2017年08月19日

toujyouka016.jpg 非もて男とフェミニズム

少し前に話題になったトゥゲッターまとめ。
よく話題になる「非もて男性」問題がまた勃発していました。

女性が自由意思を持てるようになって、
望まない男と結婚しなくてもよくなった、
だからフェミニズムは正しかった、という主張があるのですが、
それを見て「非もて」男たちがフェミニズムに
逆恨みするという、よくある図式です。

「「フェミニズムのおかげで無理やり結婚させられなくなってよかった」→
少子化、非モテ排除。自由恋愛によって衰退する日本は…」

(はてなブックマーク)

 
発端になったツイートを見てみたいと思います。
これらはとくにおかしなことは言っていないでしょう。


もてない女性にとっての脅威は「結婚できないこと」より、
「望まない男性と結婚させられること」です。
フェミニズムが女性の権利意識や自由意志を
保証するようになって、望まない男性との結婚を減らしたなら、
やはり「正しかった」ということになるでしょう。


女性が望まない結婚をしなくなったというか、
国民皆結婚が崩れていったのは、高度経済成長が終わって
「結婚したらいまよりいい暮らしができる」という
女性にとっての経済的インセンティブが
薄れたことのほうが大きいかもしれないです。

「非婚・未婚と経済問題」
「未婚率が低かった時代」



なんの取り柄もなく、もてる努力もしないのに、
「自分にも結婚させろ」「女をあてがえ」と考えるところが、
「非もて」男の浅はかで厚顔無恥なところであり、
人間性と人権意識を疑うところだと思います。

人間性と人権意識がまともでないから、
ますます女性から忌避されてもてなくなるのですが、
そうなっても「非もて」男は自分を
「被害者」としか思わないということです。
実質は「利益をむさぼれなくなった既得権益者」です。

もてる男性は、それだけの資質があります。
ほとんどもとから備わっていることもあるでしょうが、
努力して身につけているものもあります。
「非もて」諸氏はもてたいなら、それだけの資質を
身につける努力をすることです。

ここで自身を磨く努力をせず「女に自由意志、
男を選ぶ権利がなければ、自分のような男とでも
結婚するしかなくなるのに」と考えるのが「非もて」男です。
「女の意思」なんて考えるのはめんどくさい、
自分はなにもせず楽をしていい思いをしようという、
虫のいいことを考えているということです。



「非もて」男はなぜ女性に逆恨みするのかですが、
「非もて」も一種の「弱者男性」だからだと思います。
その「弱者男性」にありがちな「女性を仮想加害者に
見立てて攻撃する」という特徴が出ていると考えられます。

「女性を攻撃する弱者男性」
「男性差別論者の精神構造」

「非もて」も一般の「弱者男性」と同じように、
「男性としての既得権を持ちたい」と思っているのでしょう。
そしてその「既得権」によって搾取できるはずだった対象を、
「仮想加害者」に見立てるということです。

「非もて」の場合、その「既得権」はまさに
「女性の自由意志に反して自分と結婚させる」です。
彼らは既存のジェンダー規範はそのままで
強者カテゴリの利益を得たいということです。



これははじめに特定のカテゴリの人たち(この場合女性)を
犠牲にしなければ、国力が維持できないなら、
そんな不健全な国力など衰退したほうがいい、
という答えかたがあると思います。

「フェミニズムのおかげで無理やり結婚させられなくなってよかった」→少子化、非モテ排除。自由恋愛によって衰退する日本は… - Togetterまとめ

女が望まない結婚をしなくてよくなったせいで滅びるような国なら滅びるべき。国の存続のために女は人生を捧げよって?胸糞悪い

2017/06/20 14:40

「フェミニズムのおかげで無理やり結婚させられなくなってよかった」→少子化、非モテ排除。自由恋愛によって衰退する日本は… - Togetterまとめ

社会は人のためにあるのであって、社会のために人がある訳ではない。人を犠牲にしないと維持できない社会はその役割を終えて滅びるか、自己破壊をしながら役割を変えるかどちらかしか選べない。

