受けたことについてに、詳しい記事があります。
一連の報道で誤解されていることを中心に書いてあります。
これを見てみたいと思います。
「「同性カップル、里親に」報道から考える今後の課題」
(はてなブックマーク)
今回認められたのは「里親」です。
「養子縁組」と取り違えているかたも、結構多いみたいです。
ネット上に、「先進国では同性婚の権利が先で、
養子縁組の権利が後に認められたのに、日本は逆の動きになった。
すごいことだ」というような意見が見られます。
「里親」は法的な親子関係にはならないです。
法的な親子関係になる「養子縁組」とはべつの制度です。
同性カップルは、いまの日本の法律では、
養子縁組の養親になれないので、
養子縁組は現在もできないことになります。
今回の報道は「養子縁組制度」ではなく、
「里親制度」に関するものだからです。
養子縁組制度の養親と養子の間には法律上の親子関係が発生しますが、
里親制度の里親と里子の間にはそのような親子関係が
発生しませんので、異なる制度です。
里親には4つの制度があります。
このうち「養子縁組を希望する里親」は、
将来養子縁組することを前提としています。
よってこの制度の里親だけは、現在のところ
同性カップルはなれないということです。

「同性カップルが初の里親」は、「世帯で認定された」ことと、
それを「厚生労働省が把握した」ということです。
4月5日の毎日新聞の記事には、「厚生労働省は
同性カップルの里親認定について『聞いたことがない』
としており、全国初とみられる。」とあります。
つまり、「厚生労働省が聞いたことがない」という報道なのです。
私が聞いていた同性カップルの里親認定については、
厚生労働省が把握していなかったことになります。
今回の件において注目すべきことは、
「自治体が同性カップルを一つの『単位』『世帯』と捉えて認定したこと」
「その認定を厚生労働省が把握したこと」
「その結果、厚生労働大臣がコメントしたこと」です。
それぞれが個人で里親認定を受けて、
あとでいっしょになった同性カップルのケースはあります。
「男性カップルを里親認定 大阪市が「全国初」 社会の多様化反映」
同性カップルでは、関東地方の女性二人がそれぞれ
個人で認定された後、一緒に子どもを預かったケースがある。
子どもの委託を受けていない、世帯で里親認定された
同性カップルは、すでにいるようです。
「里親認定 東京都、同性カップル除外 69自治体調査、「審査に影響」2割」
兵庫県は昨年3月に30代の女性カップルを養育里親に認定していた。
子どもの委託はしていない。
「厚生労働省が把握していない」というだけで、
里親となった同性カップルは、
まだどこかにいるのかもしれないです。
省庁が把握できない可能性がある原因のひとつとして、
国勢調査で同性カップルは親族とされず、
同居人の扱いになっていることがあります。
現在、国勢調査において、同性カップルについては
親族に準ずる扱いにならず、ルームメートや
単なる同居人のような関係に含められています。
そのため、国が同性カップルについて、
数や家族構成を集計していないという問題があります。
統計上「存在しないこと」にされることで、
存在を把握されなくなり、必要な政策や施策を
打ち出されにくくなることになります。
国勢調査において、同性カップル、そして同性カップルで
子育てする家族は、統計上「いないこと」にされているのです。
「いないこと」にされると、政策や施策を
打ち出していく際の根拠が失われます。
最後に、この問題は性的少数者の問題だけでなく、
社会的養護の問題でもあることを、指摘しておきます。
里親の問題について注目されたという点でも
大きかったということです。
この報道は「親元で暮らせないお子さんにあたたかい
家庭が用意された」というニュースでもあります。
まずは、社会的養護の下で暮らす子どもたちについて関心を深め、
よりよい社会的養護のあり方について
皆さんが考えるきっかになるようにと願っています。
里親さんたちからも、「今回ほど里親制度について
一斉に報道されたことはない」との声が届きました。
厚生労働大臣の「同性カップルでも男女のカップルでも、
子供が安定した家庭でしっかり育つことが大事で、
それが達成されれば我々としてはありがたい」という言葉に、
LGBT当事者だけではなく、里親さんたちから
歓迎の声があがっています。
施設で育つ幸せもあれば家庭で育つ幸せもある。
その「家庭」がどんな形であれば子供は幸せかなど誰にもわからず誰にも決められません。
しかし、いい加減同姓婚も選択制夫婦別姓も認めないと「実態と違う戸籍」「実態と違う国勢調査」
増える一方ですね。
こちらにコメントありがとうございます。
>大阪市長が「これがニュースにならない
>世の中になって欲しい」と言っていました
当たり前のことであればニュースにならないですからね。
ニュースになるうちは特別なことであり、
まだまだということだと言えます。
>その「家庭」がどんな形であれば子供は幸せかなど
>誰にもわからず誰にも決められません
決めるのはあくまで本人、
外からどうこう言うことではない、ということですね。
この手の「外」の意見というのは、たいてい偏見や固定観念に
もとづいていることが多いですが。
>いい加減同姓婚も選択制夫婦別姓も認めないと
>「実態と違う戸籍」「実態と違う国勢調査」増える一方ですね。
存在の否認であり、現実から眼をそらして
思いたいように思っているということですね。
それで困ることになるのは、国民の実態を的確に
把握できなくなる行政なのだと思います。