日本では女性は指導的地位につけないことや、
そもそも女の子は挑戦の道が絶たれていることを訴える
高校生の特集があるので、これを見てみたいと思います。
「女性は挑戦の前から道断たれる? 立ち上がる女の子たち」
(はてなブックマーク)
「「女の子」リーダーになろう。「自制する日本」10代が変える」
女性の多くは、挑戦の前から道を断たれているのではないか。
そう感じ、日米の女子学生らが昨年始めた
日本の女子高校生向けのリーダー育成プログラム
「LADY」の運営に携わる。多様な女性の生き方を紹介し、
だれもがリーダーになれることを知ってもらう。
特集記事でははじめに、すでに大学の法学部に
入っている子のお話が出てきます。
大学の教員からかなり衝撃的なことを言われたのですが、
こんなことをはっきり言う人がまだいるのですね。
差別発言として問題にならないのかと思います。
「女性は法曹界に向いていない」。
慶応大2年の山中実結(みゆ)さん(19)は昨年、
男性教授がこう話すのを聞いてショックだった。
女の子もリーダー目指そう 固定観念に立ち向かう10代:朝日新聞デジタル誰だよ。"「女性は法曹界に向いていない」。慶応大2年の山中実結さんは昨年、男性教授がこう話すのを聞いてショックだった。…在籍する法学部でも、学生の約半数が女性なのに女性教授は極端に少ない。"
2017/09/27 23:20
後述のように半分くらいが女子学生だとあります。
くだんの男性教授はそれだけたくさん女性学生がいる前で
「女性は法曹界に向いていない」と言ったのでしょうか?
教育的配慮としても問題があるでしょう。
その男性教授は法曹界に女性が少ないので
こんな言いかたをするのだろうとは思います。
それは採用や昇進で女性を差別するとか、
労働環境が男性中心で女性に入りにくいとか、
そういったことではないのかと思います。
こうしたことは外国での在住経験があると、
問題はよりいっそうはっきりわかるようです。
日本は他国と比べるとジェンダー問題に関しては
ずっと因習的で遅れを取っているということです。
3歳から9年間、米国で過ごした。当時の夢は女性大統領になること。
「実力があればルールは変わる」と信じていた。
だが、日本に帰国後、「実力があってもどうにもならない現実を見た」。
アカデミズムの世界もヒエラルキーがはっきりしていて、
上の役職になるほど、女性の割合が少なくなります。
分野別の女性教員の割合は、助教、講師、准教授、教授と
上に行くに従って、ほぼどの分野でも少なくなっています。
在籍する法学部でも、学生の約半数が女性なのに女性教授は極端に少ない。
学部別のデータになっていないのが残念ですが、
法学部は「社会科学」に入ると思います。
学部ごとに差はあると思いますが、法学部の女性教員の割合も
「社会科学」の平均に近いだろうと思います。
「第6図 大学教員における分野別女性割合(平成24年)」
社会科学分野における学部生の女子学生の割合は34.0%、
修士の女子学生の割合は39.8%です。
記事では法学部の学生のほぼ半分が女子学生なので、
他大学よりは多めなのかもしれないです。
社会科学の女性の教授の割合は13.3%、准教授は25.8%ですから、
学生の割合と比べるとずっと少ないです。
「第4図 専攻分野別に見た学生分布(大学(学部))の推移(男女別)」
「第5図 専攻分野別に見た学生分布(大学院(修士課程))の推移(男女別)」
学生の数に関しては、学部、学科ごとにわけた
ジェンダー比のデータもあります。
「法学・政治学」の女子学生は30.9%です。
「社会科学」全体の平均に近いところにあると言えますが、
やや少なめのようです。
「大学 学部・学科分野別の男女比」
法曹界に女性が少ないことの弊害で、
もっとも記憶に新しく鮮明なのは夫婦別姓訴訟です。
2015年12月の判決で、現行の同姓強制が合憲とされたことです。
最高裁判所の裁判官は15人のうち女性は3人です。
このようなジェンダー比のアンバランスが、
因習的な判決を下すことになった面も
あるだろうと思われるからです。
「最高裁判決・ジェンダー不均衡」
弁護団長の榊原富士子弁護士は「とてもとても残念。力が及ばなかった。
落胆するだけでなく怒りも感じている」
「最高裁の裁判官には、女性が3人しかいない。
この構造こそが、性差別の問題を扱う裁判のときに、こ
うした結果に招いてしまうということを実感した」と判決を批判した。
「女性が少ない最高裁判所」
元民主党の衆院議員で、民法772条による
無戸籍児家族の会代表の井戸まさえさんは憤る。
「女性が15人中3人という構成は、人口比に照らしてもおかしい。
判決も今を生きる女性たちの苦しみに寄り添っていない。
人の選択肢を認めないということは、静かなる加害者です」
最高裁判所の女性裁判官は、現職の3人を含めても
これまでに5人しかいないです。
女性の最高裁判事は現在いる3人を含め、これまでに5人しかいない。
女性初の最高裁判事は、旧労働省で婦人少年局長だった
高橋久子氏(故人)で、1994年から97年まで務めた。
その後、旧厚生省の官僚で社会保険庁長官だった
横尾和子氏が2001年から08年まで務めたが、
彼女たちの時代はそれぞれ15人中ただ1人の女性だった。
裁判官全体で見ると5人にひとりが女性です。
これもじゅうぶん少ないですが、最高裁判所はさらに女性が
きわだって少ないことになります。
最高裁判所によると、14年12月1日現在、
裁判官の人数は3782人で、そのうち女性は703人。
割合にすると18.6%で、裁判官の約5人に1人は女性の時代なのに、
女性の最高裁判事はこれだけ少ない。