2017/06/20 21:50

現実問題として、特定の成員を犠牲にすることで
成り立つ社会こそ、どんどん衰退していくことが多いです。
女性の自由意志を認める社会は、それが原因で
衰退することはないと考えてよいでしょう。


日本が人口減少とそれによる少子高齢化で
衰退していくのは、女性が仕事をしていても
子どもを産み育てやすい環境を整備しないことが大原因です。

「顧みられない家族政策」
「少子化対策の無策と愚策」
「少子化対策・過去の愚策」

日本の経済が衰退していく原因は、
女性を低賃金の非正規雇用や、正規雇用でも
生産性の低い部門に回すことで、
日本社会の生産性を低いものとしているからです。

「2050年に先進国から脱落?(2)」
「2050年に先進国から脱落?(3)」
「2050年に先進国から脱落?(4)」

経済が低迷し、雇用と収入が不安定だから、
結婚しない人が増えて子どもを持つ人も増えず、
少子化と人口減少をもたらすことになるということです。
結婚しないのは経済的事情であって、
自由恋愛のせいではないです。

「結婚願望と交際経験の減少」
「結婚願望と交際経験の減少(2)」

日本社会に蔓延する「ミソジニー」や「反フェミ」こそ、
日本の国力が衰退に向かっている大要因です。
これらはもてないことを女性の自由意志のせいにする
「非もて」も一翼を担っていることになります。


フェミニズムに日本を衰退させるだけの力があるなら、
日本のジェンダーギャップ指数は2016年に111位なんて
お粗末すぎる事態にはなっていないでしょう。

「フェミニズムのおかげで無理やり結婚させられなくなってよかった」→少子化、非モテ排除。自由恋愛によって衰退する日本は… - Togetterまとめ

ま、日本を衰退させられるほどフェミニズムに影響力あったらもっと本邦女性の地位は向上してるよ、で終わってしまう話。

2017/06/20 20:04

フェミニズムにこれくらい力がないからこそ、
「ミソジニー」や「反フェミ」が跋扈することになり、
少子高齢化や生産性の低迷を招いて、
日本は衰退に向かっているのだと思います。

posted by たんぽぽ at 23:24 | Comment(3) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
全て激しく同意!です。

最近、ネットに非モテの進化系(退化系か?)とでも言うべき「キモくて金のないおっさん』問題とやらが出てますが。
 ああいう人たちと話して驚くというか呆れるというのかは、結婚や嫁さんに対しての幻想があまりに強すぎること、なんですよね。

 モテないと死ぬ(大袈裟ではなく)と言ったり、嫁さんさえいれば、身だしなみも出来るし貯金も出来るとか、おいおい、そのくらい自分でやれよ、大人なんだからって感じですが。
 なんか、恋愛や結婚を自分の人生が180度好転する魔法の手形、位に思ってそうで。
 で、そこまで結婚したいのなら、じゃあ、婚活すればいいだけの話なんですが、それは絶対にしないというか、出来ないんですよね。というのは、婚活市場に打って出ると、自分の至らぬ点と向き合わざるを得ないし、お相手の女性や仲人さんにすごくいろいろダメだしをされます。
 ただ、恋愛とか結婚ってお互いに歩み寄らないとダメなの当たり前なんですがね。それが出来ないなら、じゃあ、1人で生きる道を選べばいいのに、そうなると、被害者意識むき出して
「女あてがえ、フェミが悪い」
になるんです。

 ただ、同じ立場の女性(非モテで金も無いオバサンとでも言うべき)は、個人的には痛い正確の人もいるにせよ、ネットでそういった主張する人はいません。
というより、上に書いたような男と結婚させられることが一番いや、なんです。

 ただ、これって男性だって実は同じはずで、誰もが結婚できた時代って、実は似たもの同志をあてがわれた時代でもあるから、自分にあてがわれる嫁さんが
「卑屈で自己中で無年金の老親とニートの弟を抱えた年収100万の40過ぎの体重100キロのブス」
という想像がなんで出来ないんだろうか?
  
