2016年12月28日

mar0006.gifフランスの出生率上昇の理由

フランスでなぜ出生率が回復して、人口問題が解決に
向かったかは、いろいろなところで考察があると思います。
いままでにあまり話題にならなかったお話が
出ている記事があるので、見てみたいと思います。

「出生率が上がった。フランスが少子化を克服できた本当の理由って?」
(はてなブックマーク)
「おむつは不要、手ぶらで登園。少子化を克服したフランスの保育園事情とは」
(はてなブックマーク)

フランスと日本はだいぶ違うというのが、率直な感想です。
差がつくのもごもっともだと思いました。

 
女性にとって仕事と育児の両立が困難となると、
子どもを持たなくなるのは、現代の先進国における
共通の特徴で、それは日本もフランスも同様です。

1994年にフランスの出生率が戦後最低の1.66まで下がったとき、
「じゃあどうすればいいのか?」いうことを
国が冷静に見つめて調べたんです。
そうしたら、女性の就業率が上がっている一方で、
子供の数が増えるほど、母親の離職率が上がることがわかった。

つまり「女性が仕事と子供を両立するのは難しい」こと、
そしてこのままでは、「女性は子供を産むことより、仕事を選ぶ」
という現実が明らかになってしまったんです。
これは1997年に発表された労働省の報告書にまとめられています。

フランスが日本と違ったのは、「仕事と出産を天秤にかけたら、
女性は仕事を取る」という、データと事実を受け入れたことです。

データとファクト(事実)で。
日本だったら多分それは「認めてはいけないこと」と
されるかもしれませんが、フランスは潔かった。
「このままでは、女性たちは育児と仕事を両立できない」という
現状を認めたんです。できないものはできないんだ、と。

「データと事実」なら、日本にもたくさんあります。
そしてなにをなすべきかの議論もじゅうぶんなされています。
日本はそうしたデータや事実を受け入れないわけです。
受け入れないだけでなく、積極的に否定する主張も、
政府や国会議員の中にさえも顕在化しています。


なんでもそうですが、時代が変化するとき、
現状を受け入れて必要な施策が行なえるかどうかは、
既得権益の力の強さが、大きいのではないかと思います。
日本でかかる「データと事実」が受け入れられないのは、
既得権益が強いことが大きいと思います。

日本の既得権益は、「夫が働き妻が専業主婦が理想の家族」という、
高度経済成長期以来の「家族思想信仰」であり、
年功序列や終身雇用、長時間労働といった、
既婚男性に有利な労働文化です。
これらが定着した時代の成功体験が強かったので、
既得権益化して現在も強く残っているということです。

「データと事実」が示す必要な家族・人口政策は、
これらの既得権益とはまっこうから反するものばかりです。
それゆえ既得権益層は、効果的な家族・人口政策から
眼をそらさせたり、実行の妨害をすることになります。

1990年代のフランスは(わたしは詳しい事情は
わからないですが)、家族や労働に関する既得権益が
日本のように強くなかった、ということなのでしょう。
フランスにも「反フェミ」はもちろんいるでしょうが、
政府の家族政策に関する決定に、深刻な悪影響を与えるほど
勢力は強くなかったのだろうと思います。


出生率が下がり続ける国は、女性が「社会と男性を
信用しなくなっている」とも言えます。
女性が社会と男性を信用するようになるには
どうしたらいいかを考え、それを実行したのが、
フランスということになります。

フランス流のきつい言葉で言うと、
女性が「社会と男性を信用しなくなっている」んですよね。
90年代までのフランスにも、それに近い空気があったのだと思います。
仕事と子育ての両立を考えたとき、自分をサポートしてくれる
存在として社会と男性を十分信用できないから、
女性が子供を産めなくなっていく

日本の女性も社会と男性を信用していないと思います。
安倍政権はひたすら「女性が輝く」と連呼しているのに、
信頼しない女性が多いのは、その現れのひとつだと思います。

「安倍政権・女性活用の不信」
「安倍政権・女性活用の不信(2)」


2014年10月11日エントリで、少子化問題に対する
男女のスタンスの違いに触れたことがありました。
これも女性のスタンスは、社会や男性に対する
不信の現れ考えることもできるでしょう。

「少子化対策・立場の違い」
産まなきゃ国が滅びる!って言ってるのは男性が多くて、
いっそ滅びればいいんじゃない?って言ってるのは
女性が多いっていう状況が全てを語ってる。

信頼している相手なら、その未来が暗いと思ったら、
もっと心配したり、対策を考えたりすると思います。
「いっそ滅びればいいんじゃない?」なんて
あっさり突き放せるのは、信頼していないからでしょう。


日本の場合、男性や社会に対する不信感を
女性がはっきり表明したら、社会と男性は「女叩き」に
走ることもあると思います。

先日話題になった「保育園落ちた日本死ね」も、
女性からの社会と男性に対する不信の表明とも言えます。
その表明は、安倍政権を含めた各方面からの
まったくの無理解と、バッシングにさらされたのでした。

「「保育園落ちた」国会で議論」
「平沢勝栄・匿名記事に論難」
「匿名記事・反発する人たち」
「子育て支援に対する本性?」
「つるの剛士・日本死ねに反発」


「自分をサポートしてくれる存在として社会と男性を
十分信用できない」から子どもを産まないというのは、
女性が性衝動を起こす生物学的条件から見た場合、
戦略的にまったく妥当だと思います。

「性衝動の生物学的条件」

社会や男性を信用できないというのは、
以下の性衝動を起こす生物学的条件のうち、3.に反します。
女性は3条件のうちひとつでも満たされないと、
子どもを作ることに消極的になるからです。

「愛とセックスの関係 〜男女の違い〜」
女性の繁殖成功にとって愛情確認は重要

1. 自分自身の生活レベルから見てもうひとりの生命を背負って
生きてゆくことが可能かどうかの生活レベル判定です。

2. 相手となる男性の適応度がある程度以上に高いかどうかをもとにした
遺伝子継承可能性についての遺伝子選別(配偶者選択)です。

3. 相手となる男性がその生活をサポートしてくれるか
どうかを判断するための愛情確認です。

「女性が仕事と育児の両立が困難な、女性差別的な国では
出生率が下がる」というのは、生物学的には「理にかなった
自然な現象」ということになりそうです。

posted by たんぽぽ at 23:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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