2017年07月30日

mar0006.gif都議選アンケート・保育政策

選挙ドットコム編集部が、東京都議会選挙に当たって、
各政党を対象に、さまざまな政策のスタンスについて
アンケートを行なっています。

「【都議選2017】築地・受動喫煙・知事への評価…「 政党・団体アンケート回答比較」」

これは選挙前になされたもので、本来は有権者が
選挙の際に参考にする目的のアンケートです。
いまから見るのは遅いとも言えるのですが、
選挙後に見てもまったく無駄ではないと思うので、
いくつか関心のあるところを、見てみたいと思います。

 
全体の回答はこうなっています。


このブログとしてはいちばん関心を惹くであろう
「(1)少子化対策・子育て支援」を見てみたいと思います。

具体的には「待機児童の解消のために、給与を上げ
保育士の数を増やすことについて」を訊いています。
主要政党はすべて「賛成」と答えています。
自民党も「賛成」です。

東京は都市部の例にもれず、待機児童問題は深刻です。
待機児童が生じる大きな原因は保育士の不足です。
そして保育士が少ない理由には給与が低いことがあります。
よってこれらの政策に「賛成」と答えることは、
都民の暮らしのためにも当然と言えます。


各政策別のページには、より詳しい意見が出ています。
賃金を引き上げることは、どの主要政党も言及があります。

「【都議選2017】各党 政策比較「少子化対策・子育て支援」」

「東京の保育士の賃金は、全産業の平均より約14万円も低く」(共産党)、
「給与が低いことが保育士不足の原因」(自民党)と見ています。

「勤務に見合った給与を出すことは当然と考え」(自民党)、
「物価が高く、生活環境が厳しい東京において、
給与の増額を進めていくことは、保育士確保策の
大きな柱になる」(公明党)としています。

「給与アップは、処遇改善の一つであり、できることから
始める意味で、賛成」(東京・生活者ネットワーク)し、
「今年度予算において保育士等の月額4万4千円相当の
賃金改善が盛り込まれていることは高く評価する」
(都民ファーストの会)との回答も寄せられました。
「専門職としてきちんと評価し、それに見合った賃金とすることや
労働環境を改善することは不可欠」(民進党)であり、
「非正規雇用が多く、最低賃金に近い状況の保育補助者は
『長続きしない』『希望者が増えない』という課題を抱えているため、
賃金アップを支援すべき」(公明党)と保育現場で働く人達の
処遇改善を進めていくなどと主張しています。

自民党でも賃金が低いことを保育士が不足する原因と考え、
勤務に見合った賃金にすることを考えています。
東京都議会の自民党は、国政の自民党よりは
保育士の給与引き上げに、理解はありそうです。


国政の自民党・安倍政権は、保育士の給与を
2%引き上げる案を提示していました。
金額にすると月額5000円程度という小規模の引き上げです。
しかもこれは2012年の民主党政権時代に決まったことで、
2016年まで放置していたものです。

「保育士給与2%引き上げ案」

このほか経験や技能のある保育士にかぎり、
月額約4万円程度の賃金引き上げのプランを提示しています。
「経験や技能のある」なので、全員に一律ではないということです。

「保育士の賃金は女性の平均?」


都民ファーストの会は「今年度予算において
保育士等の月額4万4千円相当の賃金改善が
盛り込まれていることは高く評価」しています。

すでに決まっていることの追認であって、
これから実現させるということではないですが、
反対や批判をしてはいないので、よしとしておくことにします。


国政では野党各党が月額5万円の賃金引き上げのための
法案を議員立法で提出していました。

「保育士の賃金増額法案」

また厚生労働省と内閣府に提出された
保育士の待遇改善を求める署名でも、
賃金を月額5万円の増額を求めていました。

「保育士の賃金増額の署名」

東京都の保育士の賃金は全産業平均より
14万円低いとすると、4万4000円はこの3分の1
程度であり、まだまだふじゅうぶんと言えます。
それでも国政で要求されている賃金の引き上げ幅を考えると、
4万4000円はまずますの水準ということになりそうです。


保育士は非正規雇用が多いことも、希望者が増えないことや
長く続けるかたが少ないことの原因となっている
ということは、公明党の回答で指摘されています。

具体的な施策は「賃金アップを支援」となっています。
雇用が不安定なことは容易に改善できないので、
すぐできる賃金でカバーということかもしれないです。

また
「保育士のキャリアアップへの補助」(民進党、都民ファーストの会)を導入する
というのも、具体的になんなのか気になります。
これも非正規雇用で不安定なのを、
賃金の上昇でカバーということなのでしょうか?


これらの回答は、非正規雇用が多いことによって
雇用が不安定になっていることなど、賃金以外の待遇改善を
はかることも、意識していると思います。

「(保育や介護、看護などヒューマンケアに)携わる人が、
誇りややりがいを持てるような人材育成・確保策を意図」
(東京・生活者ネットワーク)し、「専門職としてきちんと評価し、
それに見合った賃金とすることや労働環境を
改善することは不可欠」(民進党)であり、
「子どもの成長・発達を支えるという社会的責任と役割に
ふさわしい待遇に改善する」(共産党)ことが
望まれるという政策も掲げられています。

保育士は専門性があるにもかかわらず、
低賃金で非正規雇用が多いのは、「女の仕事」と見られ、
「女の仕事だから低賃金で構わない」とされてきたことと、
「子どもと遊んでいるだけだから技術は必要ない」と
思われていることがあります。

「保育士の給与が低い理由」

上述の回答を見るかぎり、具体的にどのような施策を
行なうかはともかく、保育士の現状の待遇は
社会通念によって劣悪となっていることを意識しつつ、
待遇を改善することは考えられているようです。

posted by たんぽぽ at 23:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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