 よほど、自己評価が高すぎるのが、それとも、女を自分より相当下に見てるのか?

 
Posted by イカフライ at 2017年08月20日 20:45
イカフライさま、
こちらにコメントありがとうございます。

>全て激しく同意!です。

激しく同意してくださり、ありがとうございます!

>最近、ネットに非モテの進化系(退化系か?)とでも言うべき
>「キモくて金のないおっさん』問題とやらが出てますが

最近またお騒がしくなっていますね。
「永遠の課題」でしょうから、
機会あれば何度でもぶり返すのだろうと思います。


>結婚や嫁さんに対しての幻想があまりに強すぎること、

それはわたしも思っています。
現実が見えてなくて、ファンタジーばかり描いているなと。

彼らが幻想に走るのは、わたしがよく言及している、
高度経済成長期に普及した家族思想に対する信仰だと思います。
ちょうど経済成長の時代と重なったので、
その成功体験が「結婚して人は幸せになるんだ」と、
社会全体に確信させることになったのだと思います。

現代の「非もて」たちも、この信仰だけを抱いていて、
「結婚すればとにかく幸せになる」という幻想を
刷り込まれているのではないかと思います。


>モテないと死ぬ(大袈裟ではなく)と言ったり、

でも本当にそれで死ぬ人はいなかったりする。

「深淵な非もてのサイト」のかたも、この特徴は当てはまりますが。
恋愛は必要条件だとか、食いぶちと同じだとか
しつこいくらい繰り返していました。

「食いぶちより恋愛が大事?」
http://pissenlit16.seesaa.net/article/447471446.html


>嫁さんさえいれば、身だしなみも出来るし貯金も出来るとか、
>おいおい、そのくらい自分でやれよ、大人なんだからって感じですが。

わたしに言わせれば、独身のときにできなかったことが、
結婚してきゅうにできるようになるとは思えないですよ。
(逆に結婚してやらなくなることは、いくつもありそうですが。)
Posted by たんぽぽ at 2017年08月20日 23:37
>婚活すればいいだけの話なんですが、それは絶対にしないというか、出来ないんですよね。

そのあたりはある意味正体を現していますね。
婚活すると「現実」をいやおうなしに見せられる、
それで「幻想」の中に居続けたいために婚活をしない、
ということなのでしょうから。

こんなこともあった。
https://twitter.com/minato_y_/status/897046146836643841
========
婚活している女性が「なんで女は家事全般は得意なべきとか、
勝手な男しか婚活の場にはいないんですか!
35歳くらいまでの理解があって家事負担もちゃんとする
男性はいないの?」と怒ったら、コンサルタントが
「そういう男性はもう町でベビーカー押してますので……」と
返した話は妙に納得した記憶。
========


>上に書いたような男と結婚させられることが一番いや、なんです

なまじ「もてない」「結婚したい」と騒いだら、
望まない相手と結婚させられかねないですからね。

そもそも女性は男性と違って、壁にぶつかっても
「人のせい」にする習慣が少ないと思います。
恋愛できないことを「人のせい」にすることが
少ないのも、そういうことでしょう。


>よほど、自己評価が高すぎるのが、それとも、女を自分より相当下に見てるのか?

20代の若い女性と結婚できると信じている、
40代50代の男性を取り上げたことが前にあるけれど、
自分を不当に高く評価するのは、
男性に幅広く見られる性質なのかもしれないです。

「若い女性との結婚の無謀」
http://taraxacum.seesaa.net/article/445392059.html
Posted by たんぽぽ at 2017年08月20日 23:38
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