2017年05月06日

mar0006.gifなぜ弱者は連帯できないか(2)

5月4日エントリで、日本の社会的弱者たちは、
おたがいを自己責任論で叩き合って、政治で課題解決しようと
考えないので、リベラル・左派政党は社会的弱者からの
支持を得ようとしない、というエントリを見てきました。

「なぜ弱者は連帯できないのか|政治には弱者の支持など必要ないのか」
(はてなブックマーク)

日本のリベラル・左派政党が、社会的弱者からの
支持を得ようとする意識があまりない理由は、
有権者のあいだにも自分の生活に関係することを
政治で解決するという認識にとぼしいから、
ということもあるのではないかと思います。

 
内閣府の「少子化社会に関する国際意識調査」(2011年)で、
「子どもを増やさない理由、または、増やせない理由」に
ついて訊いた調査があります。

「子ども増やさない本音」

これを見るといちばん多い理由が
「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」で、
男女とも4割前後のかたが回答しています。

「子どもを増やさない理由、または、増やせない理由」


2011年の調査なので、民主党政権時代のものと思いますが、
このころは子ども手当てや高校無償化が、
さんざんバッシングされていたときです。

この調査で「お金がかかりすぎる」と回答した中にも、
子ども手当てや高校無償化に反対した人は、
少なからずいたのではないかと想像します。

そうだとすると、経済的事情で子育てが困難と
考えているにもかかわらず、それを政治で解決することを
望まないどころか反対したということになります。


かかる矛盾は、有権者のあいだに生活に関わることを
政治で解決するという意識にとぼしい、
ということもあるのだろうと思います。
それで自分の経済的事情と、国や行政による政策とが
結びつかないのではないかと思います。

もともと日本は55年体制時代に、
福祉は企業を通してなされる状況が続いてきたので、
福祉に対する感覚が、そのようになっている
国民も少なくないのかもしれないです。
それで国や行政が直接福祉を行なうことに違和感がある、
ということもあるかもしれないです。

国民の中に、自分の生活に対する不満があっても、
当人たちがそれを政治で解決することを望まなければ、
政党や政治家も彼らの生活の課題を解決する施策を
提示しなくなるのも、無理もないでしょう。
子ども手当てが最後どうなったかが、それを示していると思います。


日本の一般の人たちは、政治のお話自体を、
忌避する傾向が強いと思います。

選挙になっても「投票に行こうね」と言うのが精一杯です。
各党の政策の違いのお話なんて、絶対にできないです。
教育や保育に関する意見でさえ、政治性を帯びるからか、
よほど気を使わないと話題にすることが難しいです。

「争点にならない女性政策」


日本人のコミュニティでは、政治と宗教の話題はタブーだ
なんてよく言われますが、このような極度の非政治性は、
わりと日常的な光景なのではないかと思います。

有権者が自分の生活に関わる課題について、
政治のお話をしなければ、そのような意見は、
「存在しない」のと同じになります。
政治家や政党も、そうした「存在しない」のと同じ意見を
吸い上げようとは考えなくなることになります。

http://nyaaat.hatenablog.com/entry/solidarity
政治的には、声をあげない者は、いないと同じだ。


自分の生活と政治が結びつかないゆえんとして、
「政治とは天下国家を論じるものだ」という認識が、
有権者のあいだに蔓延していることもありそうです。

これは居酒屋で政治談義をするのが好きな人ばかりでなく、
上述の「子育て世代の当事者」のような、
生活に関する課題を持った人たちでも、そうではないかと思います。

政治とは、自分の生活という身近なことを
論じるものではない、ましてや家族やジェンダーといった
「オンナコドモ」のことを論じるものでは
なおさらない、という意識があるのでしょう。
それで自分の生活に関わることを政治で解決しよう
という発想がますますなくなるものと思います。



政治とは天下国家を論じるもの、という認識になると
そうした人たちにとっての「政治」とは、
イデオロギーや政局に関係することになります。

それでリベラルや左派政党であっても、経済や安全保障、
あるいは憲法改正や原発問題、自民党への攻撃といったことに
重心を置くことになるのだと思います。

http://nyaaat.hatenablog.com/entry/solidarity
憲法9条や原発、自民への攻撃それ自体の方が、
ずっと重要と思っているように見えるのだ。


posted by たんぽぽ at 22:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 政治活動・市民運動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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