2017年03月28日

mar0006.gif生活保護・ネットの水際作戦

2月4日エントリで、小田原の生活保護担当の職員が、
受給者を威圧するジャンパーを着ていたことをお話しました。

小田原氏は生活保護についてのウェブサイトも大きな問題があり、
ウェブで「水際作戦」をしていると呼べるものだったのでした。

「【改善させました!】「保護なめんなジャンパー」の
小田原市ホームページは制度を利用させない「仕掛け」が満載だった。」

(はてなブックマーク)

「【2017年1月24日】 小田原市ジャンパー問題申し入れに関する各メディアの報道」

 
問題になる前の、2017年1月の時点でのサイトですが、
リンクの配置が次のようになっています。

小田原市ウェブサイト 生活保護 2017年1月現在

いちばん上の「生活保護について」が、
ひたすら受給できない場合の解説になっています。
生活保護とはどんな制度かについての概要の記述は
「生活保護とは」という、いちばん下のリンクです。

小田原市ウェブサイト 生活保護制度について 2017年1月現在

小田原市ウェブサイト 生活保護とは 2017年1月現在

こうしたものは、制度の理念や趣旨
(たとえば「生活保護は憲法25条で定められた
生存権を保証するため」のような基本事項)、どうした場合に
受給できるかについてを、最初に書くのが通常です。

それをいちばん下にして、最初に受給できない場合を
持ってくるのは、その時点で特定の意図を持った
恣意的な配置にしていることが考えられます。

このサイトを訪れた人は、最初にいちばん上の
「生活保護について」から開けることが多いと思います。
リンクのタイトルも、制度の概要について
書いてあるように思わせるものです。
受給できない場合をとにかく最初に読ませたい
という意図があるということだと思います。


いちばん上のリンク「生活保護について」は
内容も不正確で違法性が高いものだと言えます。

生活保護制度には確かに親族の扶養が優先するという
規定がありますが、それは保護の申請を受け付けた福祉事務所が
親族に連絡を取るという意味であり、生活に困窮する本人が親族に
自分で連絡をとることを義務づけるものではありません。

また、DVや親族間での虐待などの問題があれば、
扶養できるかどうかの問い合わせは行わないことになっています。
もしあなたがDVや家庭内の虐待の被害者であれば、
「ご親族で〜話し合ってください」という文言を見て、
絶望し、生活保護の利用をあきらめるでしょう。

小田原市ホームページの記載は、生活保護制度に関する
間違った説明をしており、違法性が極めて高いものです。

小田原氏の生活保護のサイトを見た人は、
生活保護の受給を諦めることも多いでしょう。
実際、サイトを見た人に、生活保護の受給を
あきらめてもらうことを目的とした構成であり、
ネットの「水際作戦」ということになるでしょう。




小田原の生活保護担当部署は、ネットの「水際作戦」と
呼べるウェブサイトだけでなく、受給者を威圧する
ジャンパーやさまざまはグッズを、10年前からずっと
多くの職員たちが使い続けていたのでした。

「生活保護・威圧のジャンパー」
「生活保護・威圧のグッズ」

ここに一部の職員の暴走ということではなく、
小田原市の生活保護に関する体質の問題であり、
組織的、構造的問題ということになります。

http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/blog-entry-266.html
報道(NHK、毎日新聞)によれば、ジャンパーは
10年前に作られ、これまでに64人が購入し、
現職33人のうち28人が持っているといいます。

10年の長きにわたって、誰からも問題が指摘されることなく
脈々と引き継がれてきて、現在も職員のほとんどが
所有していることからすると、これは一部の職員の
問題行動ではなく、貴市の保護担当部署が抱える
組織的構造的問題と言わざるを得ません。


かかる構造的問題が起きる原因として、
生活保護担当部署に関する以下の状況を問題にしたいと思います。
仕事がハードで専門性を要求されるのに、懲罰的な異動先に
使われることがあるなど、ステータスが低いということです。

希望者がいないので、つねづね人手不足で、
これがさらに仕事をハードにします。
人手を補うため資格を持たない職員を回すことになり、
「水際作戦」を始めとする、生活保護に関する
差別的なことが起きる原因になるということです。

http://www.huffingtonpost.jp/2017/01/25/namenna-jumper_n_14361468.html
「精神的に重い、仕事量が多い。厚生労働省が標準として定める
ケースワーカー1人あたり80世帯でも仕事に追われるのに、
小田原市は4人の欠員があった。メンタルで疾患を発症する人も多いですね。
きついから希望者がいない。
ベテランを回すと退職してしまいかねないので新人を当てる。

社会福祉主事や社会福祉士の資格がない職員も多く、
福祉に全く詳しくない職員が現場でいけないことをやってしまい、
『水際作戦』など様々なトラブルにつながっていると思う。
専門性のある職場で経験も要求されるのに、
懲罰的な異動先になることもあり、改めていかなければいけない」

生活保護担当部署のこうした扱いは、生活保護に対する
世間的な偏見や差別と、無関係ではないと思います。
そう考えると、これは小田原だけのことではなく、
日本全国でありえること、ということになるでしょう。



付記1:

生活保護問題対策会議が、小田原市に公開質問状を送っています。
2月末までの書面回答を求めていて、
すでに小田原市からの回答がブログで公開されています。

「小田原市長宛てに公開質問状を提出しました」
「小田原市に対する公開質問状に対して回答が来ました」


付記2:

小田原市のウェブサイトの生活保護に関するページは、
現在次のようになっています。
指摘されたことを訂正したほか、5番目のリンクに、
「生活保護行政のあり方検討会」が追加されています。

「生活保護行政のあり方検討会の開催」

生活保護問題対策会議から要望されたように、
外部の有識者を交えた検証委員会を開いています。
事態をかなり重く見て、体質の抜本的改善のために、
徹底的に検証を行なうことになったのでしょう。

くわしくはリンク先をご覧いただくとして、
会議で使われた資料はすべて公開され、
参加者のリストも載せられています。

小田原市 生活保護 2017年3月現在

小田原市 生活保護行政のあり方の検討会の開催 2017年3月現在

posted by たんぽぽ at 22:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 政治・社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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