2017年09月05日

toujyouka016.jpg 世界一子どもが少ない国

9月4日エントリでお話した、子どもの人数についての
総務省のサイトを見ると、諸外国の子どもの割合を
国際比較した表が出ています。

「I-1 こどもの数は1571万人、36年連続の減少」

 
人口4000万人以上ある人口大国の比較となっています。
他国のデータは1-2年前のものが多いので、
多少の変動はありますが、それほどの差はないでしょう。

日本の子どもの割合12.4%は、世界でもっとも少ないです。
2位以下は13%以上あるので、日本はこれらから
やや群を抜いて割合が低いということです。

各国におけるこどもの割合

2位はドイツの13.2%。3位は韓国の13.4%、
4位はイタリアの13.7%で、これら3国が13%台です。
因習・反動的な家族観が強い「良妻賢母」が
好きな国として、白河桃子氏に名指しされている
4カ国がしっかりラインナップしています。

「良妻賢母嗜好と出生率」
「良妻賢母が好きな国はなぜ出生率が低いか」
「良妻賢母が好きでない国の方が出生率が高い」というものです。
少子化の国は「日本、イタリア、ドイツ、韓国」など
「伝統的家族観」が強いところ。当然良妻賢母が良しとされます。
イタリアなんか「マンマ」の国ですし。


この表を見ると、子どもの割合は20%を境にして、
20%以下は社会が成熟して「人口オーナス」期に入った国、
20%以上は社会がまだ発展する余地のある
「人口ボーナス」の国と考えられそうです。

欧米の民主主義国の中で出生率が高く、
少子化を克服したと言われるフランスは18.3%、
アメリカ合衆国は19.0%です。
これら2国はほかの「人口オーナス」期に入った
国ぐにと比べると、子どもの割合は高くなっています。


2050年の少子高齢化率を推計した図があります。

「2050年の世界の少子高齢化」
「2050年の人口ピラミッド」


日本の子どもの割合は2017年現在とほぼ同じで、
韓国のほうが割合が低くなり、
日本は1位の座を明けわたすことになります。
それでも世界最低レベルではあります。

日本の高齢者の割合は35%を超えて世界第1位です。
2017年現在、高齢者の割合は27.5%ですが、
まだまだこの割合は高くなるということです。
15-64歳の生産年齢人口の割合が下がるのだと思います。

アメリカ合衆国、イギリス、フランスは、17-18%程度です。
現時点で出生率回復に成功したとされるこれらの国ぐには、
2050年になっても、子どもの割合がほぼ現在のまま
保たれるということになります。



過去のデータも見てみることにします。
日本は2013年から子どもの割合が13%を切り、
2014年に高齢者の割合の半分以下になっています。
いまのところ、子どもの割合が13%を切った国は
日本以外にないです。

各国におけるこどもの割合

参考表2 各国におけるこどもの割合

各国におけるこどもの割合

参考表2 各国におけるこどもの割合

ドイツの子どもの割合は2012年1月に13.2%と、
唯一の13%台の国でしたが、その後も2015年1月まで
13.1-13.2%で続いています。
ドイツは子どもの割合が日本について低いですが、
近年は下げ止まってほぼ一定になっているようです。

イタリアの子どもの割合は2013年1月は14.0%でした。
その後は毎年0.1ポイントずつ下がり、
2016年1月は13.7%となっています。
イタリアはまだ子どもの割合が下がり続ける最中で、
そのペースも日本とほぼ同程度です。


韓国の子どもの割合は2012年7月は15.1%で、
ウクライナの14.6%より高く第5位でした。
2014年7月には14.3%まで下がって、
ウクライナを抜いて4位になります。

2016年7月はさらに13.4%に下がって、
イタリアを抜いて3位となり、2位のドイツにも迫る数値です。
次の調査(2018年)では、ドイツを抜くかもしれないです。
韓国は近年、急速に子どもの割合が減っているわけです。

日本、ドイツ、イタリアで「少子化の枢軸」を作っていて、
近年になって急速に少子化が進行した韓国が、
この「枢軸」に加わってきた感じです。

posted by たんぽぽ at 22:57 | Comment(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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