夫婦同姓の現行法は法のもとに反するとして、
来年の1月に国家賠償請求を提訴する予定です。
「夫婦別姓 事実婚2人が提訴へ 戸籍法規定で」
(はてなブックマーク)
「毎日新聞で新しい夫婦別姓訴訟を紹介していただきました」
訴えの内容は、現行の戸籍法では国際結婚は
夫婦別姓も夫婦同姓も認められるが、
日本国籍の人どうしの結婚は夫婦同姓しか認められないことが、
法のもとの平等に反するというものです。
戸籍法の規定で外国人と結婚した場合は夫婦別姓を選べるのに、
日本人同士だと夫婦同姓しか認められないのは
法の下の平等に反して違憲だとして、岡山県に住む日本人で
事実婚の夫婦が来年1月にも、慰謝料など約220万円の
支払いを国に求める訴訟を岡山地裁に起こす。
民法の夫婦同姓の規定を巡って最高裁は2015年に
合憲と判断したが、戸籍法の規定に着目した提訴は初めて。
「戸籍法の規定に着目した提訴は初めて」とあるけれど、
夫婦別姓訴訟自体が、過去に1回しかないです。
国際結婚は原則として夫婦別姓になります。
外国籍のかたには戸籍がないので、戸籍に記載されないからです。
かつては国際結婚はかならず夫婦別姓でした。
1985年1月の戸籍法改正で、6ヶ月以内に手続きを行なえば、
国際結婚でも夫婦同姓にできるようになりました。
「国際結婚と苗字」
「国際結婚は夫婦別姓が原則」
「国際結婚時の改姓」
国際結婚の場合はどのようになるのでしょうか。
外国人と結婚しても名前は変わりません。
外国人の夫の名前を名乗りたいときは変更手続きをした上で改名出来ます。
結婚した日から6ヶ月以内なら役所で手続きができます。
それ以降は家庭裁判所で手続きの上で変更が出来ます。
2015年12月に最高裁から棄却された
夫婦別姓の国賠訴訟は、現行民法が憲法13条の幸福追求権や
憲法24条の両性の平等に反するというものでした。
「夫婦別姓の初訴訟」
「別姓訴訟・第1回口頭弁論」
今度の訴訟は、戸籍法が国際結婚と日本国籍の人どうしの
結婚とで平等ではない、というものです。
一種の発想の転換で、視点を変えたと言えるでしょう。
視点が変わることで、訴訟に勝訴もしくは
善戦するかは、なんとも言えないです。
「流れが変わる可能性」はあるかもしれないですが、
わたしはあまり楽観はしないでおきます。
戸籍制度を規定する戸籍法は、民法を実現するための
付随的な手続き規定とされている。
このため専門家からは、戸籍法の規定を根拠に
民法の妥当性を争うのは難しいという指摘もある。
原告の代理人を務める作花知志(さっか・ともし)弁護士
(岡山弁護士会)は「夫婦別姓の問題に悩む人が多い。
争い方を少し変えることで流れが変わる可能性はある」としている。
戸籍法の規定を根拠に民法の妥当性を
争うのは難しいと言われています。
それなら戸籍法を改正する必要があることを理由に
民法改正に反対する選択的夫婦別姓の反対派を、
なんとかしてほしいところです。