2017年03月04日

mar0006.gif養育費を受けない母子家庭

ひとり親家庭の75-80%が養育費をもらっていないこと、
もらわない大きな理由として、離婚した相手と関わりたくない
ということがあるという調査です。

「シングルマザーの約8割が養育費をもらっていない
「相手と関わりたくない」「支払能力がない」から」


株式会社リングオフの「離婚後の生活に関するアンケート調査」と、
新宿区の「ひとり親家庭等アンケート調査」を参照しています。

「「離婚後の生活に関するアンケート調査」
離婚後に生活費が必要も7割以上の人が教育費をもらってない現状」


「平成28年度ひとり親家庭等アンケート調査結果がまとまりました」
「認知・養育費など」

 
はじめに株式会社リングオフの「離婚後の生活に関する
アンケート調査」を見てみたいと思います。

「離婚しても養育費をもらっているか」という
設問に対して、「もらっている」は26%です。
離婚後のシングルマザーのうち、養育費を受け取って
いるのは全体の4分の1程度ということです。

「もらっていない」は54%ですが、
これは「途中で支払われなくなった」の20%と分けていますから、
最初からもらっていない、ということになると思います。
半分以上のシングルマザーが、最初から養育費を
ぜんぜんもらっていないということになります。

母子家庭で一番大変だと思うこと

離婚しても養育費をもらっているか

養育費を貰わない理由

途中で支払われなくなった理由

養育費をもらわない理由は、「元夫と関わりたくない」34%、
「子供に会わせたくない」13%で、両方合わせて47%です。
半数近くがなんらかのかたちで、自分か子どものどちらかが、
元夫と関わりたくないことが理由になります。


続いて新宿区の「ひとり親家庭等アンケート調査」を見てみます。
これは「認知・養育費など」の節にある問9と問10です。

「養育費の支払い」は、「定期的」17.8%、「不定期」3.9%で、
両方合わせて21.7%が支払われていることになります。
全体の2割程度であり、前述の株式会社リングオフの調査の
「もらっている」26%にも、近い数値となっています。

養育費の支払い

家庭相談をしてみたいか

家庭相談をしたくない理由

新宿区では養育費に関する家庭相談の制度があります。
「相談したことがある」4.9%、「相談したい」8.4%で
希望を含めても家庭相談の利用は13.8%にとどまっています。

「相談したくない・不要」は65.9%で、3分の2程度が
家庭相談の制度を利用していないことになります。
あまり使われない制度と言えることになります。

家庭相談を利用しなくない理由として
もっとも多いのは「相手と関わりたくない」40.4%です。
株式会社リングオフの調査結果と同様、
元夫と関わりたくないから養育費をもらわない、
という実情が現れていると思います。


日本の母子家庭は元夫から養育費をもらえていないというのは、
よく言われることですが、こうして数字を見ると、
その実情を改めて実感するところです。

2年半ほど前ですが、2014年8月31日エントリでも、
養育費の不払いについてお話したことがあります。

「養育費の高い未払い率」

厚生労働省による「全国母子世帯等調査2011」によると、
「現在も養育費を受けている」は2013年に19.7%で、
上記ふたつの調査に近い数値になっています。

「平成23年度全国母子世帯等調査結果報告」
「17 養育費の状況」

母子世帯の養育費の受給状況


株式会社リングオフの調査を見ると、養育費をもらわない
理由のうち、「元夫に経済力がない」が39%もあります。
養育費が払えない男性はそんなに多いのかという
気になりますが、年収500万円以上の離別父親でも、
4分の3は養育費を払っていない事実があります。

「なぜ離別父親から養育費を取れないのか」

年収の高い父親ほど、養育費を払っている割合は確かに高い。
同JILPT調査によると、離婚母子世帯の養育費の受取割合は、
離別父親の年収が500万円以上の層では25.9%(注i)となっており、
200万円未満層(4.7%)よりその割合は20ポイント以上高い。
しかし一方、この数字の裏返しは、年収500万円以上の離別父親ですら、
その74.1%は養育費を支払っていないというショッキングな事実である。

よって養育費を払える経済力がない元夫は、実はそれほど多くは
ないのではないかと、考えておいたほうがいいのかもしれないです。


より深刻なのは、養育費をもらわない理由として
「元夫と関わりたくない」が多いことです。
別れた相手ですから会いたくないことが多くて当然ですし、
中にはDVのように、関わるわけにいかない理由もあります。
元夫と直接関わることなく養育費の請求ができる、
もしくは養育費が支払われる仕組みが必要だろうと思います。

養育費の支払いを法律で義務付け、滞納に対する罰則を
設けたり給料から天引きするなどして、
確実に支払わせる方法を強化することが考えられます。
また滞納者に対して、行政が立て替える仕組みを
導入するという案もあるでしょう。

http://lacrima09.web.fc2.com/figs/poverty-there3.html
米国では養育費は収入の1割にのぼる。
滞納者には自動車運転免許の停止などの強力な措置がある。
スウェーデンには養育費を政府が建て替え払いする制度もある。


日本の現行法では、家庭裁判所の調停があれば、
養育費の支払いを義務付けることができるし、
滞納した場合、法的手続きによって請求することができます。

2011年の民法改正で、離婚の際に夫婦が取り決める事項として
養育費の分担が明文化され、親による養育費の支払い義務が明確にされた。
それでも養育費の支払いが滞った場合には、法的な手続きを経て請求できる。

その方法は手続きにより異なり、取り決めを口約束や文章で
交わしていた場合には、直ちに強制的な支払いを求められないため、
あらためて家庭裁判所に養育費請求の調停・審判を
申立てて決め直さなければならない。

家庭裁判所で養育費の支払いが決まっている場合には、
家庭裁判所から相手に履行勧告をしてもらえる。
履行勧告でも支払われず、公正証書で決めたのに支払わない場合には、
地方裁判所に強制執行を申し立て、相手の財産を差し押さえることができる。

日本では家庭裁判所の調停によらない協議離婚が9割ほどあり、
養育費の取り決めを行わないことが多いです。
こうした場合、改めて家庭裁判所の調停を受けることで、
養育費についての取り決めができるようになっています。

裁判で調停を受けようとすると、当然負担がかかるし、
「元夫と関わりたくない」のであれば、
裁判をしたくないと考えるかたも多いでしょう。
家庭裁判所を通さなくても、なんらかのかたちで
養育費の支払いを義務付ける制度も整える必要があると思います。

posted by たんぽぽ at 23:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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