2017年02月11日

mar0006.gif独身者時代と結婚への依存

結婚をしていない単身者の割合が今後も増え続け、
近い将来人口の半分が単身者になること、
そしてとくに既婚男性の中に結婚生活に依存している人が多く、
リスクが高いということについてお話した記事です。

「2035年「人口の5割が独身」時代がやってくる」
(はてなブックマーク)

わたしがブログでこれまでお話してきたことで、
ある程度察しがつくことかもしれないですが、
あらためてこの問題を考えるのもよいでしょう。

 
単身者が増え続けることについて、はじめに統計を挙げて示しています。
単身者というのは、「未婚」と「死別・離別」の合計ですが、
記事で載せている配偶関係別の人口推移を見れば、
単身者が増えていることは明らかです。

2035年には独身者数が有配偶者数に迫る? 配偶関係別の人口推移

さらに世帯の種類別の世帯数の推移を載せています。
ここでも「単独世帯」が増え続け、「夫婦と子ども」の世帯が
減り続けていることで、単身者が増えていることを示しています。
9月5日エントリで示したものと同様の統計です。)

単独世帯は増加し続ける? 世帯の家族類型別構成比



とくに男性ほど家族関係や結婚生活に依存する傾向が強いことは、
たとえばつぎのデータを根拠にしています。
男性の自殺は、ほぼ全年代で離別や死別が、
未婚者や有配偶者より多いというデータです。

妻と離別した男性の自殺死亡率が最も高い


記事で触れている、高齢の有配偶者に関する
第一生命経済研究所の調査はこちらです。

「高齢者の夫婦関係」

言及されている「配偶者は頼りになるか」と
「生まれ変わったらまた結婚したいか」の設問に対する
結果は、以下のようになっています。

配偶者は頼りになるか(全体、性別)

生まれ変わったら、また結婚したいか(全体、性別)


「配偶者は頼りになるか」の設問に関しては、
男性で「頼りになる」と答えたかたは、
「病気で一時的に寝込んだ場合」71.5%、
「寝たきりや体の自由がきかなくなった場合」で58.5%もあり、
「まあ頼りになる」を合わせると、どちらも9割以上です。

女性で「頼りになる」と答えたかたは、
「病気で一時的に寝込んだ場合」26.4%、
「寝たきりや体の自由がきかなくなった場合」で21.5%であり、
男性と比べると圧倒的に少ないです。

「生まれ変わったらまた結婚したいか」の設問に
「現在の配偶者と結婚したい」と答えたかたは、
男性が58.9%に対し、女性は27.8%でした。
「別の人と結婚したい」は、男性は29.8%ですが、
女性は44.7%もあります。


これらの結果をもって、男性のほうが女性よりも
家族関係や結婚生活に依存していると考えるかは、
議論の余地はあるかもしれないです。
それでも男性に結婚生活に対する依存度が高いことは、
べつの調査でも示せると思います。

たとえば日本の未婚男性は、他国の未婚男性や、
女性、既婚者と比べて圧倒的に不幸感が強いことです。
結婚生活に対する依存や憧れがあるので、
結婚できないことに対する不幸感が強くなるのでしょう。

「日本の未婚男性の不幸感」
「日本の未婚男性の不幸感」

30~50代男女の不幸感(既婚者と未婚者の比較)


結婚生活は制度上も慣習上も、多かれ少なかれ男性中心的です。
男性の都合のために、女性は犠牲を強いられる傾向があります。
現代は世界的レベルで離婚が増えていますが、
大きな原因は「女性の社会的地位や経済力の向上」です。

社会的にも経済的にも、女性が自立できるようになったので、
犠牲を強いられる結婚生活を、不本意に続ける
必要がなくなった、ということになります。

「世界的に離婚が増えている」
「世界各国で上昇する離婚率、韓国は急増し3位に-中国メディア」

日本も戦後の高度経済成長期に、会社で働く男性社員のために、
妻は夫を家庭で支える専業主婦となることが、
もっとも幸せになれるライフスタイルであるという、
「家族思想信仰」を普及させたのでした。
男性中心の企業社会の都合に合わせるよう、
女性の生きざまを規定したということです。

家庭生活、結婚生活において、男性は結婚して
家庭を持つことで得るものが多いということです。
男性は家庭生活や結婚生活における既得権益者ゆえに、
それらに依存するということになるでしょう。


記事で主張しているのは、既婚男性の諸氏も
いつか離婚や死別で単身者になる可能性があるし、
そうなった場合、結婚生活に依存していると、
生きていけなくなる可能性がある、という警告です。

単身者の割合が増えて、近い将来半数を占めるようになる現在、
既婚男性という「既得権」はいつ失なわれるかわからない
砂上の楼閣になりつつあるということです。

第一生命経済研究所の調査が示しているように、
高齢の夫婦において、夫婦間の信頼や依存が、
夫から妻への一方通行になっていることは、
既婚男性の既得権が砂上の楼閣であることを、示していると言えます。

既婚男性の皆さん、想像してみてください。
もし、自分より先に妻に先立たれてしまったら? 
もし、長年連れ添った妻のほうからいきなり離婚を
突き付けられてしまったとしたら? 
あなたはその先、一人で生きていける自信がありますか? 
突然一人になったとしたら、はたして生きていけますか?
家族の絆を信奉するあまり、家族だけが最後のセーフティネットと
いう考え方に縛られると、やがて家族同士の共依存性を高め、
結局は共倒れになる危険性があります。


こうしたことに対してもっとも危機意識がないのは、
前時代的な家族感を持ち続ける既婚男性とあります。

実は、そうしたソロ社会において、最も危機意識のないのは
「昭和的な価値観」を引きずる既婚男性の方です。
特に、リタイヤ後の高齢既婚男性の配偶者に対する依存度は深刻です。

彼らは結婚が難しくなった現在においても、
「昭和的な価値観」にもとづいた結婚ができた既得権益者です。
前時代的な思想を持った人が、時代の変化に鈍感で、
また変化を受け入れようとしないのは、ある意味当然です。

自分が得られていまあたりまえのようにある「既得権」だから、
それを失なうという危機意識が持てないし、
また自分の得た既得権を否定したくないために、
時代の変化を受け入れたくないということでしょう。

posted by たんぽぽ at 23:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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