2017年01月07日

toujyouka016.jpg 出生数が100万人を割った

2016年の出生数は前年を下回り、また過去最低を記録です。
厚生労働省の人口動態統計です。

出生数は98万1000人と過去最低というだけでなく、
1899年に統計を取り始めて以来、
はじめて100万人を割ったことが、特筆することです。

「出生数、初の100万人割れへ 少子化止まらず 厚労省16年推計」
「出生数 初の100万人割れへ 厚労省16年推計 少子化止まらず」(全文)
(はてなブックマーク)
「特殊合計出生率 人口維持には2.07必要」
「今年の出生数98万人 厚労省推計 自然減は10年連続」

「出生数、初の100万人割れ 10年連続で人口減」
「出生数100万人割れ 2016年推計 1899年以降初」(全文)

「人口動態統計 加速する人口減少 出生数100万人割れ 16年推計」
「加速する人口減少 16年推計 出生数100万人割れ」(全文)

 
出生数と死亡数の推移

出生数と合計特殊出生率

2016年の出生数98.1万人は、第二次ベビーブームの
最高だった1973年の209.2万人の半分以下です。
戦後の第一次ベビーブームの最高の1949年の
269.7万人と比べると、3分の1より少し多い程度です。

日本の出生数は、1973年の209.2万人以来、
小規模な増加はありますが、ほぼ単調に減り続けています。
1987年に134.7万人となって、ひのえうま(1966年)の136.1万人を
下回って以来、一度もひのえうまを超えたことはないです。

2015年の出生数は100.6万人で、
2014年の100.4万人からほぼ横ばいとなり、
100万人を割り込むのを、どうにか免れたのでした。
2016年はそうはならず、1899年に統計をはじめて以来
初の100万人以下に留まることになったのでした。

死亡数が出生数より多くなって、人口減少となったのは10年連続です。
死亡数と出生数の開きは、今後どんどん大きくなって、
人口減少に加速がかかることが予想されます。

「日本の出生率と出生数をグラフ化してみる(2016年)(最新)」

出生数推移(万人)(〜2015年)

出生数推移(万人)(2001〜年)


日本の出生数の減少や、高齢化社会の進行については、
かれこれ30年前から問題にされていることです。
日経の記事では「改めて浮き彫り」と書いていますが、
何度目の「改めて浮き彫り」だ?と、わたしは思います。


少子化や高齢化の現実を示す数値が、
だんだん厳しくなっているし、出生数が100万人以下に
なったのは2016年が初めてですから、特筆することは
いつもなにかしらあるとは言えるのでしょう。


出生率は2015年は1.45で、過去最低の2005年の1.26以来
ゆっくりですが上昇傾向にあります。
ところが出産可能な女性の人口が減っているので、
出生数が減り続けることになります。


今の親世代は、すでに人口減少が問題になり始めた
1980年代産まれになっています。
今後の親世代はさらに人口が減るし、
親世代の人口はいまからは増やせないですから、
出生率の減少はますます厳しくなることになります。

ただでさえ出生率を高めるのはハードなのに、
少しばかり出生率をあげたくらいでは、
人口増加にはとてもならないということです。
過去の人口政策、家族政策に対する無策や愚策のつけが
ついに世代を超えて回ってきたことになります。


思えば、団塊ジュニア世代が出産適齢期だった
2010年ごろまでに、効果的な家族政策を行わなかった時点で、
この問題は「終わった」ということだと思います。

厚生労働省が「あと5年が勝負」と言っていたのは2005年、
経団連が「数年が勝負」と言っていたのは2009年です。
この「勝負」は完全に「負けた」と言わざるをえないです。



2010年ごろは民主党政権でしたが、「子ども手当て」のバッシングに、
自民党もマスコミも官僚も国民も、こぞって明け暮れていました。
最後の機会を近視眼的な「民主党叩き」で浪費したわけです。

因習・反動的な家族・ジェンダー観を標榜する自民党が下野して、
効果的な家族政策にもっと熱心だった政党が政権を
取っていたのは、「幸運」だったにもかかわらずです。


安倍政権が「女性が輝く」と言い出して、まがりなりにも
人口政策対策を始めるようになったのは、2013年ごろからです。
このときはすでに「手遅れ」だったということです。

「手遅れ」になっても、まだ問題の深刻さを理解できず、
因習・反動的な家族・ジェンダー観にあいかわらず固執したり、
「保育園落ちた」バッシングに代表されるように、
狭量なナショナリズムを優先させる人たちが、後を絶たないのが現状です。

posted by たんぽぽ at 21:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

はてなブックマーク - 出生数が100万人を割った web拍手
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック