東京新聞が行なった、ヘイトスピーチに関する
政党アンケートをご紹介しました。
そのアンケートが載せられている元の記事は、
6月27日の東京新聞に出ているので、見てみたいと思います。
「'17都議選 東京はヘイトスピーチ多発地帯」
アンケートの質問の全文が記事に出ています。
1. 「ヘイトスピーチを伴うデモや街宣が都内で
頻発している現状をどう考えるか」
2. 「大阪市がヘイトスピーチ抑止条例を施行し、
川崎市などでも条例制定の動きがあるが、都条例制定の必要性は」
3. 「昨年七月の東京都知事選では、
一部候補者が街頭演説で差別的な発言を繰り返した。
都議選でも一部候補者に同様の懸念があるが、
候補者のヘイトスピーチへの対応は」
紙面【こちら特報部】東京はヘイトスピーチ多発地帯。主要政党にアンケートを実施したところ、ヘイト根絶に向けた条例の制定に前向きな回答が多く寄せられた。自民はあいまい回答。ほか 詳しくは本日(6月27日付)東京新聞朝刊にて pic.twitter.com/ahV2mMERvZ
— 東京新聞ほっとWeb オフィシャル (@tokyohotweb) 2017年6月26日
記事の論調ですが、自民党以外のすべての政党については、
ヘイトスピーチの抑止を条例化することに
言及しているので、評価できるとしています。
アンケート結果について「一定の議席を取ると目される
都民ファーストをはじめとして、強弱はあるものの
自民以外すべての政党が条例化に言及している点は評価できる。
数年にわたる反差別、反ヘイトの運動と、対策法の施行によって
社会の関心が高まっていることの表れだろう」
わたしに言わせると「そこまで評価できることなのかな」
という気もしないでもないです。
このようなアンケートですから、対策に前向きだという
主旨のことを言うのは、ある程度当たり前だと思うからです。
6月27日エントリで少しお話しましたが、
過去の実績からあまり信用できない政党もあるし、
政局のいかんによって消極的、否定的になる
可能性のある政党もあるでしょう。
当初は「対策が必要だ」と言及さえしない政党が
もっと多いと思ったのかもしれないです。
言うだけでも言わないよりはましなので(言質は取れる)、
そのくらいには評価できるのでしょう。
問題なのは現在の第一党である自民党です。
実質なにも答えていないも同然の回答となっています。
記事でも副見出しで「自民はあいまい回答」と書いていて、
自民党に対しては批判的な論調です。
都民ファーストと都議会第一党を競り合う自民党は、
個別の質問には答えず、「2015年の都議会で意見書を採択し、
国会や政府に実効性のある対策を求めるなどしてきた。
引き続き啓発の強化などに積極的に取り組む」とした。
この意見書は、15年の6月定例会で全会一致で可決されたが、
自民を含む都議全員で共同提案したものだ。
その内容も、国会や政府にヘイト対策を求めているが、
都議会としてどうするかの記述がない。
条例制定へのスタンスなどを読み取ることはできなかった。
ここで触れられている「意見書」は以下です。
地方議会がこのような意見書を国会と政府に提出しただけで、
なにか活動したことにされては、さすがにお粗末だと思います。
「外国人の人権が十分尊重されることを求める意見書」
このような意見書を提出するだけなら、
一般の市民団体でもできることだと思います。
自民党はヘイトスピーチ問題に関して、
ほかに言及することがなかったということかもしれないです。
地方議会、地方議員である以上、条例という
実効性のあるものを作れる立場にあります。
そのような活動を期待されるのが議会、議員です。
「国会と政府に要請した」だけでなく、
みずから実効性のある活動をしてほしいものです。
自民党はヘイトスピーチの対策に対して
まったく不熱心ということだと思います。
口先だけでも対策に積極的だという姿勢を
見せることもなかったことになります。
ある意味正直だと思います。
6月29日エントリで少し触れたように、
もともとエスニシティに関して差別的な議員が多いことに加えて、
こんなことに熱心になっても票にならない
という認識があるのだろうと想像します。
「引き続き啓発の強化など」なんて書いていて、
ヘイトスピーチの対策を啓発だけでなんとかなると
思っているだけでも、この問題について不熱心か
現状認識ができていないかのどちらかでしょう。