも採らない(2)」
「面接官が「女子のほうが優秀」と感じるワケ 女子は「優秀だけど採らない」という現実」

10年ほど前、ビジネス誌の記者をしてた時、新卒採用動向について取材しました。
大企業の人事担当からよく聞いたのは「入社試験では、
ペーパーも面接も女性の方が優秀。そのまま採用すると半分以上が
女性になっちゃうので、男性に高下駄はかせてます」という話。

それでも、まだよく聞く。「試験結果を上から並べたら、7割女性」
「はっきり言って、上から順に取ったら全部、女性になっちゃうんだよ」…。
実際の新入社員の構成はそんな風になっていないことは、ご存知の通り。

論文では、生産性の低い企業ほど女性大卒者を
男性大卒者と比べて多く採用すると、
表のような数値になることを指摘しつつ、
そんな可能性は考えにくいとしています。

これも上述の「女子は優秀でも採らない」という
現在の日本企業の慣行を見ればわかるだろうと思います。
多くの企業で女性大卒者より男性大卒者を
優先的に採用しているのが現状だからです。
(生産性に関係ないので、生産性依存はない。)


ここでわたしが思うのは、ひとつは大卒女性の就業率が
OECD加盟国の中で日本は低いということです。
欧米の民主主義国は8-9割なのに、日本は69%です。
大卒男性の就業率は日本は欧米の民主主義国と変わらないです。
人材登用の時点で、女性は男性と差がついているということです。

「大卒女性の低い就業率」


もうひとつは学歴別年収のジェンダー差です。
大卒女性は中卒の男性とほぼ同じくらいになっています。
こちらはより直接的に、日本企業が女性の人材登用に
失敗していることを、はっきり示しているでしょう。
年収の高い責任のある地位につける大卒女性が、
大卒男性と比べてそれだけ少ないということだからです。

「学歴別年収のジェンダー差」



少なくない女性が、出産や育児でキャリアが続かなくなり、
復職しても低賃金の非正規雇用に回されるということでしょう。
これらのグラフは、まさに多くの企業で女性がまともに
活躍できていないことを示しているわけです。

http://toyokeizai.net/articles/-/61876
女性の場合、結婚して妊娠すると、産前産後休暇、育児休暇、
育児期間の短時間勤務と、長期間にわたり
戦力から外れてしまう可能性があることです

統計でも、ジェンダー別の正社員の割合を見ると、
未婚者は男女で差は割合小さいですが、既婚者になると、
女性の正社員率が急激に下がることがそれを示しています。

統計でも、ジェンダー別の正社員の割合を見ると、
未婚者は男女で差は割合小さいですが、既婚者になると、
女性の正社員率が急激に下がることがそれを示しています。

「ジェンダー別の正社員の割合」




posted by たんぽぽ at 23:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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