2017年03月25日

toujyouka016.jpg 森友学園・説明責任の所在

森友事件において実態を明らかにする責任があるのは、
自民党・安倍政権の側だというご指摘です。
それはこの問題は、国有地の売却という行政手続きが、
適正かどうかをはっきりさせる「国政に関する調査」だからです。

「国有地売却の立証責任は政府にある」
(はてなブックマーク)

 
なぜ政府・自民党に説明責任があるのか、
その法的根拠は憲法66条と、財政法の9条です。

究極的には憲法66条3項で「内閣は、行政権の行使について、
国会に対し連帯して責任を負ふ。」とされているように、
内閣が国民の代表者である国会に対して
説明責任を負っていることになるでしょう。
財政法
第九条  国の財産は、法律に基く場合を除く外、
これを交換しその他支払手段として使用し、又は適正な対価なくして
これを譲渡し若しくは貸し付けてはならない。
○2  国の財産は、常に良好の状態においてこれを管理し、
その所有の目的に応じて、最も効率的に、これを運用しなければならない。

森友問題は、政府が行なった行政手続きが適正かどうかを
調べる「国政調査」なので、国民に対して適正であることを
はっきりさせる責任が政府にはあるし、
その責任を果たすことを求められているということです。


森友事件の調査が長引くことに不満を感じる人が、
とくに自民党・安倍政権の支持者に多く見られるようです。
こうした人たちは、「そんなことより政策議論だ」と言って、
追及する野党に問題があるかのように批判することがあります。

それを言うなら、調査が長引くのは政府・自民党のせいであり、
早く政策議論をしてほしいなら、政府・自民党が森友事件について
必要な説明責任を果たせということです。

土地を値引きした根拠を示さないのも、
参考人招致や証人喚問の拒否を続けたのも、政府・自民党の側です。
そして政府・自民党のこうした非協力的な態度こそ、
森友問題の調査が長引く最大の原因だからです。

当然残っているはずの森友学園と財務省や近畿財務局との
面談記録を「破棄した」と強弁し、そうであるなら、と
財務官僚(当時の理財局長であった迫田英典氏等)や籠池氏の
証人喚問ないし参考人招致を提案する野党の当然の要求を拒否し続け、
また、国から森友学園に対する1億3000万円余の
「有益費」名下の税金支出の詳細な計算根拠を示さず、
約8億2000万円の値引きとの重複の有無すら
明らかにしていないのは全て安倍政権であり与党です。



自民党・安倍政権を擁護する人たちが、
ほかによく持ち出すロジックは「推定無罪の原則」です。
「疑わしきは被告人の利益」で、証拠がふじゅうぶんである以上、
政府を追及するべきでないというものです。

この問題で行なっているのは国政調査であって、
「土地売却が違法で、政府やその関係者が被疑者という、
刑事事件」を追及しているのではないですから、
「推定無罪の原則」はここでは当てはまらないです。

国勢調査ですから、すべてのプロセスが適法の範囲としても、
政府は説明責任を果たす必要があります。
「推定無罪の原則」と言い出す人たちは、
本件でなにをしているのかが、よくわかっていないのでしょう。


自民党・安倍政権を擁護する人たちはさらに、
「自民党以外に政権を任せられる政党がない」とも言います。
それならなおさら自民党政権が起こした問題は、
手厳しく指摘し、改善を図る必要があるでしょう。

通常の議会制民主主義国家においては、
ある政権が不正を起こしたり深刻な問題が出ても、
政権交代によって政権を担った政党自体はもちろん、
政治全体体質の改善を図ることができます。

自民党しか政権担当できる政党がないのに、
自民党の抱える問題や起こした不正を正さないのであれば、
日本の政治そのものがおかしな方向に向かっても、
いっさい軌道修正しないことになるからです。

「ほかに政権を担える政党がない」というのは、
しばしば野党否定と政権擁護の「殺し文句」として使われるので、
これを言えば自民党のどんな不正や腐敗でも
正当化できると思っているのかもしれないです。












自民党・安倍政権を擁護する人たちは、
「はじめに安倍政権の維持・存続ありき」であり、
森友事件を追及されることが、それだけ都合が悪い
ということにほかならないのだと思います。

直接の擁護はさすがにどうやってもできないので、
「批判する野党が悪い」と言って、
矛先をそらそうとしているのでしょう。




posted by たんぽぽ at 22:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | 法律一般・訴訟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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