民進党の代表選で、政権時代の失敗と向き合うことが
重視されているというお話です。
「民進党代表選 前原氏と枝野氏、反省強調 「昔の顔」対決」
今回は記事に出ている表を見てみることにします。
前原誠司、枝野幸男が民主党政権の失敗に関して
どう考えているのか、コメントを簡潔にまとめたものです。
>政権運営
これに関してわたしが思ったのは、政官財の癒着支配体系に対して、
民主党はたいした戦略もなくのぞんでいたという指摘です。
「対既得権益戦略がなかった」
民主党政権失敗の原因を聞かれて長妻氏の答えがあまりに的確すぎてびっくりした「経団連、官僚、アメリカという政官財の癒着支配体系にたいした戦略もなくいっぺんに挑んだ事が間違いだった」と。その通り!民主党はアメリカと官僚の支配体系そしてマスコミに潰された。しかし長妻さんよく言えたなコレ
— 蓮見唯香 (@YUIKA322) 2015年1月10日
相手は巨大な既得権益層で、自分たちの既得権を
おびやかす民主党に強い不満と敵意を持っています。
民主党が政権を取っても、おいそれとまつろわず、
いかにして楯を突くかに尽力するに決まっている人たちです。
彼らとわたり合うには周到な戦略が必要となるのはあきらかです。
民主党関係者の多くは、「自分たちが政権を取ったら、
彼らはとうぜんおとなしく従うだろう」くらいに、
なんとなく思っていたのではないかと想像します。
「相手は悪い人間だ」という前提でことを考えない、
「助けた毒蛇に噛まれる」タイプだろうと想像します。
このあたりが「学校秀才的」というか、
人間関係で苦労がなく「世の中には悪い人や
信用できない人もいる」と思うことのない、
「育ちのおよろしい人」なのだろうと思います。
民進党内の人はお育ちのお宜しい人が多いので、社会が基本的に自分に牙を剥いているという事実を認識できないんだろうなあ、というのはだいぶ前から感じているし、肩入れするほどその辺のお育ちのお宜しさゆえの情報戦への無関心さについて砂を噛む思いが深まる。
— カマヤン1192(昔漫画家だった人) (@kamayan1192) 2016年4月3日
>党のガバナンス
これに関してはいろいろと言われていると思います。
2013年2月なので民主党が下野した直後の記事ですが、
仕組みが不明瞭でトップダウンという指摘があります。
「民主党崩壊の原因分析」
「“印籠”と化していた「マニフェスト」 落選議員が語る【民主党崩壊】の理由Vol.3」
民主党にとっての唯一の印籠であった「マニフェスト」を
失ってしまった。そして、マニフェストと異なる政策が
主流派の権限で決めるようになった。
こうなると、そのエンパワーメントの根拠がわからない。
なぜ決まったのかわからないのに、ついて来いというのは難しいですよね。
小沢さんは「それでは従いようがない」となって出たわけです。
代表者が小沢一郎氏だったので、「小沢悪い」と言い続け、
外に追い出すことができたわけですが、これが仮に
小沢さんでなかったら、どうやって排除したんでしょうね。
マニフェストが守れなくなったことで、
明確な指針がなくなったので、不透明な意思決定が、
主流派の権限でなされるようになったのでした。
小沢一郎氏を外に追い出すことになったのは、
不透明な意思決定に異議を唱える人物を
排除するためでもあったということです。
不明瞭でトップダウンの意思決定システムによって、
現在安倍政権が行なっているような
金融安定化政策を、民主党が実行できなくなったのは、
かえすがえすも残念なことだと思います。
「金融安定化政策と民主党」
「“印籠”と化していた「マニフェスト」 落選議員が語る【民主党崩壊】の理由Vol.3」
宮崎:「リフレ政策」という意味では、池田先生と私は
ずっと活動してきたわけですが、やはり、トップダウンの党だから、
トップの人が「リフレは正しいことではない」という考えだったからですよ。
池田:今、与党がやっている金融政策とほぼ同じ内容を
私は2010年の参院選のマニフェストに盛り込むべきだと主張し、
いいところまでいったんですよ。が、最後の最後にダメになってしまった。
トップの側近の長老が歴史を誤解しているような人だった。
高橋是清が戦後のハイパーインフレを起こしたって言う方だったから。
宮崎:我々の実力不足としか言いようがありませんが、
首脳部の数人が頑なだと、党全体の大勢がどうあっても動かないわけですよ。
ガバナンスについては、ほかにこのような指摘もありました。
「民主党の現状・識者に聞く」
「民主党の現状 識者に聞く 地味に汗をかく人少ない 代表選 方向示す一歩に」
民主党の特徴として、問題の所在や原因をリーダー一人に負わせる傾向が強い。
縁の下の力持ちをやる人が少なく、党の合意形成に汗をかかない。
サッカーで言えば、みんながフォワードをやりたいチーム。
それは、まさに地味な働きを評価して選挙で支えるような組織文化がないからだ。
「民主党政権・失敗の検証」
「水説:民主「失敗の本質」=倉重篤郎」
二つ目に、統治能力の欠落である。政府与党間の意思決定システムと
政策実現に必要な国会対応がなっていなかった。
人事バランスの悪さから、要職に何度もつく日なた組とそうではない
日陰組の乖離(かいり)が顕在化した。
そんな中で消費増税など本来は政策対立であるべきものが、
反小沢(一郎氏)か否かをめぐる属人的対立と一体化、
ある意味、党分裂に陥るのは必然だった。