2017年08月05日

mar0006.gif子どもの貧困率が減少した

少し前のニュースですが、子どもの貧困率が
減少したという調査が発表されました。
よく使われる厚生労働省による国民生活基礎調査です。

「子どもの貧困率、12年ぶり改善 主要36カ国で24位」
「子供貧困率 なお13.9% 15年 ひとり親世帯は過半数」(全文)
(はてなブックマーク)

「子どもの貧困率が減った! 何がどう変わったのか」
(はてなブックマーク)

「平成28年 国民生活基礎調査の概況」

 
子どもの貧困率は2012年には16.3%でしたが、
今回発表された2015年は13.9%と、2.4ポイント下がりました。

貧困率の年次推移

貧困率の年次推移

前に減少したのは2003年なので、12年ぶりの減少です。
今回2015年の減少は下がり幅も大きく、
1985年に調査を始めて以来、最大の下り幅であり、
変動範囲内でない実質的な貧困の改善と言えます。


貧困率が減少した理由は雇用状況の改善と考えられます。

http://www.asahi.com/articles/ASK6V4DZBK6VUTFK002.html
労働環境がよくなって親の所得が増えたためで、改善は12年ぶり。
今回は全世帯の年間の平均所得が8万6千円増えて
545万8千円となり、改善につながった。
母親に正規の仕事がある世帯が2・6ポイント多い
22・0%となったことなどが背景にある。

そして所得の増加以外に貧困を改善する
要素が見当たらないこと、そして2013年にできた
子どもの貧困対策法は、まだほとんど動き出していないことから、
貧困率の減少はほぼ雇用状況の改善による
所得の増加と考えられることになります。

https://news.yahoo.co.jp/byline/yuasamakoto/20170701-00072789/
相対的貧困率は、所得だけを見て、資産を見ない。
これらの数字は、親たちの所得が増えた可能性を示している。

所得が変わらなくても、税や社会保険料が減った場合にも
やはり貧困率は減少するが(「可処分所得」と言う)、
この間、税や社会保険料は増えることはあっても
減ることはなかったので、やはり所得が増えたと見るのが妥当だろう。
おおむね「手取り」と思えばいい。
2015年と言えば、13年に子どもの貧困対策推進法ができて、
14年に政府の大綱ができ、15年に各都道府県の大綱が
できたというその段階。つまり、ほとんどの対策は
まだ本格的に動き出していなかった時期だ。

子どもの貧困問題に対する社会的注目も、
ちょうどこのあたりから高まってきたと言えるような時期だと思う。
ひとり親世帯向けの児童扶養手当の増額がなされ、
学習支援やこども食堂が広がってきたのは、すべてそれ以降の話


安倍政権に入ってからの金融安定化政策によって
雇用状況が改善されたことが、貧困率の減少をもたらしたと
考えてよいことになります。

「母親に正規の仕事がある世帯が2.6ポイント増えて
22.0%になった」というのは、非正規雇用は新しく職を得た人たちが
得たもので、すでに正規雇用にあるかたが非正規雇用に
回されることが減った、ということだと思います。


ここに「子どもの貧困対策推進法」にもとづく
貧困対策が効果を現わすようになれば、
さらなる貧困率の減少が期待できることになります。

今回の貧困率の減少は「貧困は減らすことが可能だ」
「幸先のよいスタートを切った」というメッセージであると、
湯浅誠氏の記事では述べられています。

ともすると「資本主義の社会では、貧富の差が出るのは仕方ない」と
あきらめ顔で言われることが多いのを思えば、
「貧困を減らすことができる、可能だ」というのは、
多くの人を元気づけるメッセージにもなりえるだろう。
2015年というのは、子どもの貧困対策の結果を出た年というよりも、
スタートを切った年というほうがふさわしい。
「幸先のよいスタートが切れてよかった」というのが率直な感想だ。


子どもの貧困率が16.3%から13.9%に
なったというのは、貧困家庭の子どもが6人にひとりから
7人にひとりになったということです。

OECDの平均は13.2%(2013年)よりも高い貧困率で
36加盟国中日本の順位は24位です。
依然として子どもの貧困率は高い状況は続いています。

それでも子どもの7人に1人が所得が少なくて
生活が苦しい貧困状態で、先進国でつくる
経済協力開発機構(OECD)の平均13・2%(13年)を上回る。
デンマークの2・7%や韓国7・1%などに及ばず、
主要36カ国で24位にとどまる。

OECD各国の貧困率のデータです。(2012年)

「日本の子どもの貧困率」

年齢層別の貧困率 (2012年)

posted by たんぽぽ at 16:51 | Comment(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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