2017年07月27日

mar0006.gif未婚率上昇に出会いの場?

7月20日7月23日エントリの続き。
「若年女性の8割が消える」という対談記事です。

「「若い女性の8割が消える」地方自治体のゾッとする未来」

未婚のかたが近年増えている理由についても
議論しているのですが、やたら「出会いの場」の
減少にこだわっていることがあります。

 
かつては未婚率が低かったが、現在は高くなっている
背景として「見合い結婚」が減ったことを挙げています。

未婚の人が増えている背景には、
「見合い結婚」が消滅したこともあります。というのも、
未婚の女性に話を聞いてみると、断られるのを怖がってか、
「声をかけてくれる男性がいない」
「男性が本気で交際を申し込まない」というのです。

わたしが思うに因果が逆で、むかしはかならず結婚を
しなければならないという社会的要請が
強かったから、だれでも結婚できるようにと、
お見合いが存在したのではないかと思います。

かならず結婚しなければならないという
社会通念が薄れてきたので、見合いに対する需要が減って、
廃れてきたのではないかと、わたしは思います。


未婚率の上昇はやはり経済的事情だと思います。
雇用や収入が不安定なこと、子どもを産み育てるための
環境の未整備や金銭的負担の大きさだと思います。

今年の4月に人口問題研究所が、
生涯未婚率がまた上昇したことを発表しています。
ここでは経済的事情や雇用の不安定を
おもな未婚率上昇の原因として挙げています。

「生涯未婚率が過去最高に」

同研究所が昨年9月に公表した出生動向基本調査によると、
「いずれは結婚したい」と考える18〜34歳の
未婚者の割合は男性85・7%、女性89・3%だった。
高水準だが、「結婚資金」や「結婚のための住居」の確保が
障害と考えている人が多く、研究所の担当者は「非正規労働者の
増加も生涯未婚率の上昇に影響している」とみている。

2014年の内閣府の調査でも、未婚が増えている理由、
結婚を決心する理由の両方で、「経済的問題」が上位に来ています。

「未婚・晩婚化の意識調査」

図表6 若い世代で未婚・晩婚が増えている理由<MA>(全体・性別)

図表7 結婚を決心する状況<MA> (結婚意向者、全体・性別)



対談記事では男性が交際に関心がないことが出ています。
男性の結婚や恋愛に対する関心は、意識、行動の
両面において、年収が低いほど低くなっています。

「結婚願望と交際経験の減少(2)」

20・30代未婚男女の恋愛・結婚に関する意識・実態(年収階級別)(1/2)

男性の場合、年収が低いほど未婚率が高くなる
という状況は、はっきりしています。

「年収別未婚率の男女差」



あとに就職氷河期に若年層を非正規雇用で
採用したことの問題について触れてはいます。
これも「出会いの場がない原因」として語っていて、
雇用や収入の不安定というお話ではないです。

河合 出会いの場としては職場も大きなファクターですが、
「職場には結婚対象になる異性がいない」という人が、
全体の4割になっているという調査結果も出ていますね。

石破 4割も……なぜそんなに高くなるんですか?

河合 就職氷河期と呼ばれた時代に若者を採用せず、
非正規の労働者で対応してきたツケが出てきているからです。

石破 なるほど。就職氷河期の影響が若者の結婚問題、
ひいては日本の人口問題に影響しているわけですか。

まがりなりにも就職氷河期を、求職者の自己責任とせず、
社会問題、政治の問題として語っていること、
そしてそれが人口問題や家族問題に影響していることに
言及したのは、いちおうよかったのでしょう。

それでも「出会いの場」に発想が向かうあたり、
なにか方向性が違っていると思います。


「未婚率の上昇は出会いの場が減ったからだ」、
こういう考えは政府や経済界のお偉いさんのあいだで
結構蔓延しているのでしょうか?

政府や財界が出生率回復のために婚活支援、
なんて言い出すことが結構あって、
突拍子もないと思ったりするのですが、
彼らにとっては「スタンダード」な考えなのかもしれないです。

「婚活イベントに国が財政支援」
「婚活・街コン推進議員連盟」
「婚活支援で未婚率半減?」
「経団連が街コン推進の提言」


付記:

石破茂が首相になった場合、
おそらくこの「若い女性が8割消える」という議論を、
さかんに行なうだろうと思います。
それゆえ家族問題、人口問題の議論は、
わりと活発になることが予想されます。

それでも「出会いの場」とか、妙な方向性のお話が多くなり、
無意味なことをやっている、わかってないと、
いろいろなところから批判が続出することになりそうです。
(安倍のころのほうがまだましな議論をしていた、
なんて意見も出てくるかもしれないです。)

ほかに考えられるのは「若い女性」に注目しているので、
気味悪がられる、というところでしょうか?

「地方から女性が消える」
「第4回 「少子化対策」というと「若年女性」に突如関心 」

posted by たんぽぽ at 22:17 | Comment(2) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
私も若いときは結婚したいとは全く思えませんでした。
一人でも食べていけるし趣味も休日も自由。
結婚したら名字は変わるわ、「嫁」としての役割を押し付けられ、世間の休みを夫の実家に「帰省」して「嫁業」を押し付けられ、夫の転勤により転居せざるを得ず仕事も失う。
「家事がおろそかになる」という理由で仕事の制限を余儀なくされ、「この家の人間」と言う名の下っぱとして盆暮れ、冠婚葬祭にこき使われる友人たちを見て「結婚なんか何のメリットもない」
結婚のデメリットをなくしていかないと婚姻率の上昇は望めないと個人的にそう思います
Posted by わんわん at 2017年07月28日 17:00
わんわんさま、
こちらにコメントありがとうございます。

>私も若いときは結婚したいとは全く思えませんでした。
>「結婚なんか何のメリットもない」
>結婚のデメリットをなくしていかないと

ご指摘のような「結婚にメリットがない」ということは、
わたしのブログをご覧になるかたは、
言わずもがなだろうと思います。

世間的にはこうしたことは、
あまり認識されていないように思います。
未婚率の上昇のために「出会いの場」を増やそう、
なんて発想に走るかたたちは、
とりわけ「わかっていない」ような気がします。


こちらがいくら「結婚のデメリット」を主張しても、
あたかもなにも聞いていないかのように
「結婚はいいものだ」とか「とにかく結婚すればいい」
とか言うだけというのはまだましなほうだと思います。

ひどいのになると「結婚とはそういうものだ」
「文句を言わずにおとなしく結婚しろ」なんて
力で押さえつけようとするのもいると思います。

「結婚のデメリット」を理解しないどころか
力で押さえつけようとして、解決を試みないから、
ますます結婚を忌避する人が増えるということも
理解していないのだと思いますが。
Posted by たんぽぽ at 2017年07月29日 09:35
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